バイオスフィア実験生活: 史上最大の人工閉鎖生態系での2年間 (ブルーバックス 1147)

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本棚登録 : 83
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062571470

作品紹介・あらすじ

バイオスフィア(生命圏)とは、バクテリアから人間にいたるまで、あらゆる生命体が太陽光と大気と水を利用して、死と再生を繰り返している閉鎖生態系である。地球というバイオスフィア1に住む人類のこれからの生き方を探るために、ガラスの建物の中に密閉されたバイオスフィア2が、アリゾナの砂漠に作られた。その中で男女八人の科学者が、水や食料はもとより、空気すらもリサイクルしながら、外部からいつさいの補給なしで暮らした。クルー自らが書いた、二年間におよぶその実験生活の臨場感あふれるレポート。

感想・レビュー・書評

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  • 砂漠に造られたガラスのドームで2年間、ほぼ閉鎖環境での自給自足生活を続けた8人の記録です。

    この実験が行われていた1991〜93年当時から関心はあったのですが、今この本を読んでみると、なかなかの無茶ぶりだったんだなあと思います。

    やってみないとわからないことってたくさんあるし、古今東西あらゆる無茶をしてきたから現在の人類の発展があるんだとは思うけど、それにしてもこんな過酷な環境でよく2年も頑張ったなぁ…と感心する一方、料理や余暇や動植物の話は楽しげで、うらやましくもなったり。

    今やってる火星移住計画、ロケットを飛ばす話は時々ニュースでやってるけど、こういう生活面の計画はどうなってるんだろう。

  • 1996年刊。◆人工閉鎖空間、つまり外界から物資・資源・食糧や水・エネルギー・酸素等を受け取らずに生活できるか。現代なら火星往復ミッションで想定される宇宙空間と火星表面での長期滞在、あるいは恒久的な月基地建造で具体的な意味を持ちそうな実験が、1991年から2年間実施された。勿論、地球環境と循環の全体像をシュミレートする上でも意義深い。本書はそこで生活した研究者の体験録。◆米国でも民間の費用でしかなされないのかと慨嘆。ただひょっとすると火星有人飛行計画で新規の研究があるかも。◆ゴキブリの構内での異常繁殖。
    →対ゴキブリ生物兵器たる雀蜂の導入、吸引機で集積したゴキブリを鶏の餌に。この対処法には爆笑。◇酸素濃度の急激な低下にはハラハラさせられたが、コンクリート吸引に原因アリとの分析ができて良かったなぁとも。◆全体を通してみて、巨視的に見て絶妙なバランスを保つ地球が、絶妙のバランスを有するミクロの集積だという当たり前の事実に気づかされる。そしてその連鎖の実際は、ミクロのレベルでも未だ人類の未知の領域と実感させた一書。

  • 事実が事細かく淡々と書かれるほとんどの説明には興味が持てなかった。
    むしろ最終章にほんの少しだけ書かれた
    「バイオスフィアから出た時、8人はどう社会に適応するか」とか、
    訳者あとがきにある、
    「バイオソフィアが継続できなかった社会的な理由」に興味を持った。

  • かなり前から読みたいと思っていた。バイオスフィアでの実験が行われたのはもっと前(70年代とか80年代とか)だと勝手に思い込んでいたけど、91年9月から93年9月だった。自分がバイオスフィアとは別の意味で隔離生活を送っていた時期と完全にダブルので、ある意味感慨深くもある。始まった頃はソ連がまだ崩壊する前だった、とか。

    巨大な設備、莫大な費用、大いなる矛盾(笑)。
    「期待はずれ」も覚悟していたけど、楽しく読んだ。
    続かなかったのは残念だなぁ。最初のクルーの努力もある意味無駄になってしまったわけだし。
    外の人たちとネットやあらゆる通信機器で繋がっていた、というのはちょっと意外。でも研究として必要なことだと理解できた。
    まだネットやメールが一般には普及してない頃だったけど。
    私があの頃携帯やメールが使えたら、私の人生は今とは違ったかもしれないけど(笑)。

    あと、チョコレートとか嗜好品は隠れて持ち込んでたのかなぁと
    思っていたけど、その点はみんな真面目。やはり研究目的だしね。

  • 図書館に在庫なし。

  • おりしも妻が『少食・断食で健康になる』という健康法に乗りかかっていて(参考)、その胡散臭さに閉口気味だったのですが
    その健康法がすすめる食生活とバイオスフィアの中での食生活は酷似しており、その健康法の本をきちんと読んでみようという気になりました。
    予断や偏見はよくないね。

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