- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062153935
作品紹介・あらすじ
人間は「まちがい」を防ぐことができるのだろうか?豊富な事例で人的ミスのメカニズムを徹底解明。
感想・レビュー・書評
-
「人間はなぜ、まちがうのか」というテーマについて、
面白くてネタになるトピックを「これでもか」というぐらい集めて分析した本です。
たとえば・・・・・・
★レントゲン技師は、画像に写っていた悪性腫瘍の9割を見落とす?
★トップレスダンサーの収入は、彼女の月経サイクルに左右されている?
★黒いユニフォームのチームは、ペナルティーをとられる可能性が高くなる?
★人間は、誤りを犯しそうなときは、
むしろ「行動を起こさない」という誤りを犯すほうを選ぶ?
★「セックスした相手の数」を、男は女の四倍も多めに答えたがる?
★医師の八四%は、同業者がメーカーからの贈与に影響されていると考える。
だが、自分が影響されていると考える医師はわずか一六%しかいない。
★人はなんらかの形で自分が不正をしていないことを証明すると、
その後の作業でもっと不正をしやすくなる。
★映画を「あとで見る」人は高尚な作品を、
「いま見たい」人は大衆的な作品を選ぶ。
★キャッシュローンを勧める通知書に女性の写真を載せるだけで、
利率を五ポイント下げたのと同じ効果が期待できる。
★予備選名簿の一番目に載った候補者は、
得票に三ポイント上乗せできる。
★投資家は、金曜日の経済記事には月曜日の記事ほど注意を向けない。
★人間は、印象の操作など特定の目的のためには平気で話をつくり変える。
★無意識につくり変えた話でも、二度三度と繰り返すうちに、
いつしか「記憶」そのものになってしまうことがある。
★一般的に、男は自分を持ち上げるために、
女は他人を持ち上げるために嘘をつくことが多い。
★社会的地位や学歴、収入は、全体の幸福度におけるわずか三%しか占めていない。
★ 人を単純作業に従事させるためには、お金の力がものを言う。
だが、たいていの行動では、人間は総じて金銭的同期には左右されない。
(ゆえに、行動経済学はあまり役に立たない?)
などなど、興味深い話がてんこ盛り。
詳細はぜひ本書をご覧下さいませ!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
二度読めば得るものがありそうだ(´-ω-`)
-
図書館
挫折 -
人は失敗する生き物です、という本。
様々な角度から人はいかに間違うのかを解説している。主題はいかにして失敗を防ぐのか、にあるはずだがあまりにも失敗ありきの書き振りなので、読み終わると「過つは人の常」という印象をもつ。過去の研究成果を連ねているのだが、引用から結論までが差っぴいてあるような感じがして、少し薄っぺらい反面、読みやすくもある。
そんな類の本ばかり読んでいるからなのだろうが、既読の実験が多く、復習になるも少々退屈だった。
新宿紀伊国屋の南口店で購入。面倒さからか南口ばかrにいってしまっている気がする。 -
過去の誰かの失敗を分析して、どうすべきだったというようなアプローチでなくて、人がどういう思考や行動をとり、そしてそれが失敗に繋がることがあるという演繹的な話で、抽象度が高い。
逆に言うと的が絞り切れてない印象を持った。
認知心理学の話になったりもして、内容的には選択の科学や、誰のためのデザインと似てたり、全く同じだったりする部分がある。
ものを見慣れるにつれて気づくことは増えず、むしろ減りがちである。ものごとをありのままではなく、あるべきと思うように見るからだ。 -
統計人間の末路ってのはどんなものだろう?
平均値に落ち着く=成功と失敗を繰り返す=普通の人 -
人間の記憶がいかに曖昧で、人間が自分の能力をいかに過信しているかについて述べられた本。
読み終わるとタイトルの『しまった!』はなんとも軽すぎて、原題の"Why We Make Mistakes"の方がしっくりくる。
著者は人間が引き起こすミスについて収集することを趣味としているようで、豊富な例示はそれらについてよく納得させてくれる。
これだけ過去に特殊な事情から来るのではない例や実験結果が出ているのに、それが改善されないでいることが多いことは正に人間がファーストインプレッションに引きずられている結果と言えよう。
個人的に教訓を得たのは、
・人間が実際に見えている範囲はかなり狭い
・考えぬいた隠し場所やパスワードは忘れやすい
・人の顔が与えた第一印象はその後のイメージを大きく変えない
・テストの解答は答えを変えたほうが正答率が高い
・人は自分の成績を実際よりも良く、自分の容姿を実際よりも美形だと思いがち
・人間はマルチタスクができない
・注意力は40歳以降衰えが顕著となり、60歳以降ではかなり注意不足になる
・株式アナリストの予測が素人より良いということはない など
気に入った間違いは、ウォールストリート・ジャーナルの訂正記事、
「月曜日の一面の記事で、イギリスで開催された競技会の道化師が乗っていたのは、正しくは一輪車(unicycle)であり、記事にある一角獣(unicorn)は誤りでした。」