呉越春秋 湖底の城 第八巻

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062207638

作品紹介・あらすじ

度重なる奇襲作戦により見事呉との戦いに勝利した越。戦に勝利した范蠡は戦場から王宮へ戻り復命を行った。そして宝楽家より白斐を妻として迎えることが決まるのだが、かつての婚約者・西施が後宮に妾として入ったと聞き動揺してしまう。
越に負けた呉では、謎の人物の密告により更なる越軍の動きを想定し、次なる戦に向けての体制を伍子胥は整え始める。
越の范蠡もまた、王・句践の作戦を知り呉にどのように立ち向かっていくべきか思いを馳せる。
知略にとんだ伍子胥と句践。それぞれ、国を守るための作戦とは、そして戦いの行方は――。

感想・レビュー・書評

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  • 話が越に移った。夫差は愚帝なのね。

  • 伍子胥が最後の輝きを見せたのに主君に認められず范蠡が復活の機会を得る~呉では闔閭が陣没し,太子の夫差は伍子胥の補佐を受け越への復讐を狙い,それを知った越の勾践は今のうちにと呉を叩こうと出兵しようとした。范蠡は諜報が甘くなっているのを訝しく思って諌めるが,証拠は挙げられない。呉に内通する越の元海賊は,妻と子を養って貰った恩を忘れずに,伍子胥に越が船を作って太湖に浮かべ,呉王が出陣した隙を狙って,呉都を襲うとしていたのだ。これに対抗して,呉も船を作って,越王が率いる越海軍を完全に押さえ込み,進退窮まった勾践は会稽山に籠もった。范蠡と大夫種は夫差の側近伯嚭に賄賂を贈って夫差に勾践を助けるように吹き込んだ。伍子胥は勾践を殺す事を強弁したが、夫差はこれを取り上げず、会稽山に三年間幽閉した後,呉に連行していた公子公女と引き替えに呉都に送った。勾践と范蠡は国力を蓄えて,楚との同盟で呉への復讐を画策する~臥薪と嘗胆…ねって,こういう事だったっけ?

  • 越の呉奇襲作戦、それを見破った伍子胥の極秘戦略。伍子胥と范蠡の知恵比べが手に汗を握る展開となり、句践の越軍は敗退、会稽山へ逃げ込む。句践への大夫種の献策、呉との講和交渉を進める外交巧者・諸稽郢の熱弁ぶりが印象的。范蠡が会稽山の牢に3年間囚われることになった句践を3年目に慰問する場面の再開シーンはあまりにもドラマティック。後醍醐天皇を児島高徳が「天勾践を空しゅうする莫れ 時に范蠡無きにしも非ず」と詠んで励ますシーンで引用された理由が良く変わる。西施が皇后を救うために自ら犠牲となって呉王夫差の愛妾となる場面も感動的!でもこれは著者独自の創作物語か?

  • 中国戦国時代の呉越の興亡を描く歴史小説の8巻目。

    本巻では会稽の恥を描いています。
    主人公は完全に越の范蠡に移っていますが、時々、呉の伍子胥視点でも語られることもあり、自分が呉と越のどちらの立場から読んでいるのかわからなくなる時があったところは読みにくかったです。
    次回は嘗胆の話や西施の話、ひょっとして伍子胥の死が語られると思われます。

  • 越の勾践の忍耐の試練。 その部下達である范蠡、大夫種なども同じく試練。 正婦人は焼き殺されそうになるし、子供達も呉で雑役を与えられ、我慢をしていたことが忍ばれる。
    だんだん、呉への風当たりが悪くなる。語子胥が動けなくなっていく。

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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