- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062203371
作品紹介・あらすじ
ある冬、N県K町が観測史上初の99センチという豪雪に見舞われる。町民をはじめ観光客、仕事のため車でK町に訪れた人々は、駅や車中など長時間足止めを余儀なくされた。町、県、国レベルの除雪作業も追いつかず、町の深刻な状況から災害救助法が適用され、自衛隊の派遣も要請される。そんな非日常のさなか、紡がれる6つのストーリー。、避難所を設ける花屋、車に閉じ込められた人たちの救済支援にあたる自衛隊員、独居老人を救った青年の過去など「冷たいからこそ、人はより一層心を温かくさせる」
感想・レビュー・書評
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6話から成るオムバニス形式の物語で、記録的な大雪で陸の孤島となる町を舞台に、非常事態の中偶然起こった出会いによるそれぞれのドラマが、興味深くて面白かった。
非常事態の中の偶然は、平時のものより数倍面白く感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まるで空が破けてしまったかのように
降り続く雪に、
あっという間に覆い隠されてしまう日常生活。
交通も遮断され、除雪も追いつかないほどの
雪に閉ざされた世界は、
きっといつもとは違う異次元の世界に
少しだけ入り込んでいるに違いない。
思いもかけない出会いがあったり、ずっと会えずにいた人が訪ねてきたり
心が揺れたり、願いが叶ったり。。。
それは雪のない世界では決して起こらなかったであろう物語たち。
雪が降ると誰もが感じる、あの
いつもより少しだけロマンチックになる気分を
たっぷりと堪能できた一冊でした♪ -
暑い夏には情景が浮かんで涼む気がする。短編。葬儀屋とピアニストの話がよかったな。
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今年は大雪だったので、読んでみた。
イニシャルで表記されてはいるけれど、何度も足を運んだことがある、軽井沢てある事はすぐに分かるし、モチーフになった場所は大体察しが付いたから、読みながら頭の中に映像が流れてきてあっと言う間に読み終えた。
全てのエピソードが面白かったが、特に6話が良かった。 -
既視感のあるエピソードばかり。好きな作家さんだったから、ちょっと残念。おもしろかったけど。
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H31/4/12
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吉川英治文学賞受賞作
藤田氏が暮らす『K町』といえば、もちろん軽井沢ですよね(^^)
奥様の小池真理子さんと飼い猫ちゃん達と 閉じ込められて酷い目にあったのかな?
そんな想像が膨らんでしまいました。
全体的に淡々としつつも暖かさを感じさせる内容です。第二話「墓掘り」が特に印象的だった。 -
2017年 第51回 吉川英治文学賞受賞
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さすがの藤田さん。
安心できる。
そして、なんとタイムリーなお話。
今年の雪はかなり深くて酷い。
K町(藤田さんがお住まいの軽井沢なのが見え見え(笑))ほどではないけど、数年ぶりの大雪です。
大雪の休日は、外出なんかしないで、食事もありもので済ませて、家に籠るのが一番。
そのときに、読んだ本がこれで、まさしく、上質な雪の一日となりました。