利権の亡者を黙らせろ 日本連邦誕生論

著者 :
  • 講談社
3.83
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062169721

感想・レビュー・書評

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  • 読みながら、一度読んだことがある感覚を覚えた一冊でした。苫米地さんの他の本を何冊も読んできていたからかな。こちらは東北の大震災からの復興策として、苫米地さんのグランドデザイン案を元に、現代の日本の抱える問題点を解きほぐしていく一冊。かなり勉強になった。でも復興とか利権にしがみつくめんどくさそうな人たちのところよりも一番「なるほどそうか!」と思ったのは、医者の技術をどう評価するかという点。これに「単純に診療数でいい。技術者なのだから、場数が質になる」と答えたのは、技術職でも他の仕事でもそうなんじゃないかと思いました。単純に場数を増やさないことには、多くのパターンがわかってこない。スキルが上がらなければ、簡単な仕事に時間をかけることになる。この基準は、自分の仕事観でも取り入れていこうと思いました。

  • 利権とは無縁な原発推進派の本音は日本の安全保障にある。しかしながら本気で安全保障を考えるのであれば、原発そのものが攻撃対象となり得るリスクをどう回避するかが問われよう。私は原発に否定的な立場だ。まず嘘が多すぎる。東京の電力をまかなうための原発を地方につくること自体がインチキだと思う。コスト計算も不明だし、原子炉が古いタイプでパテント料はアメリカがせしめる仕組みになっている。
    http://sessendo.blogspot.jp/2014/06/311.html

  • 評価は微妙な所ですが3.5くらいかなぁ・・・基本的には良い事言ってます。
    だんだん、普通の誰かのおしゃべりを聞いている気分になってきちゃいました(^^; 空想論みたいな内容だったのかな?
    苫米地さんの原発の話は初めて聞いたので、新鮮でした。
    気になったのは消費税25%の話。
    計算は分かったけど、本当にそれで税収が減らないかしら?
    貯蓄がどんどん増えていくような…?そんなことないのかな。
    そして医療費と学費が無料だったら足りなくないですか~?

  • 苫米地英人の本を読んでいていつも感じるのはその連想力のすごさ。
    もちろん知識量が膨大で知らなかったことを教えてくれるというのも魅力なのだけれど、より興味深いのはそこから飛躍して自由な発想から社会を推理しはじめたときだ。
    それらが当たっているかどうかはわからないし、その点をことさらに論うこともできるのだけど、そこはまぁ大きな心で楽しもうよと言いたい。
    こういう言い方をすると苫米地ファンの中には反発を覚える人もいるだろうけど、僕個人はそういう読み方をしている。

  • 3.11で明らかになった日本の様々な問題点を筆者なりに考察。非常に鋭く、その解決策は革新的である。

    何度も読んで完全に理解しておきたい本。

  • 著者が後半に提案している様々なアイデアで,アメリカ国債のデリバティブ化,電波オークション,税金を25%の消費税だけにする,防衛はインテリジェント化に特化する等 検討に値するものがあると感じた.

  • 苫米地氏は以前から知ってたけど、著書は初めて読んだ。
    3.11の被災を切欠に原発、電力、通信などの利権を我が物にしている人間を排除しろ。という内容。
    自分達のために、適正な日本を取り戻そうという感じかな。
    原発の設計ミスの部分などは、共感できる部分もあったけど、その他の暴露情報的な部分が「あったそう」や「に見える」みたいな曖昧な意見でしかないので、全体的に納得できなくなってしまった。
    まぁ。原発に関する問題はかなりデリケートなようなので、この辺が限界なのかなぁ?
    もっと客観的な理由というか証拠というか、そういうものがあれば納得できそうなんだけど。
    感情が前面に出すぎてるのもちょっとゲンナリしてしまった。
    苫米地氏の著書はもう一冊購入しているので、そっちに期待したい。

  • 天才かトリックスターか評価の分かれる苫米地英人。
    本書では3.11以後の日本のあり方を提言している。

    道州制への以降を前提とした、東北経済特区の新設。
    脱原発。アメリカによる金融支配からの脱却。
    電波、電力の自由化。

    書いてあることはすべて同意出来るないようだった。
    思ったよりマトモというか。

    また教育と医療には資本主義を持ち込むべきでない
    という意見にもまったく同感だ。

    あとはどうやってこれらを実現するか。
    政治家になろうとしたら、きっとドクター中松みたいに
    扱われちゃうんだろうなぁ。

    こんな意見が王道となったときに本当に日本が変わるのだろう。

  • 以前アメリカで911テロが起きた後に、その前と後では、人々の考え方が変わったという話を聞いたことがあります。当時、それを経験した人やその映像を見た人、それによる影響を受けた人にとって、パラダイムを変えるような事件だったと想像されます。

    それに日本で相当するものが、昨年(2011)3月11日に起きた東日本大震災だったのではないでしょうか。個人的には地震や津波の直接の被害よりも、それにより引き起こされた原発事故の衝撃の方が大きいです。

    あの時の報道(テレビや新聞)はインターネットというツールを持っていた人々にとって、不愉快なものでした。それと前後して、テレビ局や新聞記者等の正体を書いたものが出てきて個人的にも驚きました。

    既に、何人かの識者が本でも書いているように、近い将来(5年以内)に世の中の価値観が変わってしまう事件が起きてしまいそうな気がしています。そのような状況の私にとって、この本は衝撃的な本でした。

    以下は気になったポイントです。

    ・政府保証は新規の借り入れでなく、過去の融資につけてやり、不良債権化を防いでやるべき、東北地方在住の個人と法人への貸付は新BIS規制を適用しないのが理想(p26)

    ・東北地方を10年後に道州化をめざすために、手始めとして、東北地方全体を経済特区、地方税は別にして、国税、法人税、消費税ゼロにして、関東や関西からの移住に期待する(p28)

    ・新BIS規制を適用しない場合、融資されたお金で、債券や使用しない土地に投資するなど、バブルを引き起こすような使い方はさせるべきでない(p32)

    ・原発関係者(御用学者、東電、保安院等)の言葉をそのまま流しているのは、テレビ局と大手新聞社は、完全に原発利権の一部だから(p43)

    ・地球温暖化説はNASAが出した気象データがもとになっているが、肝心のデータに誤りがあった、修正してみると、本当の最高気温は1934年、史上最高気温のベスト5は1930年代に集中していた、今は低温化(p45)

    ・ストロンチウム90はカルシウムと似た構造をしているので骨に取り込まれ、半減期は50年になる非常に危険な物質(p51)

    ・これまで日本が発表してきたマグニチュードは気象庁マグニチュードといい、日本の気象庁だけが独自に使っている計算方法によるもの、なので8.4がその計算値で、訂正された9.0はモーメントマグニチュード(p57)

    ・なぜ数値を修正したか(8.4→9.0)は、その数値だと防災設定の「想定内」に入ってしまい、東電と民主党政権は管理責任を問われるから(p57)

    ・30年以内に震度6以上の地震が起きる確率(2011年1月1日算定)は、浜岡原発は84%だが、ほとんどが0%(福島第一:0%,第二:0.6%)、その理由は、地震予知の体制が整っていないために計測できていないから(p61)

    ・東電は火力発電を稼働するより、東北電力から買う方が安いので買っていた、失われたのは電力ではなく、東北電力から安く売って関東の人間に高く売るというビジネスモデル(p68)

    ・2011年2月、世界最大の債券投資ファンド(ピムコ)がアメリカ国債とその関連債権をすべて売り払った(p80)

    ・2011年になって、ユタ州とノースカロライナ州の州議会が、金銀地金を通貨として認めるかどうかを検討し始めた(p82)

    ・アメリカの商法では、33%以上でオーナーなので、GMはアメリカ政府(34%保有)のもの(p101)

    ・民営化後の郵貯は銀行法の適用外とした、なので新BIS規制には縛られず、175兆円のアメリカへの流出は防がれた(p109)

    ・現在でも、港区・渋谷区・新宿区・西部地域の上空7000メートルまでは米軍の空域である(p119)

    ・OECD加盟国30か国のうち、電波オークション未採用国は、アイスランド・チリ・ルクセンブルク・日本の4か国のみ、北米では24回行われて、落札総額は 6.5兆円程度(p140)

    ・総務省は、オークションにすると得られるであろう数兆円の歳入より現在の電波利用料で入ってくる650億円(特別会計)を守りたい(p146)

    ・電波と電力の自由化をすれば、それだけでも日本は住みやすくなる(p151)

    ・消費税25%は正しい、そのかわりほかの税金は撤廃する、日本の所得税は累進性と脱税のため不公平感がある(p158)

    2012年1月8日作成

  • 陰謀論のようなものも出てくるが、実際ありえなくもない。グランドデザインとして興味深かった。

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著者プロフィール

認知科学者(計算言語学・認知心理学・機能脳科学・離散数理科学・分析哲学)。
カーネギーメロン大学博士( Ph.D)、同 CyLab フェロー、ジョージメイソン大学C4I&サイバー研究所研究教授、公益社団法人日本ジャーナリスト協会代表理事、日本外交政策学会会長、コグニティブリサーチラボ株式会社CEO 兼基礎研究所長。マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、三菱地所へ入社、財務担当者としてロックフェラーセンター買収等を経験、三菱地所在籍のままフルブライト全額給付特待生としてイェール大学大学院計算機科学博士課程に留学、人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。同認知科学研究所、同人工知能研究所を経て、コンピュータ科学と人工知能の世界最高峰カーネギーメロン大学大学院博士課程に転入。計算機科学部機械翻訳研究所(現 Language Technologies Institute)等に在籍し、人工知能、自然言語処理、ニューラルネットワーク等を研究、全米で4人目、日本人として初の計算言語学の博士号を取得。帰国後、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、同ピッツバーグ研究所取締役、通商産業省情報処理振興審議会専門委員、早稲田大学研究院客員教授などを歴任。また、晩年のルー・タイスの右腕として活動、ルー・タイスの指示により米国認知科学の研究成果を盛り込んだ最新の能力開発プログラム「 TPIE」、「 PX2」、「 TICE」コーチングなどの開発を担当。その後、全世界での普及にルー・タイスと共に活動。現在もルー・タイスの遺言によりコーチング普及及び後継者として全世界で活動中。一般財団法人サヴォイア王家諸騎士団日本代表、聖マウリツィオ・ラザロ騎士団大十字騎士。近年では、サヴォイア王家によるジュニアナイト養成コーチングプログラムも開発。日本でも完全無償のボランティアプログラムとして「PX2」と並行して普及活動中。

「2023年 『新・夢が勝手にかなう手帳 2023年度版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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