天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺

著者 :
  • 講談社
4.19
  • (57)
  • (65)
  • (27)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 325
感想 : 53
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062150811

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「(そうだ。欲も感情と同じだ。切り捨てることができないならば、向かい合えばいいんだ)」

    ソニン4冊目。
    後1冊で終わってしまうかと思うとかなり悲しい・・・
    それでも、世界は動いていく。
    今回では、いよいよ王子王女3人が一堂に会したのが迫力があったなー。
    それに、ちゃんと今の社会と同じような、体制に翻弄される国民や、そこでの貧富の差、人の欲なんてもちゃんと書いてあって、良かった。
    後1冊で何か変わるのかな?何も変わらないのかな??
    楽しみ!

    【12/5読了・初読・市立図書館】

  • 三国の王子と王女が会すラストシーンがとても好きです。
    イウォルとクワンに一回り以上の年の差があることをすっかり忘れていたほど、イウォルは成長したと思うし、クワンのより奧の人間臭い部分も見えてきて良かった。クワンに関してはセオの存在のせいでしょうが、それにしても、クワンとセオの関係もとても好きです。ズケズケ言ってくれる人物が共にいてくれるのが嬉しい。
    イェラ王女も、驚くほど、それは悲しいとさえ思える成長をとげていましたが、より彼女の魅力が増したのは事実だと思います。切れる花のような才女の決意と覚悟は、迫るほどでした。

    ラストの、ソニンがクワンに借り物を返しに行った際の二人のやりとり、そして、イウォルとクワンが将棋をうっているシーンでの二人のやりとりが大好きです。なんだか、両方に振られて、クワンが不憫に思えてくるほどでした。
    児童文学とは思えない奧の深い会話やセリフが、とても魅力的です。

  • 三国の王位継承者が勢ぞろいしたことで、今まで以上に政治的な話がメインになっているため、3巻までの話の勢いがなくなったように感じた。
    ただ、ラストでソニンが「人間」になったシーンがあったのは、話の展開的に良かったと思う。

  • アーサ 絵
    坂山栄治+田中久子(坂川事務所) 装丁

  • 純粋で健気なソニンがとってもかわいいです! 巫女の力を徐々に失うことに向き合うところは、あきらめとは違う成長がみられて清々しく、切なくなりました。
    どのくらい先に完結するかはまだわかりませんが、自分の弱さや成長に戸惑う姿は児童書としてだけでなくYAとしてたくさん読んで欲しい本です。
    NHKで児童書のアニメ化がつづいているので、これもいずれそうなるんじゃないかなぁ……。と思ってるシリーズです。
    今回は、3国の王子・王女から信頼を寄せられ大変です(笑)

  • この巻でついに、三国の王位継承者(?)が顔を合わせた。
    ソニンの仕えるイウォル王子が影薄すぎ。笑
    イェラ王女の堂々とした態度には華があり、
    クワン王子の華やかさ見た目の下に隠された影には目が惹き付けられる。
    今回はクワン王子の付き人で、前回ソニンを助けたセオも出てきて満足。
    ラスト、少しセオが浅はかだったのがどうも…
    それもソニンのペースに巻き込まれたからと言えばそうなんだろうけど。

    今後戦争が起こるのか、
    未だに過去の亡霊のように出てくるレンヒはどういう伏線となるのか
    目が離せない。

  • シリーズ第4弾。

    上橋菜穂子の守り人シリーズと比べると対象年齢がもっと若い想定になっていると思うのだが、若い3国の王子王女とソニンがだんだんに大人になっていく感じが何とも魅力的だ。今回の巻が展開上のいいところにある。

    ☆は4以上。

  • 幼いころに巫女の能力があるとして連れて行かれたにもかかわらず、おちこぼれとして帰るされてしまった少女ソニンの話。
    両親や姉、友達であるミンと穏やかな日々を送っていましたが、ひょんなことから、末の皇子イオルの侍女として働くことになります。
    言葉の話せないイオルに仕えているうちに、巫女失格として帰されたのに、巫女として学んだ知識のために様々な問題に巻き込まれたり。

    初めは、久しぶりに読む―です/―ます調だったので多少読みにくかったのですが、読み進めるにつれ気にはならなくなりました。
    巻が進むにつれ、隣国の人々との係わりが広がり、絡み、互いに良くも悪くも影響を受けて変わって行くので、最新刊ほど面白いです。
    なので、今のお気に入りは四巻。棚田の情景がすごく綺麗だなーと思います。

    アジアな雰囲気も好きな要素の一つ。

全53件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1969年、福島県南相馬市生まれ。2002年、「橋の上の少年」で第36回北日本文学賞受賞。2005年、「ソニンと燕になった王子」で第46回講談社児童文学新人賞を受賞し、改題・加筆した『天山の巫女ソニン1 黄金の燕』でデビュー。同作品で第40回日本児童文学者協会新人賞を受賞した。「天山の巫女ソニン」シリーズ以外の著書に、『チポロ』3部作(講談社)、『羽州ものがたり』(角川書店)、『女王さまがおまちかね』(ポプラ社)、『アトリと五人の王』(中央公論新社)、『星天の兄弟』(東京創元社)がある。ペンネームは、子どものころ好きだった、雪を呼ぶといわれる初冬に飛ぶ虫の名からつけた。


「2023年 『YA!ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors』 で使われていた紹介文から引用しています。」

菅野雪虫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×