トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062196079

作品紹介・あらすじ

創業家VS.左遷サラリーマン!
日本の救世主は、ハズレ社員だった。気鋭の経済記者が覆面作家となって挑む日本最大のタブー「27兆円企業」に迫る!
「失われた20年を、高度成長期並みに駆け、世界一となったあのトヨトミ自動車が潰れるときは、日本が終わるとき。日本経済最後の砦・巨大自動車企業の真実を伝えたいから、私は、ノンフィクションではなく、小説を書きました」(梶山三郎)

感想・レビュー・書評

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  • 1.著者;正体不明の覆面作家。本書「トヨトミの野望」でデビュー。新聞社のフリージャーナリストが書いたと言われているが、実際は複数の現役記者が情報提供し、某作家に書かせたらしいという噂もあり謎。梶山三郎というペンネームは、梶山季之(週刊誌記者出身で出世作は「黒の試走車」)と城山三郎(自動車関係の書籍は「勇者は語らず」)に肖ったと思わらる。
    2.本書;企業小説。著者曰く「失われた20年を、高度成長期の様に駆け抜けた巨大自動車企業は日本経済最後の砦だ。私は、その真実を伝える為に、ノンフィクションでなく、小説を書いた」。この企業はトヨタ自動車と思われ、創業家と左遷サラリーマン社長の対立が書かれている。エピソードが所々に書かれ、興味が尽きません。実話だと言う人、どこまで真実かと言う人、両方がいます。真実は闇の中。先ずはフィクションとして楽しむ本でしょう。十四章構成(第一章;ふたりの使用人~)。
    3.私の個別感想(心に残った文章を3点に絞り込み、私見を合わせて記述);
    (1)第二章【社内事情】より、(武田社長)「豊臣家は創業家だから尊重するが、人事は公平。このグローバルの時代、血縁に頼っていては衰退するばかり。実力ある者を正しく評価し、しかるべき地位に登用」「私が社長に就任する以上、お公家集団のぬるま湯は許しません。社員諸君は何も変えない事が最も悪いと気付いてほしい。現状維持はイコール堕落です」
    ●感想⇒①「血縁に頼っていては衰退するばかり」について。日本の企業は約256万社。同族経営は、その内約96%。大企業では、トヨタの他にもパナソニック・サントリー等、名だたる会社が同族経営です。同族経営にも、メリット(意思決定の速さ等)とデメリット(私物化の懸念等)があります。一方で、本田宗一郎氏は会社に親族を入れる事を頑なに拒んだそうです。要は創業者の考えで、会社の命運が決まるという事でしょうか。本書のトヨトミは、デメリットが際立ったと思いますが、経営の評価は同族だけでなく広い観点で判断すべきと考えます。②「社員諸君は何も変えない事が最も悪い」について。これは私もよく言われました。企業を取り巻く環境は、グローバル化によって、目まぐるしく変化しています。仕事をマニュアルに沿った作業ではなく、常に創意工夫するのです。個人の仕事のやりがいと成長の為にも知恵を絞り、考え続け事が重要ですね。
    (2)第六章【ハイブリッド】より、(山崎;衆議院議員)『「会社には朝一番に行って掃除をしろ」「電話は真っ先に取れ」「お客様の荷物を持ってタクシーに乗せ、見えなくなるまでしっかり見送れ」いたずらにアメリカナイズされる事無く、日本人らしく謙虚に誠実に振舞え、という事だ』
    ●感想⇒会社に入った頃、「お客様が見えなくなるまで見送れ・・・」を始め、研修で教えて貰ったというよりも、先輩がそれらを自然体で実行しており、私も見様見真似で覚えました。企業の強みは、テキスト等で書いたものを覚えるという事ではなく、先輩が後輩にビジネスマンとしての礼節をやって見せ、後輩は自分の後輩にそれを教えるというサイクルが上手く回っている文化だと思います。上司からも言われました。『部下には差がある。例えば、出張で新幹線の切符を頼んだ時に、並のスタッフは「満席で切符が取れませんでした」。気の利くスタッフは「満席だったので他の時間と他の交通手段を調べておきました」と。こういう所で企業力の差が出るんだ』と。現在は仕事改革で労働時間の効率化が叫ばれています。気配り時間まで効率化して、仕事の質を落としてははいけないと思います。
    (3)第八章【萌芽】より、(武田社長)「経営者の堕落が酷い。会社の利益と自分の名声しか考えず、従業員の幸せや企業の社会的責任に無関心な輩が多すぎます。国民と国全体の利益を考えないトップは経営者と呼ぶに値しません。単なる経営屋です。恥知らずの経営屋がバブル経済の膨張と崩壊を招き、日本をこんな惨めな国家にしてしまった」
    ●感想⇒マスコミで話題のB社経営者の発言を聞いて、今時こんなにレベルの経営者がいるんだと呆れました。破綻した山一證券の社長の言葉を思い出しました。「これだけは言いたいのは…私ら(経営陣)が悪いんであって、社員は悪くありませんから! どうか社員のみなさんに応援をしてやってください、お願いします!」。B社のトップは、社員のやった不祥事を「信じられない」とか「訴える」とか当事者意識は皆無です。B社にも心ある善良な社員が大勢いると思います。社員の働き甲斐を醸成し、ユーザーを大切にする企業(社会的責任)に再生して欲しいものです。
    4.まとめ;左遷サラリーマンだった武田社長は、トヨトミを売上高27兆円という世界企業にした立役者。しかし、持ち株会社構想などにより、創業家に疎まれ、社長の座を失います。その社長に忠誠を尽くした人間はことごとく追放され、粛清人事となります。ブチ切れた創業家出身社長の容赦ないお手打ち人事は衝撃的とあります。トヨトミを世界企業に押し上げた功労者の社長ばかりか、取巻き連中まで粛清するとは、凡人には理解出来ません。人としての心(感謝)はあるのかと。経営の厳しさを痛感します。雑談です。日本の企業が世界一になる事は本当に良い事でしょうか。某経済学者が書いていました。「相手が倒れると、相手からの需要も止まり、新たに食い潰す相手を見つけない限り、自分自身、存続する事が不可能になる」と。一人勝ちの行く末は世界から孤立に繋がります。羨望の的ではなく、共存共栄の道を進むべきでしょう。本書の大企業の人間構造に踏み込んだ記述には興味津々ですが、著者の考えが見えないのが残念です。(以上)

  • ページを巡ると、目次の次におもな登場人物の紹介。人数が多い・・・ 話についていけるかちょっと不安になったが、杞憂だった。読みやすい文章で、人物の多さも全く気にならなかった。

    少し前に『未明の砦』を読んだ影響で、自動車メーカーの話を別の視点で見たいと思ったのがこの本を選んだきっかけ。読んでよかったと思う。
    ビジネスって戦争なんだなぁ。

    折しも、ニュースでトヨタグループが話題になっていた。いつもよりも興味が持てた。

  • 前から気になっていた小説。
    文庫も出ていますが、買う前に、図書館で借りてきました。

    誰がどう読んでもトヨタ自動車をモデルにした小説なんですが、
    トヨタの歴史などをネットで調べながら読むと、
    そのリアリティ度合いが半端ないことに驚かされます。
    ここまでトヨタのことを知り尽くしている著者って誰なの?と気になりますが、
    梶山三郎というのはペンネームで実際には記者の方のようです。
    本名が言えないくらい、トヨタの広告に対する影響力というのは絶大なのでしょう。。

    私はトヨタ内部のことはほとんど知りませんが、
    小説内はフィクションとノンフィクションが交じり合っているようで、
    小説内の話がすべて事実という訳ではなさそうです。
    さらに、小説内の武田社長(奥田社長がモデル)寄りのストリー展開で、
    ジュニア(章夫現社長)や豊田家に対しては、
    若干否定的な見方をしているようです。

    昔の章夫現社長がどんな人だったのかは良く知りませんが、
    昔はイマイチだったんですかね。
    今は立派な社長になっていらっしゃるようにも見えますが。

    これは続編(トヨトミの逆襲)も読むしかないです。

    ※トヨトミの逆襲
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4093865612#comment

    ちょっとネットを調べれば、
    登場人物の誰がどのモデルかが分かります。
    (合成モデルと言われている登場人物もいます。)

    武田剛平→奥田碩氏
    御子柴宏→張富士夫氏 
    豊臣統一→豊田章男氏
    豊臣新太郎→豊田章一郎氏
    豊臣芳夫→豊田達郎氏
    豊臣勝一郎→豊田喜一郎氏
    豊臣史郎→豊田英二氏
    豊臣太助→豊田佐吉氏
    九鬼辰三→古川晶章氏?
    九鬼辰彦→西川幸男氏?
    吉田拓也→齋藤明彦氏と内山田竹志の合成人物?
    斎藤貢→野口紘一郎氏宮原彰氏の合成人物?
    ドーン・シモンズ→ブーン・ピケンズ氏
    八田高雄→服部悦雄氏
    ホセ・エミリオ→リカルド・C・シルベリオ氏
    フェルナンド・マルノス→フィリピンのマルコス元大統領
    エメラルダ・マルノス→マルコス元大統領の夫人、イメルダ
    岡村泰弘→不明
    速水徹→成瀬弘氏
    山崎幸二→山本幸三氏
    メアリー・ブランド・フレッチャー→鉄の女、英国元首相のサッチャー氏
    トニー・ブレッド→トニー・ブレア元英国首相
    堤雅也→大高英昭氏と岩月伸郎氏の合成人物?
    中西徳蔵→浦西徳一氏
    ジョージ・ボッシュ→ブッシュ元米大統領
    佐橋龍之介→小泉純一郎元首相。
    タカコ・レイモンド→小林明香氏
    丹波進→渡辺捷昭氏
    明智隆二→木下光男氏

    参考
    https://biz-journal.jp/2016/11/post_17311.html

  • 「小説の形を借りたノンフィクション」と呼ばれ、現実のトヨタ自動車への圧倒的な取材力がこの小説にリアリティを生み出しており、その面白さの原動力となっているのは間違いない。
    そのことを踏まえた上で、敢えてただのフィクションの小説として判断してみたいと思う。そうしてみてもやはり文句なしに面白い。
    企業小説としてサラリーマンの悲哀や苦悩、トップのマネジメント論、権謀術数、社内政治などなど(この辺りは島耕作シリーズに通ずるものがある)盛り沢山。その上で描かれる2人の主人公=創業家以外からの初のサラリーマン社長武田剛三と創業家のプリンス豊臣統一の重厚な人間ドラマ。これらが小説として面白すぎるので、こんなことが本当に、現実にあったの⁇と半信半疑になってしまう。
    だとしたら裏事情が面白すぎる。特にアメリカでのロビィ活動の下りは特に著者の力の入れようがすごく感じられて面白かった。あの国との間でこんな駆け引きがあったのか…。
    安本記者と田野木記者のモデルは著者本人かな。

    自分は誰タイプだろう?と考えながら読むのも面白いかも。自分は御子柴タイプだと思った。大きなことをやるリーダーの器ではないけど、既に敷かれた路線はつつがなく進む。親近感が湧いて最後まで嫌いになれなかった。

  • <面>
     これぞエンターテインメント小説!
    皮きりの本書以降シリーズ化されていてしまい つい最近その第三作が出版された様子。
    僕は違ったルートからこの本が面白いぞ,と云う情報を得て,なんだなんだと少し探って みた。すると 最近のトヨタ自動車の事情を某新聞社の経済産業担当記者の立場から 面白おかしく,多大なる思い込み と 思い入れ と 嘘八百のフィクションを加えて書いたものらしかった。で,そこまで書くと何かと怖いので 身バレ防止の為に作者は覆面作家としたものらしい。なんとも意気地がねえこった。笑う。

     で,いやはやこりゃ面白い小説だね。この第一作が描かれたのが2016年なのだが描かれている時代はもっと前の年代から始まっている。もちろんモデルになっている自動車会社はトヨタ。愛知県「尾張地方」に本社がある『トヨトミ(豊臣)自動車』という設定なのだ。もちろん実際のトヨタ自動車は「三河」が事業基盤なのだが,それを同じ愛知県の尾張として豊臣としているのだ。あちこちに「尾張の田舎の」などという表現が出て来て,同尾張地方に住んでいる僕には そこもかなり面白い。笑う。

      普通の小説と少し変わった体を感じる所がある。例えば本文147ページに「肝胆相照らす(カンタンアイテラス)」という格言が振り仮名付き使われている。でも実はもっと前に振り仮名無しでいきなり出て来ている所がある。これらの読みづらい言葉はその小説の初出の場面で必ずフリガナを打ち 二回目登場以降は「もう最初教えたでしょ」と云わんばかりにフリガナは打たれない。まあ本作の場合は出版社サイドの推敲/校正がガザツなだけだろう と僕は思う。面白い小説なのに天下の講談社は軽く扱っているのが見て取れる。笑。

  • 最高の経済小説だ。架空の大企業の内部、暗闘をまるでドキュメンタリーのように抉り出している。

    一般人では伺い知ることの出来ない、大企業の裏側。広告の引き上げというブラフで都合の悪い報道は潰してしまうため、大企業に批判的な報道はなかなかお目にかかれない。

    そこを逆手に取り、覆面作家の経済小説として出したところに妙味がある。最高の経済小説だ。トヨタ自動車のWikipediaを見ながら、読み進めると面白さが倍増する。

  • 面白かった。虚偽も真実もないまぜてのストーリーの様子で、トヨ○のあのO社長、並び周りの人物の立ち位置も興味深く読めた。エピソードも、あーそんなことあったなーみたいにリアルでした。本当に小説⁈

  • 正直、筆力はチープだなと思う。特に女性の描写が安っぽくてリアリティが薄いし、激しめの語調を「ですっ」と小さい「つ」でまとめて表現するところ、また武田氏の肩を持ち過ぎているところ等々、少々浅い感じがあり、噂話をもとにある程度は想像でキャラ作りしたことが見え隠れする、筆力としてはなんだかなーって思う部分は多い。
    小説としては微妙かもしれないが、この本を書こうとした人たちの気概は素晴らしく、またクルマ産業に疎いいち社会人としては大変勉強になる内容であった。
    小説というかマンガみたいな感じですね。「4時間で分かるトヨタ」みたいな。
    勇気をもってこの本を世に出してくれた人たちに感謝です。

  • 豪快でいて、緻密な戦略家でもある武田社長のキャラクターに惹かれる。単純に小説として面白かった。小説としてストーリー展開や各キャラクターの設定が本当かも、と思えて、そこまで現実離れしていないのがよかった。会社員であれば、組織の中の立ち振舞いとして、共感できる部分も多いと思う。この男臭いストーリーを女性ならどう感じるか気になった。よくも悪くも、現実の大企業における女性社員の立ち位置もよく表しているのだろうと思う。会社の同僚に進めたくなる一冊。

  • 勧められてこちらを。
    実際に誰が誰に該当するのかというメモももらって読む。
    読み進めるうちにトヨトミの事が嫌いになりそうで…
    武田社長がやり手で凄くかっこよかった!

  • トヨトミ自動車の創業家ではない武田剛平がトヨトミ自動車を世界レベルの大企業に押し上げるも、株式上場を豊臣家との対立により、社長交代。武田剛平がいなければトヨトミ自動車は世界一の生産台数を誇る自動車会社になっていなかっただろうと思うほど発展に寄与しましたが、豊臣家の武田剛平の功績を評価しない姿勢には嫌悪感を抱きました。
    豊臣統一も最初は社長の器ではなかったですが、役職が人を育てるのでしょうか。
    豊臣統一の成長に見る環境に飛び込むのは大事だと思う気持ちや、武田剛平の出る杭は打たれる日本的な結末に見る、虚しい気持ちなど、魅力的な人物描写により、さまざまな感情が湧きました。
    続編はまだ読んでいませんが、楽しみです。

  •  ほぼノンフィクション。トヨタの役員や社長をこき下ろす批判が山ほど出てきて刺激的

    ★本の感想
     小説だけれど、リアルノンフィクションっぽい。トヨタ自動車社長に奥田碩氏が就任してから、今の豊田章男氏が社長に就任して水素カー転換を発表するまでをドラマチックに語る。筆者のトヨタへの書きっぷりが辛辣で面白い。仮にもトヨタの社長や役員をけちょんけちょんにけなす描写が何度もある。トヨタは一種の宗教で、それを訝しく思う人々もたくさん登場する。実際のトヨタの事実を伝えるだけではなく、「つまりどういうことか」を言葉にしてくれるので、よく伝わる。たしかに、これは「小説」という形をとったから、ここまで書けるのだろうと思う。トヨタ自動車の負の側面を描いたケース・スタディとしても読める。

  • ▪武田剛平→奥田碩氏(現トヨタ相談役、元経団連会長)
    ▪御子柴宏→張富士夫氏(現トヨタ名誉会長) 
    ▪豊臣統一→豊田章男氏(現トヨタ社長)
    ▪豊臣新太郎→豊田章一郎氏(現トヨタ名誉会長、元経団連会長)
    ▪豊臣芳夫→豊田達郎氏(現トヨタ相談役)。章一郎氏の弟。
    ▪豊臣勝一郎→豊田喜一郎氏。章一郎氏の父、章男氏の祖父。
    ▪豊臣史郎→豊田英二氏(元トヨタ最高顧問)
    ▪豊臣太助→豊田佐吉氏 章一郎氏の祖父、章男氏の曾祖父
    ▪九鬼辰三→古川晶章氏(元豊田通商会長)?
    ▪九鬼辰彦→西川幸男氏(元トヨタ常務役員、現トヨタ部品愛知共販社長、実父が元豊田通商副社長)?
    ▪吉田拓也→元トヨタ副社長・元デンソー会長の齋藤明彦氏と、現トヨタ会長の内山田竹志の合成人物?
    ▪斎藤貢→元トヨタ専務の野口紘一郎氏と元トヨタ常務の宮原彰氏の合成人物?
    ▪ドーン・シモンズ→「グリーンメーラー」と呼ばれたブーン・ピケンズ氏(かつてトヨタを抜いて小糸製作所の筆頭株主になる。系列取引など日本の商慣行を批判しながらトヨタに高値で株を引き取らせようとするが失敗)
    ▪八田高雄→服部悦雄氏(元トヨタ自動車中国総代表)
    ▪ホセ・エミリオ→マルコス政権時代の政商、デルタモーター社長のリカルド・C・シルベリオ氏(奥田氏のフィリピン勤務時代のミッションのひとつは、このシルベリオからの債権取り立てにあった)
    ▪フェルナンド・マルノス→フィリピンのマルコス元大統領
    ▪エメラルダ・マルノス→マルコス元大統領の夫人、イメルダ。
    ▪岡村泰弘→不明
    ▪速水徹→元トヨタのテストドライバーの成瀬弘氏。章男氏が弟子入り。
    ▪山崎幸二→自民党の山本幸三氏。現地方創生担当大臣。
    ▪メアリー・ブランド・フレッチャー→鉄の女、英国元首相のサッチャー氏
    ▪トニー・ブレッド→トニー・ブレア元英国首相
    ▪堤雅也→ 元北米トヨタ社長の大高英昭氏と元トヨタ取締役の岩月伸郎氏の合成人物?
    ▪中西徳蔵→トヨタ元副社長の浦西徳一氏。
    ▪ジョージ・ボッシュ→ブッシュ元米大統領
    ▪佐橋龍之介→小泉純一郎元首相。
    ▪タカコ・レイモンド→小林明香氏。北米トヨタ社長だった大高氏の秘書。
    ▪丹波進→トヨタ元社長の渡辺捷昭氏(現相談役)
    ▪明智隆二→トヨタ元副社長の木下光男氏

  • 今月から一緒に働く事になった人と、データセンターに行く途中本好きの話で盛り上がり貸してもらった本。

    トヨタ自動車の三代目「奥田 碩」氏の話をフィクションとして出した様だ。話が進につれのめり込み一気に読んだ面白い。少し駆け足気味なところは物足りないが、4代目、5代目と社長が変わり行く様のドラマは興味深い。
    ビジネスマンとして見ても、優秀な社員がやはり多く集まるんだろうねと思う反面、一気に大きくなった会社の苦労も垣間見え。学校でもトヨタの歴史や見学を教えたり、愛知はトヨタの城下町という感じも理解できた。とても興味深く読んだ。

    同僚から天狼院書店の事も教えてもらい、書評も読んだ。なかなか、面白いことをやっている本屋のようだ。

  • 「クルマは麻薬だ」
    「一度、手にしたら手放せなくなる。悪魔のような利便性にどっぷり浸かり、抜け出せなくなる。みんな、古くなったら買い換える。新しいものが欲しくなる。クルマは麻薬と同じだ。」(94ページ)

  • "トヨトミ自動車"という一応仮名だが明らかにトヨタ自動車の内幕を再現した小説。著者も"梶山三郎"というペンネームで、企業小説というジャンルを作り上げた城山三郎のパクリ、、いい茶目っ気じゃないか。

    読んで見ると、なるほど奥田碩社長の登場とそれ以降の歴代社長とが織り成す"自動車メーカー世界一"に向けた群像劇ではあるが、奥田さんの名誉回復意図が強いように思う。このあたりも、なぜこの小説が生まれたのか、普通の小説よりも遥かに生臭く、ミステリアスで興味深い。

    小説の内容は、よほどトヨタとか自動車産業とかに興味を持ってウオッチし続けていない限り連続して理解できていないであろうトヨタ自動車の実像を浮かび上がらせてくれている点において何と言うか実用的と言える内容である。日本一の自動車メーカーが生産(販売)台数世界一になるには、卓抜したリーダーシップと現場の血のにじむような努力と人間同士の相克、そして世界的、社会的な数々の出来事との連動や摩擦があってのことで、それが日本の基幹産業である自動車産業のスケール感をもって描かれており、それがほぼほぼ事実ベースなだけに読むものは引き込まれる。そして、最後は美談。ここは小説だからこそできる結末だったと思うので、うまく小説の体を活用したと思えてならない。

    今年は創業オーナーないしオーナー家と現経営陣との確執や対立がなにかと話題になったが、その類似ケースが十数年前と数年前に豊田家とトヨタ自動車を巡っておきていたとは、ここまで克明に描いてもらってはじめてそのヤバさというか、事実の面白さを理解できるんだなと実感した。同じように十数年後、今日のSBやセブンアンドアイのほぼ事実ベースの架空小説ができることを楽しみにしています。

  • フィクションとは思えないリアル感がある

  • 自動車業界に関わる自分にとってとても面白かった。
    リアル感が堪らない。果敢に挑戦し、社会に貢献するという姿勢や気概が自ずと人を惹きつけるのだと感じさせてくれた。

  • 面白い。
    著者が明らかに奥田派かつアンチジュニアで、この本を書いた意図を考えてしまう。

  • 武田さんと堤さん凄いなー。やり手です。いろいろな人生だな。これからの会社の未来が楽しみ!

  • フィクション小説の名を借りたトヨタの裏社史

  • 武田さんについてどういう感情で読んでいいのか、、自分の中で現実と虚構が入り混じってしまった。
    統一については、とんとん拍子?に社長になった感じがする。事実を元に書いたからかな?なんか、最後は事柄だけが描かれている感じがした。
    面白いのは面白かった。

  • 企業の内部抗争、大企業サラリーマン社長の大立ち回りなど、めちゃ面白かった。
    トヨタの歴史をフィクションとノンフィクションをおりまぜて書いている。
    しかし、描写が上手くて、本当にリアルに感じられる。
    特に武田剛平が魅力的。
    登場人物が多いのだが、読んでいるとスッと入って来る。
    サラリーマン金太郎や半沢直樹とか、企業モノが好きな人は特に気に入ると思う。

  • 面白すぎて一気に読みました!!
    公聴会のシーンは泣けました。

  • 面白かった。
    相当脚色してるにせよ、大筋は実在の人物を書いてるはず。
    作者すら覆面で、フィクションなのか、ファクトなのか⁈

  • トヨタの歴史を小説に仕立てただけの本。つまらない。読むだけ無駄。

  • この本のモデルになっている会社の製品は、正直面白みがないと昔は思っていながら、一方でここ20年ぐらいは『なんか変わってきている?』との思いがあったりしたが、なるほど、この本を読むとその変化の理由がなんとなくわかった気がした。
    それにしても、モデル企業にしてみれば結構衝撃的な内容だと思ったけど、どうなんだろう?

  • 着色はあるにせよ、今のトヨタがこのように成り上がってきたのかと、ネットで登場人物を該当させながらストーリーに引き込まれました。
    小説らしく、わかりやすく歴史の一部を学べる良い本でした。
    武田さん最後までカッケェっす。

  • トヨタ自動車をモチーフにしたフィクション(小説)。
    フィクションですが、細部が描かれていて、「現実のトヨタ自動車も、もしかしたらこんな感じなのかも」と想像させる内容です。

  • 生々しすぎて笑えるw
    リアルなところで、実態はこんなもんではない。

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著者プロフィール

経済記者、覆面作家

「2016年 『トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梶山三郎の作品

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