災厄

著者 :
  • 講談社
3.22
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本棚登録 : 65
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062143479

作品紹介・あらすじ

妊婦ばかりが次々と狙われる連続殺人事件の容疑者は男子高校生だった。しかも夫がその弁護を…。妊娠5ヵ月めの妻・美紗緒の恐怖は、それから始まった。現代社会の病理を描く、衝撃の書き下ろしサスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 人間ってドロっとしてて怖いな

  • 病んでいるの、いったい誰だ?
    の煽りがふさわしい本。人間模様が黒くておもしろかった。

  • 【あらすじ】
    妊婦連続殺人犯の少年を担当することになった弁護士の夫・尚彦――。その妻で現在妊娠5ヵ月めの美沙緒は、悪意のドミノが倒されたかのように始まった嫌がらせの連鎖に、恐怖を募らせていく。少年はなぜ妊婦を狙ったのか? 信じていいのは誰なのか? 女と女の果てしない暗闇を描き出す、緊迫の心理サスペンス!

    【感想】

  • +++
    妊婦ばかりが次々と狙われる連続殺人事件の容疑者は男子高校生だった。しかも夫がその弁護を…。妊娠5ヵ月めの妻・美紗緒の恐怖は、それから始まった。現代社会の病理を描く、衝撃の書き下ろしサスペンス。
    +++

    妊婦ばかりを狙った連続殺人の犯人である高校生、その弁護を引き受けることになった弁護士、そして同じ妊婦であるその妻、マタニティスイミングの妊婦仲間たち、弁護士の夫の職場の人々、無責任に誹謗中傷するネットの住人。さまざまな立場から見ることができる物語である。そしてそのどの立場の人たちにも悪意と憎悪が潜んでおり、それらが重層的に膨らんで、加速度的にこじれていく様に身震いしそうになる。良かれと思ってすることがすべて裏目に出、さらなる誤解を生み、さらにこじれる。まだまだ事件は終わっていないので、見届けたい思いと、もうこれ以上見たくない思いとに揺れる一冊でもある。

  • 夫は弁護士で、妊婦ばかりを狙った殺人事件の犯人の少年を弁護することになった。その事によって、妊娠中である妻の美紗緒は日々嫌がらせを受ける事になるのですが、こんな事ってあるのかな?っていう印象です。

    まぁ夫が弁護士だからと言う理由だけじゃない悪意も交じってましたが。

    とりあえず美紗緒の周りの女性たちは皆性格悪すぎます!ここまでヤな奴ばっかりってどうなの?って思いますね。マタニティスイミングの人たちとか、普通そこまでするか?集団になると怖いもの知らずっていう集団心理みたいなものは分かりますが、にしても・・・

    とにかく全編悪意がすごい本でした。

  • 妊婦ばかり4人も殺害した16歳の少年が逮捕された。妊娠中の『美紗緒』は、自分が被害者になっていたかもしれないその事件の弁護を夫が引き受けたことに困惑する。
    夫に対する週刊誌やネットでの心ない誹謗中傷・・・やがて自身もその悪意ある嫌がらせを受け始める。


    公にしろ私にしろ、ターゲットを寄ってたかって叩く風潮が目立つ昨今の日本。それは相手の非の大小、有無にかかわらず膨れ上がる。まだ正当な批判ならともかく、誹謗中傷さらには嫌がらせに及ぶとなるといただけない。しかも当人以外の家族にも害が及ぶこともしばしばだ。大半は便乗して面白半分や憂さ晴らしをする人たちなのだろうが、それを正当な行為だと確信している人物ほど厄介だろう。よく直接は自分にかかわりのない人物に、あれだけの労力を使えるのか不思議でしょうがない。それに比べ、知人に向けられる悪意はよくわかる。悪意とまではいかなくても、嫉妬や面白くないと思うことなど日常茶飯事だ。大概は一過性のものだが、その時芽生えた感情は決して消えてなくなったわけではない。
    誰の心の中にも悪はある。

  • こわかった。犯罪事態もだが、女同士の妬み合いも、悲惨なほどたった。
    何気ない一言が、人の羨望の的になり、妬まれる。気を付けなければいけない。

  • 妊婦ばかりが次々と狙われる連続殺人事件の容疑者は
    男子高校生だった、しかも主人公の美紗緒の夫が
    その弁護を引き受けることに

    少年犯罪がテーマと思いきや少年側についた弁護士尚彦と
    その妻、美沙緒に周囲の人間の悪意にまつわる話です。

    加害者側の弁護に付いただけで弁護士、事務所、家族みな
    悪となってしまう、関係者が受ける被害は誇張されているとしても
    ありえそうな話に世間はこんなにも悪意に満ちているのかと
    怖くなってしまいます。

    善意と呼ばれるもの、好奇心は肥大しまくり
    みんながやるなら自分も・・という感情には罪悪感がなく
    たちが悪い。そして自分は決してこんなことはしないと
    言い切れない心の片隅にある悪意。

    人は善意と悪意とを同じだけ持っていて、どっちが表に
    出るかの違いしかない
    同じ行為であってもある人には善となり別の人には
    悪となることもある。

    そしてもう一つ美沙緒を苦しめるのは女と女の果てしない暗闇
    女同士の些細な心のすれ違い、妬みがよく描かれています

    事件をおこした少年は自分の犯行ではない事件も認め
    死刑を望むそんな少年と対峙する弁護士の尚彦は
    幼い頃、両親を殺害されるという過去を背負っている

    「どうして殺されなければならなかったのか」被害者家族にすると
    真実を知る事が1番難しいこと知っている尚彦だからこそ
    少年への向き合い方は一風変わっていいます
    しかし尚彦らしい向き合い方だと思いました。

    殺人事件のほうは本編にほとんど関係がない感じが
    中途半端で少し消化不良気味でした。

  • ネットの闇怖い

  • 悪意はこわい
    できるだけ人とは関わらないようにしよう

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著者プロフィール

永嶋恵美一九六四年、福岡県生まれ。二〇〇〇年『せん-さく』でデビュー。一六年「ババ抜き」で第六十九回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。主な著書に『転落』『明日の話はしない』『ベストフレンズ』『視線』『一週間のしごと』、「泥棒猫ヒナコの事件簿」シリーズなど。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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