おはなしして子ちゃん

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 594
感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062186308

感想・レビュー・書評

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  • 理科準備室のホルマリン漬けの猿におはなしする「おはなしして子ちゃん」
    身近なところに死人が出るトランジと友達になったピエタの「ピエタとトランジ」
    猿と鮭の死骸を繋ぎ合わせた人魚のミイラの「アイデンティティ」
    これだけ既読、micapon17の心霊写真を語る「今日の心霊」
    壊れた宇宙船が人類の胚盤胞に美しさを教育する「美人は気合い」
    一日に必ず嘘を一つだけ吐かねば死んでしまう「エイプリル・フール」
    通り魔と彼女の「逃げろ!」
    友だちとの青春の記憶にしがみつくあたしの「ホームパーティーはこれから」
    芸術制作も美術館での鑑賞もいつだって命がけ、「ハイパーリアリズム点描画家の挑戦」
    生きた本の世界の遅読症者の悲劇「ある遅読症患者の手記」
    …という10編の短編集。
    なんとなくホラーっぽいのかな、と思っていたけどぼんやりとホラーでぼんやりとコメディ、そしてSF。
    「ピエタとトランジ」が好き。「おはなしして子ちゃん」の主人公もなかなか新鮮だった。

  • 装丁がとても綺麗。見返しもとびらも凝ってる。
    不思議なお話ばかりだけど、どんどん読んでしまった。視点?がすごい!

  • 「おはなしして子ちゃん」★★★
    「ピエタとトランジ」★★★
    「アイデンティティ」★★★
    「今日の心霊」★★★
    「美人は気合い」★★★
    「エイプリル・フール」★★★
    「逃げろ!」★★★
    「ホームパーティーはこれから」★★★★
    「ハイパーリアリズム点描画派の挑戦」★★★
    「ある遅読症患者の手記」★★★

  • 藤野可織初読。ホラーチックだけどこの本は割りと好きかも。

  • 初めて読む作家。
    短編集で、読み進めていくうちにだんだん
    作者に対して親しみが湧いていった。
    どの話もまったく視点が違っているが
    どれもなんとなくの空しさを抱えているような…。読んでいて「わかるような気がする」感じは多分にあるが「楽しい」かというと、う〜ん。
    次にこの作者の本を読みたくなるのはどんな時だろう…。

  • この人の文章が好き。
    ただ、世界観にくせがあるので明るい話を求めているときには向かなかったな。『ピエタとトランジ』が一番好みだった。

  • 短編集、ピエタとトランジが良かった

  • このかわゆい表紙からの不条理ホラー。『アイデンティティ』が一番面白かった。

  • 「天空の家」「大いなる不満」と、2014年度ベスト、更にオールタイムベストに入る本に出会えた!と喜んでいたところに、更にもう一作、この短編集「おはなしして子ちゃん」も追加!
    何て当たり年、と思ったけれど、考えてみたら今年は例年にない量の本を読んでいるのだった。
    読書はいいね!
    宝くじと違って、読み続ければいつか必ずストライクの本に巡り会うから!
    裏切らない!

    想像力とはかくも自由なものかと感嘆したり、逆にその想像力に縛りを掛けて生まれるリアルさに心を殴られたり、もうとにかく読んでいる間中、楽しくて仕方がなかった。
    一番最初に持って来ている表題作はまだ、ああこれはひねっていて面白いな、というくらいだったのだけれど、二作目の「ピエタとトランジ」からはジェットコースターに乗っているようで一気に読み切った。
    どの作品も良かったけれど、特に「アイデンティティ」「エイプリル・フール」「逃げろ!」が私にはたまらなかった。
    「1日に1度、嘘をつかなければ死んでしまう女の子エイプリル・フールちゃん」なんて、設定から何から最高。
    「逃げろ!」はまるで私に言われているようで、涙が溢れた。
    暴力的な描写もあちこちにあるのだけれど、それが単に過激っぽく仕立てるためでないのも秀逸。
    恐怖さえも心地好い、見事な小説だった。

  • 怖い。
    小説の話の中に入っていけなかった。

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著者プロフィール

藤野可織(ふじの・かおり)
1980年京都府生まれ。2006年「いやしい鳥」で文學界新人賞を受賞しデビュー。2013年「爪と目」で芥川龍之介賞、2014年『おはなしして子ちゃん』でフラウ文芸大賞を受賞。著書に『ファイナルガール』『ドレス』『ピエタとトランジ』『私は幽霊を見ない』など。

「2022年 『青木きららのちょっとした冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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