- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062194594
感想・レビュー・書評
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出井、ストリンガー、平井の経営陣に対する批判が中心となった著書。出井や平井の著書と両面を読まないと誤解を招くリスクがあるが、現場の終わらないリストラの理不尽さを緻密な情報収集を元に述べた濃度は評価に値する。
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世界のソニー、日本の技術の素晴らしさを体現し、輝いたソニー。最近は、エンタメ事業で輝きを戻しつつあるソニー。そのソニー復活の裏で行われた凄まじい首切り。時の厳しい経済環境があるもトップが変わるとこうも変わるのかと驚くばかり。創業者の井吹氏や盛田氏の様な人物が居たらと思わずには、いられない。2020年、コロナで苦しみ、デジタル後進国に成り下がった日本、借金まみれの日本、そんな中でオリンピックを開催する日本。でもソニーで輝いたエンジニアの思いや開発力は、まだまだ続いていると思いたい。日本の復活を‼️
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ここ10年以上ずっと続いているリストラについて内面も含めてまとめた著書。
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ソニーリストラ全盛期にリストラを余儀なくされた者、またはリストラを志願した者の心情や状況を描いた一冊。
初代社長井深、二代目社長盛田がソニーを成長させてきたが、当時のソニーは自由闊達な雰囲気であった。
それは出る杭を活かす、面白いものを創るというエンジニアにとっては楽園のような環境であり、その環境の中でソニーは成長してきた。
しかし出井、ハワード・ストリンガーに代替わりしていき状況は一変した。
彼らは大規模なリストラを行う事によって利益を生み出そうとした。その結果今まで、技術的に優れていてもアウトプットが苦手な者・会社体制に反抗的な者等が処罰の対象となり、キャリアデザイン室と呼ばれるリストラ部屋に流されていった。さらに出井はリスクに対して慎重になり過ぎていたため、イノベーションが期待出来る製品を見送ってしまい国外企業を追いかける形となった。さらにストリンガーは役員を自分に賛同する者で固め、赤字経営の状態にも関わらず経費を無駄使いする程であった。
しかし最近ではソニーは平井に代わり、復活している様にも思えるが、ハワードの弟をソニーに迎える等、役員は未だハワードの影響下にあるように思える。
巨大な企業でもこの様な事態に陥る事は案外普通にあるんだなぁと。ではこの不安定な雇用の中でどう生きるかと言えば、組織の中で生存する事を目指すよりも、個人として生きてくためのポートフォリオを組む事が重要だと感じた。別の組織に移るにも、起業するにもその力の方が必要。 -
山一證券の最後の姿を描いた「しんがり」の著者の清武英利氏がSONYのリストラの実情を元社員へのインタビューや取材をもとに書いた一冊。
全編を通して思ったのが、井深大、盛田昭夫という2人が創業した当初のエンジニアが面白いものを作るという社風や魂というものがハワード氏がCEOになった時代からなくなったことや創業者時代からあったご意見番とでもいうべき顧問制度が廃止されたことなどがリストラを頻繁に繰り返す凋落に拍車をかけたのではないかと感じました。
報道だけでは知ることのできない内情を当事者たちの取材から赤裸々に書かれているので、リアリティーを感じるとともに衝撃の連続でした。また、リストラを受け入れた方達の覚悟やその後についても書かれており、紆余曲折はありますがSONYというブランドを捨ててもその魂は生き続けているのだと感じました。
高度経済成長期に躍進した企業の1つでもあるSONYのリストラからみる現状を本書で知ることで日本経済、社会のリアルなイマを確認できる一冊だと感じました。 -
よくできた本でした。
どのような会社でも、組織人が増えてくると創業時の志とは違う方向で運営されてしまうことがある、ということなのでしょうか。
払ってもいい金額:1500円 -
タイトルは非常に陰なテーマだけど、
読み進めるうちに不思議と発想を産み出させてくれる不思議な1冊。
もしかして、著者もsony大勢側の一員!?(笑 -
自分用キーワード
能力開発センター/キャリアデザイン推進部(事実上、窓際族の為の場所) 1969年次の求人広告「出る杭を求む!Sonyは人を生かす」 「誰だって将来どうなるか分からないよ。これから何をやるのか、焦る前にまずは決心しなよ。自分のなかに確たるものをもって無ければ、誰もお前を助けられないんだよ。逆にさ、自分のなかにそんなモノを固めれば周りは助けてくれるもんだ」 ブログ<早期退職を考える人達へ> -
読了。新聞報道等でソニーが厳しい状況であるのは知っていたが、あのソニーがこんなにも苛酷なリストラをしていたとは…昔、テレビ事業部が元気な頃に大崎TECに出入りしていたので衝撃的だった。また、人生や仕事についてあらためて考えさせられた。