無冠の男 松方弘樹伝

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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062205443

作品紹介・あらすじ

じっくりと話を聞きながら、一冊の本にまとめるつもりでした。
しかし、3度目のインタビューが終わった約2ヵ月後、松方弘樹さんは突然病魔に襲われました。およそ1年にわたる必死の闘病を続けるも、2017年1月21日に永眠・・・あまりにも突然のお別れでした。

インタビューでは心に残る台詞をいくつもいただきました。

「役者に勲章は要らない。他人様(ひとさま)の記憶に残ればそれでいい・・・」

「僕は役者ですから総理もやくざも関係ない。人間的魅力のある人には否応なく惹かれるし、演じてみたい」

「役者っていうのはありのままの自分を見せるもんじゃない。作りものの面白さを見せるものだ」


無冠こそ我が誇り・・・・そう自負してやまない人でした。

「最後の俳優」松方弘樹のラストインタビューです。

――独自の役者道を駆け抜けた唯一無二の俳優、松方弘樹――その熱すぎる人生を、『映画の奈落』の著者・伊藤彰彦氏が活写します。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。映画→タレント→Vシネマ→大御所・教育者への変遷がよくわかった。
    確かに無冠の男ですね。

  • 4年前に出た本だが、書評サイト「ALL REVIEWS」で柳下毅一郎の書評を読んで面白そうだと思い、手を伸ばしてみた。

    最晩年に行われた約20時間に及ぶインタビューをベースに、役者・松方弘樹の軌跡を描き出す一冊。

    本人の語りをそのまま生かした聞き書き部分と、ほかの証言者(松方と関わりの深い映画人など16名)のコメントをちりばめた地の文からなる。

    昭和の映画スターならではの破天荒ぶりに驚かされる。飲む・打つ・買うのエピソードの数々、「八○○人斬り」とも言われた艶福家ぶり、大物ヤクザたちとのあけっぴろげな交友……。

    どれも昭和だから許されたもので、本書のエピソードをいまどきの俳優がなぞったら、たちまち世論の集中砲火を浴びるだろう。

    しかしその一方で、演技・役作りにかける松方の情熱はひたすら真摯なものである。
    私生活では遊びまくっても、役者としては真面目に自分の「藝」を追求し続けた人なのだ。

    「役者魂」が輝く名言も多い。

    《役者っていうのはありのままの自分を見せるもんじゃない。作りものの面白さを見せるものだ、と僕は思います。生活の苦労の皺をスクリーンで見せても仕方のないことで、作った顔だからこそリッチな気持ちで芝居ができると思うんです。》121ページ

    《僕はお話したとおり、左利きのハンディキャップがものすごくあったから、よけいに右の立ち廻りを勉強しましたもん。できなかったら、日本一立ち廻りが上手い役者と言われていた父親の息子として名折れですから。》273ページ

    「左利きのハンディキャップ」とは、昔の武士は剣のために全員右利きに矯正されたことから、本格時代劇を演るには右利きでないといけなかったという意味。
    そのため、新人時代の松方は「死ぬほど稽古」して「右利きの殺陣」を会得したという。

  • 左利きで血のにじむ努力で殺陣の修業。

  • 大ファンの松方弘樹さんの人生を、松方弘樹さん自身や関りが深い人へのインタビューを通じて描いた作品。

    読んでいて驚いたのは松方弘樹さんクラスの大俳優でも、高齢になると仕事がなくなっていくということ。
    それもあって僕が大好きなVシネマの世界に参入してきたんだけど、そんな理由があったとは・・・。
    その他、あの大物俳優がああいう性格で、あんな発言を、など、克明な描写が読んでて臨場感を感じたね。

    ということで、ますます松方弘樹さんの作品を観たくなったね!

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  • ★4.5
    様々な作品で圧倒的な存在感を放ちながらも、時代の流れに恵まれず、ゴシップも多かった松方弘樹。が、派手で破天荒な生活の裏には、凄まじいまでの努力と時代劇への愛情が隠されていて、読み終わった時に思わず泣きそうになった。そして、高倉健に関する暴露と、「ササラモサラしちゃれい!」がアドリブだったことに驚くばかり。ただ残念なのは、本書の完成を前に松方弘樹本人が亡くなってしまったこと。出来上った本を手に、「俺の本なんて売れないのに…でもありがとう」と照れて笑う姿が見たかった。紛れもなく最後の映画スター。

  • 松方弘樹は、仁義なき戦いや北陸代理戦争で見て目つきのヤバさにやられて好きになった。中身について言うことなし。とにかく面白いし、本当に良く出してくれたなっていう感想しかない。名著。

  • 出版少し前に松方さんが亡くなってしまった。とても悲しい。大きな演技、という指摘が興味深い。(松方さんが他の人についていったコメント)待田さん名前もちょっとでてきた。父のことを近衛さんと呼ぶのね。両親の話、戦前から戦後にかけての話も興味深かった。そして、やっぱり、最後の映画人(俳優範疇の中で)なんだなと残念に思う。こんな話してくれる人はもうあんまりいないでしょう。中島監督の時代劇に出て欲しかった。

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著者プロフィール

松方弘樹【まつかた・ひろき】
1942年東京都生まれ。俳優・映画監督・映画プロデューサー。1960年『十七歳の逆襲 暴力をぶっ潰せ』でデビュー。主な出演作品に『恐喝こそわが人生』『仁義なき戦い』『北陸代理戦争』『真田幸村の謀略』『修羅の群れ』『十三人の刺客』ほか。主なプロデュース作品に『首領になった男』『藏』『修羅の血』ほか。監督作品に『やくざの詩 OKITE 掟』。

「2017年 『無冠の男  松方弘樹伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松方弘樹の作品

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