さよならの力 大人の流儀7

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 332
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062205382

作品紹介・あらすじ

私は二十歳代と三十歳代に別離を経験した。
一人は弟であり、もう一人は前妻であった。
なぜ彼、彼女がこんな目にと思った。
その動揺は、なぜ自分だけが? という感情になった。
ところがそういうものと向き合っていると、
やがて別離を経験した人にしか見えないものが見えて来る。
それは彼等が生きていた時間へのいつくしみであり、
生き抜くしかないという自分への叱咤かもしれない。(まえがきより)

週刊現代誌上の連載『それがどうした』掲載のエッセイに加え、本書のために、4編の書き下ろしを収録。

感想・レビュー・書評

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  • 2017年初版。最近、馴染みのある有名人の方々・先輩・同級生・後輩を見送りました。「さよなら」と言う言葉の重みを感じるこの頃です。生きていくことが大事な人を見送ることだと理屈ではわかっているつもりですが、こればかりは心の準備が難しいことだと実感しています。弟との別れ・前妻との別れ。青年期や中年で、そのことに折り合いをつけることは辛い経験だったろうなあと思います。ただ、悲しむばかりではなく亡くした方の輝かしい時や美しい時を思うことが、心を癒すことなのかなあと思いました。

  • 愛犬ノボとアイス、そして「家人」と書く奥様。伊集院家の温かさをあらためて確認しました。

    「さよならに力があるとすれば、誰かへのいつくしみがあるからではないか。」

    「人生は、その人だけのものに見えて、実はその人だけのものではない。
    どんな結果であったかより、どう生きたかが人生の肝心であり、人生そのものと私は考えている。」

  • 新成人の流儀の章がお気に入りです!

    「先駆者になる」…この言葉の意味をしっかりと心にしまい生きて仕事しないとね!

    ぜひ〜

  • 新成人、新社会人に贈る言葉が刺さりますね。

  • その動揺は、なぜ自分だけが? という感情になった。 ところがそういうものと向き合っていると、 やがて別離を経験した人にしか見えないものが見えて来る。 それは彼等が生きていた時間へのいつくしみであり、 生き抜くしかない!という自分への叱咤かもしれない。(まえがきより) 週刊現代誌上の連載『それがどうした』掲載のエッセイに加え、本書のために、4編の書き下ろしを収録
    内容)去りゆくものに微笑みを。切ない思いも悲しみも、やがては消える。季節は移ろい、そして新しい人とまた出逢う⁉️

  • 単に歳を重ねるだけでは、こうは書けないなぁ。これが作家の力か。ただ、どんな人でもそんな悲しいさよならを繰り返していまをなんとか生きている。そんな大事なことに伊集院節で気づかせてくれる。

  • 毎度の事ながら、ノボの話は笑えるし、じいんと来る。お母様の話にはしんみりとなる。毎度のパターンだけど、これが良い。

  • 酸いも甘いも経験した伊集院静さんならではの淡々としながら哀しみの感じられる良い本でした

  • 「大人の流儀」シリーズの最新刊。
    今回は別れ、離別・死別などの話題が多い。
    大切な人との別れば突然でもわかっていても辛いもの。
    残された者は、そこからまだ人生が続くので、何を考え、思い
    その後の人生を過ごすかは人それぞれ考えないといけない

  • 図書館より。

    さらりと、読了。
    伊集院静先生のエッセイは読みやすく、美の旅人とか好きで読んでいたので。今回読むのに珍しくWikipediaで検索していて知ったことがエッセイにちらほら出ていて、結果として調べて良かったな、と。知らなかったら???だったと思う。
    私的に特別収録がずしんとくる。
    自分が二十歳のとき、知っていれば良かったんだが。

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著者プロフィール

1950年山口県生まれ。’81年短編小説「皐月」でデビュー。’91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、’92年『受け月』で直木賞、’94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英治文学賞、’14年『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞する。’16年紫綬褒章を受章。著書に『三年坂』『白秋』『海峡』『春雷』『岬へ』『駅までの道をおしえて』『ぼくのボールが君に届けば』『いねむり先生』、『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』『いとまの雪 新説忠臣蔵・ひとりの家老の生涯』、エッセイ集『大人のカタチを語ろう』「大人の流儀」シリーズなどがある。

「2023年 『ミチクサ先生(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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