感応連鎖

著者 :
  • 講談社
3.28
  • (11)
  • (42)
  • (59)
  • (18)
  • (4)
本棚登録 : 319
感想 : 62
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062160445

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 母親から「セシル」と呼ばれる16才のふっくらした節子が主人公かと思えば、次々と個性的な登場人物が出てきて笑ってしまう。
    節子が色々感応させて、連鎖させた最後は、
    子供に「アリス」と呼ぶ母親に繋がって行く。
    大人のおとぎ話のような、不思議な読後感。

  • とってもおもしろかった。

    「理想の少女」になりたいと思う。
    それに近づくべく努力するものだし、
    なり得ない時には、別の可能性を見出す。
    墨川節子にように異形の自分を作り出し、
    じぶんの役割を見出すことはよくあることだなと感じた。

    ひととして恐ろしいと感じたのは「秋澤初美」だった。
    子供の時の体験はそれは気の毒と思う。
    「君はこういうことが好きなんだ」
    「そういう人間なんだ」
    と大人に言われてしまえば
    子はそうなのかもと素直に思ってしまうのもめずらしくない。
    それを損得勘定で「お駄賃」と受け入れることで心の安定をはかり、大人になった今でもその考え方から抜け出せないのはひどくかわいそうだと思った。

    いちばんよくわからないのは佐藤絵里香
    一種の能力のように描かれているのは
    どういう訳かわからないままだった。
    そして残念なことに、28歳で亡くなってしまった。
    他人に隠しておきたい秘密を特殊能力によって
    あきらかにしてしまう佐藤さんは邪魔な存在であるだろうし、周りからも自身でも疎ましかったに違いない。

    共感や親しみを覚えたのは新村(島田)由季子
    「理想の自分像」が明確にあり、
    それを本気で演じているところに
    強い共感を覚えた。

  • 2017/06/27

  • 女たちの内側で、何かが蠢く。
    肥満を異形とする節子か、他人の心が読める絵理香か、自意識に悩む由希子か。
    交錯する視点、ぶつかり合う思惑。
    真実を語っているのは誰?
    (アマゾンより引用)

    由希子が一番性格悪そう(;・д・)
    結局絵理香は何で死んだんだろう???
    最終的に結構疑問の残る物語

  • 2015.7.15

  • 2014/8/14 読了

  • ややホラー

  • 2012/12/21
    復路

  • 「気持ち悪い…」と思いながら一気に読了してしまった、再び朝倉さん。「感応連鎖」という題名の表すところが最後にはっきりわかって、「ひょえ~×_×」と思いました。

    気持ち悪いのに、現実にこういうことがありそうで怖い。小川洋子さんの作品も「気持ち悪い…」と思いながら読み進めてしまうことが多いけれど、朝倉さんと小川さんの作風は微妙に違うように感じる。小川さんの作品は、気持ちが悪くても「妄想です」「フィクションです」ということがどこかはっきりと感じられることが多いように思う。対して朝倉さんの作品にただようのは、ギリギリで現実にありうる「気持ち悪さ」であるような気がする。妄想というよりは、朝倉さんや読者自身がどこかで体験したことがある事実であるように思ってしまう。そんな感じ。

  • 4人の女性のそれぞれの視点で描かれている物語。分厚いけど、一気に読めます。
    まさに、タイトルどおり「感応」と「連鎖」のお話。うーん、うまいなあ。
    でも、ちょっとしたホラーかな。

全62件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1960 年生まれ。北海道出身。04 年「肝、焼ける」で第72 回小説現代新人賞、09 年「田村はまだか」で第30 回吉川英治文学新人賞、19 年「平場の月」で第35 回山本周五郎賞受賞。

「2021年 『ぼくは朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

朝倉かすみの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×