フラガール 3.11 つながる絆

著者 :
  • 講談社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062173308

作品紹介・あらすじ

「日本中に笑顔、元気、希望をお見せします!」平成23年5月、フラガールたちは福島から全国へ飛び立った。被災地・福島県いわき市の「スパリゾートハワイアンズ」が、204日間の休業を経て営業再開に至るまでの道のりを描く感動のドキュメント。3月11日、被災した宿泊客のためにハワイアンズの社員は何を考え、行動に移したのか。震災の影響で自宅をうしなったフラガール、じつは引退が決まっていたリーダーの「選択」。全国124ヵ所におよんだ「フラガール全国きずなキャラバン」の舞台裏。今なおつづく「風評被害」に対する会社の取り組み。

感想・レビュー・書評

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  • 今日たまたま図書館で見つけて、なんとはなしに手に取りました。

    福島の"スパリゾートハワイアンズ"での、震災直後から再開までの軌跡を丁寧に綴った一冊、
    震災当日、実際に現場にいた方の筆だけにとても読み応えのある内容で、ページを繰る手が止まりませんでした。

    緊急時の現場判断であってもホスピタリティが一貫して高く、その意識も共有できているのが凄いです。
    人は危機の時にこそ本性が露わになるといいますが、組織も同じなのでしょうね。。

    過去に何度か行った事がありますが、とても楽しかったことを今更ながらに思い出しました。

    子どももそろそろ楽しめるかなぁ、と思っていた矢先の震災でしたが、
    これは是非訪れてみたい、ん、5月か夏か、、家内と相談してみよう。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      このような本が出ていたのですね、、、
      つい先日、NHKでフラガールの番組を見たところです。。。「証言記録 東日本大震災 福島県いわき市~そ...
      このような本が出ていたのですね、、、
      つい先日、NHKでフラガールの番組を見たところです。。。「証言記録 東日本大震災 福島県いわき市~そしてフラガールは帰ってきた~」
      http://www.nhk.or.jp/ashita/bangumi/
      2014/03/27
    • ohsuiさん
      nyancomaruさん
      そのような番組があったのですね、、再放送があったらぜひ見てみようと思います!
      情報、ありがとうございました~
      nyancomaruさん
      そのような番組があったのですね、、再放送があったらぜひ見てみようと思います!
      情報、ありがとうございました~
      2014/04/06
  • 本書は映画『フラガール』で一躍有名になった福島県いわき市の「スパリゾートハワイアンズ」が、3・11の大震災から204日間の休業を経て営業再開に至るまでの道のりを描く感動のドキュメントです。

    僕が『フラガール』の存在を知ったのは蒼井優ちゃんがヒロインを勤める例の映画からでした。ミーハーといわれればそれまでですが、初代フラガールの彼女たちが炭鉱の閉山に伴う故郷の衰退にフラで立ち向かっていったの同じようにかつて『常磐ハワイアンセンター』と呼ばれた施設も『スパリゾートハワイアンズ』と変わり、フラガールといわれた踊り子たちも難題も世代を変えた現在であの3・11の東日本大震災が起こり、同時に福島第一原子力発電所の破局的な事故が起こり、存続の危機に陥った『スパリゾートハワイアンズ』ならびに『フラガール』たちの204日間の休業を経て営業再開に至るまでの道のりを描くドキュメントが記されているのが本書です。

    3・11のその日から被災した客のためにスタッフが文字通り懸命になって動いていたということや、引退を決めていたフラのリーダーが下した決断、さらには平成23年5月から『日本中に笑顔、元気、希望をお見せします!」』という言葉ともに全国に旅立ったフラガールたちの全国124ヵ所におよんだ「フラガール全国きずなキャラバン」の舞台裏などが描かれていて、地域のために必死になって最高に取り組む彼女たちの姿が胸を打ちました。

    僕はまだ彼女たちのダンスを生で見てみたことはありませんが、華やかなダンスの裏にこういうものが潜んでいるのだという観点から見てみると、また違って見えるのかも知れません。福島県では現在でも『風評被害』が続いているのだそうで、それに対する会社側の取り組みに関しても『企業努力』という言葉では片付けられないものを感じました。いつか、彼女たちのフラを生で見るためにも彼女たちやスタッフに負けないでがんばっていこう。月並みではありますが読み終えた後にそういうものを感じさせるものでありました。

  • 福島へ、いわきへ、ハワイアンズ行きたい。

  • これぞプロの対応。フロント、ダンサーもできることを自ら実践。すべては宿泊客の安全といわきの雇用のために。震災のときに自分だったらどんな対応できたかなあ?と考えさせられた。

    いわきスパハワイアンズリゾートこれは実際にいって感じたい。

    この企業の経済効果が仙台の楽天の二倍とは驚き。

    感動的な話で涙がとまらなかった。

  • ハワイアンズのスタッフさんが東日本大震災時にお客さんを想って、対応・計画・行動した内容が詳しく記録されている本だなぁと思いました。道路交通の混雑対処・通信状況回復にかかった時間・気温低下への対策・食事提供の心配り。人間同士だから「(結果のみならず)伴って思いやりが伝わること」も重要だと感じました。困った時こそお互い様でしょう(^^)

    今後起こり得る地震に心理的、且つ物質的に備える意味でも有用な情報本だと思います。評価はありません。この本の、出版、印刷など、製作に関わったすべての人に感謝です。

  • [墨田区図書館]

    映画フラガールも、福島のハワイアンズも、名前だけで全く知らないに等しい私にとって、この本の題名からはあまりそれらの繋がりは理解出来ずに読みだした。

    表題から2010年3月11日の東日本大震災のことに関する話だろうとは思いつつも、表紙を飾る華やかな女性の笑顔(男性陣もいるけれども目に入らない(笑))、"フラガール"という単語から、ここまで詳細に綴った"ハワイアンズ"の被災記録と思わず表紙をめくったが、すぐに映画の1シーンごとの"撮り"のように、ある人、ある視点ごとの被災記録とわかり、身が震えた。

    幸い個人的にこの震災時に被害を被った(もちろん地震被害は自身にもあったが)縁者や知人はなく、分かっていても身近ではなかった災害の様子が、生々しく、けれども決して悲惨ではなく、この本のなかで綴られていた。

    ただ残念だったのは、後半の失速感。いくら表題に書かれていても、後半から"フラガール"と題されて、更にリーダー視点での語りが多くなってきても、何の前提知識もなく読み始めた私には、"ハワイアンズ(本館、本部)"での被災状況とその対処、復興方法に興味が多く、最後まで"フラガール"を主としてみることが出来ず、題名との繋がりの薄さ、読み始めてすぐ期待した内容からの削がれを多く感じてしまった。

    ただ、読んでみて福島の炭鉱所から発したハワイアンズ発足の経緯、ハワイアンズが"フラガール"を会社の核として(少なくとも被災後は特に)扱い、再興を目指した要だということはよく理解出来た。

    やや辛辣になってしまうが、これはまとめ方によったと思う。あくまでも"フラガール"を知っている読者向けとして書かれたのであればこれでいいのかもしれないが、それにしてもやはりもう少し昇華する書き方があったのではないかと思ってしまった。ただ、残念感はあるが、内容も各人の視点からの詳細記録のような綴り方も興味があり、よい題材、読み物だと思う。

    息子もそのうち、こういう本も読みだしたら興味をもってくれるようになってほしい。

  • つまらなかった
    ハワイアン図はフラガール以外部屋も料理もひどい…

  •  編集者である著者の清水一利氏は、スパリゾートハワイアンを取材中に東日本大震災に遭う。本書は、同氏がその場の現場で見聞きした、震災直後から復興までのドキュメンタリーである。
     スパリゾートハワイアンでは、震災時に千人近い客がいたが、一人の死傷者も出さなかったのは奇跡的である。
     同施設は、3.11では被害がなかったが、1月後の余震で大きな被害を受け、休館を余儀なくされた。その間に、フラガール達が、「きずなキャラバン」として全国を公演して回ったのである。
     私は震災後1年後に東北に単身赴任した機会にスパリゾートハワイアンに行ってみた。施設は完全に復旧され、大勢の観光客で賑わっていた。何よりフラガールたちの笑顔がとても素敵で、元気をもらった。

  • 嘘はなかったなぁー
    事実をただ淡々とでも、感情ものせて押しつけでなく書いてるな。
    震災関係の本って毛嫌いしてたけどそうでもないのかも。

  • 東日本大震災の年、スパリゾートハワイアンズのフラガール達は「フラガール全国きずなキャラバン」を行った。それは5/3~10/2まで、25都道府県、124箇所、245回公演におよんだ。

    新宿高島屋のステージ、ハワイアンズにとって首都圏のお客に戻って貰えなければ復興はない。自分たちの元気な姿を見せて、皆に元気になってもらうことが使命だ。

    以下は、フラガールリーダー加藤さんの舞台挨拶。自分たちで考えたメッセージに心意気が重なる。

    「みなさん、こんにちは。
    私たちは、福島県いわき市にあるスパリゾートハワイアンズからまいりました。スパリゾートハワイアンズは現在休館していますが、フラガールは全員元気です。いまから45年前、私たちの先輩である当時のフラガールが、地域や仲間とのきずなの力で、炭鉱が閉山になる危機に向かって果敢に立ち上がったように、今度は私たちが立ち上がります。日本中に、笑顔、元気、希望をお見せします。そして、多くの方々とのきずなを深めていきたいと思っています。地元いわき市、福島県のために、私たちができることは、元気に踊りを披露することです。
    今日は、お越しいただきましてありがとうございます。」

  • ハワイアンズのお客様への対応、復興に対する強い想いが伝わってきた。
    全国キャラバンで、被災者としてのフラガールではなく、全国の人に元気を与えるほど元気なフラガールとして行脚。感動した。

    風評被害など炭鉱閉山からの復興よりも厳しいものがあるが、一山一家の風習が未だに生きている。

  • またハワイアンズに行きたい。風評被害に負けるなと思いながらも、なかなか厳しい現実なのもよく分かる。「落ち着いたら行きます」とあった人の気持ちもよく分かる。
    でもとくかく応援したい気持ちでいっぱいになる。

  • スパリゾートハワイアンズ=旧常磐ハワイアンセンターで、新直後にどんなことがあったのかは、現地で震災に巻きこまれた記者さんの記事やそのことを扱ったブログを拝見していました。

    この本で、そこで読んだ以上の綿密なやりとりがなされ、日常とは異なる事態に対処されていたこと、そのなかでの決意が読み取れました。

  • 先月のとある休日、友人とふらっと東京から、せっかく遊ぶなら東北でと、スパリゾートハワイアンズに向かった。
    2011年10月に営業再開した時には、メディアもこぞって取り上げ、アクアマリンふくしまとともに復興の象徴のように報じられた。
    しかし実際には客足は少なく、おそらく話題になった一刻の賑わいだったか、ととても残念に感じた。客観的に見ると、都内のスパ施設(ラクーア)などと比べると、インフラも劣るし、ホスピタリティもいまいち。とか思いつつ、

    帰り際にこの本を手に取った。

    翌日ページを繰る手は止まらず、(内容についてはみなさん読んでくださいね。)
    スパリゾートハワイアンズをこれからも応援し続けることを心に誓いました
    。それもそて、偶然居合わせたライターの清水さん(著者)という方のおかげでずいぶんと迫真に迫る本担っていると思います。

  • 映画「フラガール」を観て、僕は蒼井優ちゃんのフラダンスにすっかり魅せられてしまいました。
    今も、ジェイク・シマブクロのウクレレが聞こえると、感動のダンスが頭に浮かびます。

    本棚に並ぶ「フラガール」の文字に惹かれて、この本を読みました。
    残念ながら優ちゃんはでてきませんでした。
    内容は、重たい。
    映画のモデルになった 福島県いわき市の「スパリゾートハワイアンズ」が震災により休業においこまれます。再び営業を始めるまでのドキュメントです。

    著者は震災当日、「ズパリゾートハワイアンズ」にいたこともあり、内容の描写に真実みが溢れています。

  • あの時どこにいたか…。

    トラウマにもなりうることでありながら、
    ここスパリゾートハワイアンズで震災にあった人々の多くは
    またぜひ行きたいと口をそろえて言うらしい。
    スタッフたちの奮闘に頭がさがるドキュメンタリーでした。

    ディズニーランド版もあったら読みたいけど、二番煎じになるからでないだろね。

  • 電車の中で読んでいて、何度か涙。一気に読んでしまった。

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著者プロフィール

1955年千葉県市川市生まれ。明治大学文学部卒。広告代理店勤務を経て、1987年に編集プロダクションを立ち上げ、書籍、雑誌の編集、執筆に携わる。2011年3月11日、スパリゾートハワイアンズを取材中に東日本大震災に遭遇したことをきっかけに、ノンフィクション「フラガール3.11」を執筆した。

「2015年 『フラガール物語 常磐音楽舞踊学院50年史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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