- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062173490
作品紹介・あらすじ
やさしくて、やすらかで、ゆたかな未来へ。原子力に替わるエネルギーを探すこと、それも急ぎ、かつ慎重に、そして大胆に-太陽光、風力、水力、地熱、潮力、バイオマス、スマートグリッドを組み合わせて、100%自然エネルギー社会に向かおう。
感想・レビュー・書評
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飯田哲也「1億3000万人の自然エネルギー」読了。飯田さんたちの提案、「2020年までに、電力量の20%を、節電と省エネで減らし、30%を自然エネルギー、10〜0%を原子力、石油・石炭は出来るだけ減らしながら40〜50%を天然ガスにすること」さらに2050年までに、自然エネルギー100%を目指す。これが実現可能性たっぷり。 自然エネルギー入門編みたいな本。
前著「原発社会からの離脱」を読み終えて、対談なので充分に語りきれなかった飯田氏が提唱する自然エネルギー100%社会の実態を詳しく、分かりやすく紹介する啓蒙本が必要だという思いをしたのであるが、さすがにみんな考えることは同じだと見えて、既に10月にそういう本が発行されていた。まさに啓蒙本である。
まるで絵本みたいに文字が大きくなっているが、大切な文は大きくして、データや説明文は図・表、小さい文字で賄っている。それによって、見た目よりも豊富なデータも載っており、一般人の啓蒙本としては、先ず必要な知識が得られるようになっている。
おそらく、自然エネルギーの情勢は日進月歩であり、ここに書かれていることも、あと数年すれば大きく書き換えられるに違いない。
一番書き換えられなければならないのは、日本における情勢であることは間違いない。
これを読むと、再生エネルギー買取法が成立したとはいえ、このままではまだまだ飯田さんの提案の方向には舵を切っていない。
アメリカだけを見ていてはダメだ。ヨーロッパの現実を見ながら、よその国の長所を取り入れて日本式のエコ社会を実現していくのは、できる。それは日本の得意とするところだ。
一番の障壁は、政府の「意識」であることは、おそらく間違いがない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
↓利用状況はこちらから↓
https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00518827 -
太陽エネルギーは化石燃料と原子力のエネルギーの3000倍ある。風も太陽エネルギーが源。太陽の熱で海や陸が暖められ、空気がなかれ出す。
欧州では2050年までに100%自然エネルギーを目指すシナリオがある。
日本の土地の5%に太陽光発電を億だけで、全国の電力量を賄える。
太陽光発電は昼の太陽エネルギーをためる蓄電池があれば、夜に有効に使える。災害時にも活躍する。 -
可愛らしい装丁で、絵本感覚で読みやすい。それでいて、世界のエネルギー事情を一通り学ぶことができる。
一見すると、日本が再生エネルギーへとシフトすることを妨げる理由はゼロに等しいのだが・・・。何がそれを阻んでいるのか、そのことについての検討を自分の課題にしたい。 -
全体的に文字のレイアウトがなかなかユニークに工夫されていて、とても読みやすかった。内容もとても分かりやすく解説されていた。
日本に住んで生活している私たちにとって実に大事なテーマだと思う。
テレビをはじめあらゆるメディアで今回の原発を筆頭に、エネルギーに関するあらゆる問題を抱えている現代の私たちが…
さてどこが本当で土かが本当でない、或いはどこから勉強したり調べたらいいのか。エネルギーというテーマがあんまり大きいので、
どこから始めればいいのか分からないのか…
そんな方にはぜひこの一冊はおすすめでです。
7つの大きいなテーマに分かれていて、どなたでも気軽に勉強をすることができる本だと思った。
とにかく自然エネルギーの基本的な知識や今後の可能性が解説されている。
日本国内だけではなく、海外での現状もわかる。
更に、今後、日本国内でどのような可能性があるのかを!
・エネルギーを巡る世界の旅へ
・いまこそ、エネルギーをシフトするとき
・自然エネルギーは、もう原発以上に働いています
・メリットがあるなら、世界で急増している
・賢い政策ができれば、もっと普及します
・日本の自然エネルギー、どうする?
・地域の人々とシェアするのが大切
・省エネ・創エネは新しいゆたかさの始まり -
絵本のように、自然エネルギーはいいですよ、自然エネルギーにシフトしていきましょうよと説いている。アピールしたい点はかなり大きい文字で書かれており、これは読みやすい。しかしながら、その詳細を綴った、いわば本文に該当する部分は、どうしたわけかかなり小さい文字なので、読みにくい。日本政府の対応の遅れをちくちく指摘しながら、わかりやすく現在の自然エネルギー事情とそのメリットをコンパクトにまとめている。
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東日本大震災の影響で福島原発が事故を起こしてから、原子力推進には逆風が吹いているので「自然エネルギー」の利用促進について議論されているようです。
最近になって海洋エネルギーを使う海流発電というものを知りましたが、この本では自然破壊をもたらすと言われているダムを造らない「中小水力発電」についても言及していました。
原子力を縮小していかざるを得ない状況で、私たちの子孫が安心して暮らせるようなエネルギーとは何かを考える良い機会になりました。
また、現時点で、57の町村で自然エネルギーで完全に需要を賄っている地域(p83)があり、企業が持っている自家発電(6000万キロワット)は、東京電力1社分と同じ(P106)という事実も驚きでした。
以下は気になったポイントです。
・自然エネルギーの御三家である「風力・太陽光・バイオマス」は世界において3.8億キロワットであり、原子力設備(3.7億)を超えた(p29)
・世界では2050年までに自然エネルギーの割合を100%にする(国際環境NGOグリーンピース等)シナリオもある、31%:風力、27:太陽光、12:地熱、10:バイオマス、9:水力、3:海洋エネルギー(p36)
・日本の土地の5%に太陽光発電を置くと全国の電力量を賄える、風力発電の潜在力を活かせば、100万キロワット原発の500基分の電力がある(p38)
・自然エネルギーの産業は小規模で分散型なので雇用が多くなる、化石燃料の2倍から8倍(p49)
・新しく送電会社をつくるとしたら、1)東西で一体運用できるもの、2)電力会社による送電線独占をやめる、ことを改善する必要がある(p61)
・スマートグリッドとは、供給側からの一方通行ではなく、電力の供給に関する情報をやりとりする(p63)
・日本のエネルギー政策は、電気事業法・ガス事業法・石油業法という三業法を束ねた「エネルギー事業者施策」で、エネルギー産業の供給側からの視点で各事業者を育成しようとするもの(p69)
・小水力発電は、出力1万キロワット以下の「流れ込み式」「水路式」によるもので、上下水やビル循環水、工業用水にも使えて、無駄にしてきた水資源を有効に利用できる(p79)
・日本における57の町村(永続地帯)では、自然エネルギーの供給割合が各地域の需要の100%以上、そのうち26の町村では、食料自給率でも100%(P83)
・日本の原子力発電の設備は5000万キロワットだが、企業が持っている自家発電は6000万キロワットで、東京電力1社分と同じ(P106)
2011年12月4日作成