- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062197854
作品紹介・あらすじ
出たいよ、出して。
お願いだからここから出して。
どこにでもいる、ごく普通の人妻たち。共通しているのは、禁忌を犯していること。
罪悪感がまったくないのは、母の愛が欲しかった私の、必然だから。
恋愛小説の妙手、宮木あや子が描く六つの愛欲小説。
二十歳で八十歳の巌夫と打算ずくの結婚をした麻貴は、巌夫の息子、さらに孫とも不倫をしている。ある日、ふらりと赴いた旅先で出会った女学生に抱いた気持ちは、未だかつて経験のないものだった。(「金色」)
感想・レビュー・書評
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愛情という名の監房。
その檻の監守は誰で
囚われてるのは誰か。
監守は母でその娘が
囚われてるケースが
真っ先に浮かびます。
母に支配され自分の
人生を生きられない
娘。
ところが、表面的に
そう見えて実は真逆
だったりして・・・
娘に執着することで
母もまた自分の人生
を生きられてないと
したら、
真の監守は娘の方で
その手の内に檻の鍵
が握られてるのかも
しれません。
ヒグチユウコさんの
挿絵が狂気を帯びた
世界を彩ります。 -
ヒグチユウコさんの表紙絵があまりにも美しくて装丁買い。本から外すと横に長い一枚の絵になっている。オフェーリアかな。これだけ額に入れて飾っておきたいくらいきれい。
中身のほうは短編集だけれど、どれも不倫だの虐待だの痛々しい恋愛ものばかりで正直読み終えて良い気分になるものではない。なかでも「泥梨の天使」の気持ち悪さときたら。いわゆる毒母ものなのだけど、娘に依存するあまり過干渉な母親の行動に吐き気がしそうになった。ただ宮木あや子は基本的に上手いので、どの話も「つまらない」のとは違う。共感できないな、したくないなと思うだけ。
いちばんマシだったのは「天国の鬼」虐待の連鎖自体に救いはないけれど、回想の中で、虐待されている自覚さえなかったヒロインを連れて逃げてくれた男の子の存在に少しだけ救われる。「喉の奥なら傷ついてもばれない」というタイトルの作品は収録されていないけれど、このセリフを言う人物が、少女ではなく少年のほうだった意外性は良かった。
※収録作品
天国の鬼/肌蕾/金色/指と首、隠れたところ/ろくでなし/泥梨の天使 -
「校閲~」からの連続で宮木さん。
同一人物の書いた作品とは思えない。
驚いた。
どちらかというと病んでる人たちのお話。
振り幅が大きいなぁ。題材は女。
屈折していて、ねとねとしていて、
凶暴で狂喜に満ちた心を持つ。
女以外にこんな生き物はいない。
本のタイトルの付け方が
秀逸。
作品の一文をタイトルに持ってくるなんて
しかも、この一文はとても心に残る。 -
まずタイトルがいいよねぇ…。
飴玉みたいに、何度も口に中で転がして味わいたい。
泥沼の恋愛が主と見せかけて、ほとんど母娘が主軸になる短編集。
母親から与えられる愛情から呪縛を切り離すことは難しい。
プロローグとエピローグに当たる部分の言葉がとても上手くて、ぞくっとした。 -
愛に囚われ欲望の渦に呑み込まれもがき続ける女の物語
人は皆どこか欠落している、それを埋めようと必死になっている。
心なんて簡単に壊れてしまうのに
それでもあなたはまだ檻の中にいるの?
ー愛情という檻に繋がれている人へー -
おそろしい本
深夜にベッドの中で読み進めたい
じっとりした内容だけど不思議と重い気分にはならない -
アナーキーな女性たちの短編集。程よく毒素があり、楽しく読めました。
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こういうドロドロしたやつ苦手だけど、この本はとても好き
読み進める事に面白くなる
個人的にはヤクザと駆け落ちするお話が好きでした -
女性が主人公の短編集。女性たちにびっくり。
私の生活じゃ絶対あり得ないような女性たちの行動や立場にドキドキ。不倫とかヤクザとの恋とか、次の展開が気になってどんどん読めた。ほっこりとは真逆のおもしろさ。でもちょっと刺激的過ぎたかなぁ(笑)。
表紙はヒグチユウコさんの、たしかオフィーリアという作品。オフィーリアは恋人ハムレットと結ばれることなく川で溺れ死ぬ役。短編集の中にもオフィーリアと重なる境遇の主人公がいて、そのときは、おぉ!と思った。オフィーリアが主人公なのもありだなぁ。 -
狂ってるなーという世界観。
嫌いじゃないし、本の中だけの世界で起きてることで、彼女たちは突き進んで行っちゃったな〜と野次馬のように見てる感覚。
この表紙、ヒグチユウコさんなのですねぇ(^^♪
スゴイいい雰囲気!!
ストーリーもちょっと怪しげな感じで...
この表紙、ヒグチユウコさんなのですねぇ(^^♪
スゴイいい雰囲気!!
ストーリーもちょっと怪しげな感じで
宮木あや子さんの作品はまだ読んだことないけれど
いつか手にしてみたいです。