- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062570213
作品紹介・あらすじ
愛想笑い、苦笑い、せせら笑い、満足した笑い-人はどんな時に、どんな理由で、どんな笑い方をするのか。笑いのルーツからメカニズムまでを徹底解明する、本邦初の笑いの科学書。
感想・レビュー・書評
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笑いの社会的な「機能」から「笑いをこらえる」といった複雑な感情表現まで、新書なのでそれほど詳しくはないものの、シュロスバーグの感情分類などを使っての感情や情動の中での「笑いの立ち位置」の解説もあって楽しめる。
あと翻訳ものと違って日本における笑いや笑顔の解説が詳しいのでうれしい。
笑いと様々な病との関係や「笑い量」の季節変動なんてのもある。
でも、やはりヒトという生物が作り出した「社会」で笑顔が「どのように機能しているのか」という感じの笑いと文化の関係を解説したあたりはもっと詳しく知りたくなる。なのでやはり新書で入り口は入り口なので「エクマン読んでみようかな」という気になってしまう。
結局は読むのか、エクマン。という感じ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
6章がよかった。
まだまだ先がありそうでこれからが楽しみ。 -
1994の書。「笑い」の定量的研究を進める上で、どこからどこまでを「笑い」として定義し、また「笑い」の中で分類するのか、データ採取はどのように行うのかについての難しさを感じさせる。
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動物から進化する過程で、人の表情がどのようにして生まれたのか。笑顔を作る時には、どこの筋肉が使われているのか。また、笑いの種類(作り笑い、病的な笑いなど)などについて、科学的に追求されています。
笑うという行為は、動物が毒物や異物を吐き出す行為から派生したものだそうです。
人の顔の表情に関わる筋肉が発達したのは、それが生きていくうえで重要だったからなどなど、興味深い話が多くありました。 -
様々な観点から科学的に笑いを分析した一冊。
系統発生的な分析は笑いが遺伝子に組み込まれたものであることをまざまざと見せつけられ少し不気味に襲われる。考えなくとも、赤ん坊は誰に教わることなく自然に笑うし、大人の自分だってそうだった。
本書にも書かれているが、有害なものを吐き出す動作が笑いに繋がったというのは推論の域を出ることはないであろうが、非常に面白い。
社交的な笑いや病気と笑いの関係などが記されているが、決して笑いから感情を読み取ろうなどという心理学雑学本のような内容ではないので悪しからず。
笑いについての書籍だが、本書を読むと表情の強さというのを思い知らされる。やはり社会的動物である人間にとって表情は欠かせない。
動画配信なども表情を添えた方が良いのであろう。個人的には音声のみにしてほしいが、やはりビデオ通話最強か…。匿名性を保ったまま配信の可能なVTuberの強さを感じた。
1994年6月20日第一刷発行とかなり古い書籍であり、科学を扱うものなので、なるべく新しめの書籍なり研究を一緒に参照したい。タイトルの「人」を「ヒト」に変えただけの同名書籍が2015年に勁草書房から出ているのだがどうなのだろうか。 -
心理
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笑いの科学とでも言うべき本。様々な角度から笑いに切り込んで、笑いとは何かを明らかにしてくれる。笑いの起源の分析や笑うから嬉しいのか、嬉しいから笑うのかの分析などが興味深かった。
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ちょっと古いかな。でもこの後にはこの手の内容の本は出版されていないようだし。今どこまで研究されているのかもわからないし。学生にも読んでもらう。