出題者心理から見た入試数学―初めて明かされる作問の背景と意図 (ブルーバックス)
- 講談社 (2008年10月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062576178
作品紹介・あらすじ
大学入試の問題作りの現場には、外からは想像もつかない葛藤や苦悩がある。30年近く、入試数学の出題と採点に携わってきた著者が、これまで一切語られることのなかった作問の背景や意図、採点、その他諸々の事情について、余すところなく率直に論じる。
感想・レビュー・書評
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図書館で借りた。
共通テストの数学が難化したということもあり、何となく手にとった本。
著者の他の本を読んだときは、非常に読みやすい文章だった印象だが、この本はタイトルに相違は無いものの、「出題者が入試問題を作った際に悩んだこと。要は愚痴」という印象を受ける。
「出題者の悩み」を手に取るように理解ができるが、なんだかカカア天下な奥さんが出てきて「グチグチ言わずに、さっさとやんなさい!」とツッコミが出てきそうな、そんな悲哀的な側面を感じる。受験生が読んで、もしかしたら入試問題の理解を深められるかもしれないが、基本的にはお勧めしない。
授業中に先生が言う「こういう事を考えられて作問されてるんだ」的な1つ,2つの説明で十分な気がした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
極めてまじめな数学の、数学者の本。これが面白い人は理系認定されるのかなあ。
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当たり前というかなんというか。
こういう仕事をしているから結構授業でも解説している内容が多かった。
ただ計算が爆発するような問題の出題者心理やエレガントな問題に対しての出題意図が知れたのはよかった。
こういう出題意図を各大学が講評してほしいなと思うばかり。 -
タイトルからも分かるとおり、
大学受験の数学について、出題者の立場から解説した一冊。
網羅的とまではいかないが、
大学受験問題(主に理系向き)が解説付きで複数掲載されており、
受験数学の勉強においても参考になる部分は大きい。
ただ、高校生が読むには少々難解な部分があるため、
受験対策として活用するのであれば、
数学教師が読み込み、この本の知見を加えて解説するほうがよいだろう。
もっとも、この本の趣旨は
大学入試の数学(特にマークシート形式のもの)について
具体例を交えながら批判をするところにあり、
その点でも参考にすべき点は多い。
ただし、筆者の主張は
要するに「マークシート形式を自由記述式に戻せ」であり、
いち数学者の主張としては少々お粗末な感がある。
というのも、
マークシート批判は心理学のテスト理論研究ですでに反論済みで、
5問程度の記号選択型にし、問題数を増やすことで
自由記述式と同じだけの学習成果が得られることが
示されているのである。
(詳しくは池田央『テストの科学』参照)
畑違いといえばそれまでかもしれないが、
いち数学者の主張が高校の確率論で反論されてしまうのはどうか、と
個人的には思う。 -
インドの入試数学はすべてが証明問題。だからインド人は理詰めに強いのだ。
証明問題は論述力を強めることになる。 -
高校数学を一通り頭に入れている人には面白い本だと思う。
メモ
・マークシートは数値を当てはめるだけで正解してしまうこともある。
・きたない解になる問題は、受験者の計算力を見るのはもちろん「不安に打ち勝つ精神力」を見るという側面もある。
・大問には「直列問題」と「並列問題」。
・「前の問題が解けないと最後の問題が解けない」という先入観を持たない。
・定義と基礎的事項の証明は大切なこと。 -
高校数学を一通り頭に入れている人には面白い本だと思う。
メモ
・マークシートは数値を当てはめるだけで正解してしまうこともある。
・きたない解になる問題は、受験者の計算力を見るのはもちろん「不安に打ち勝つ精神力」を見るという側面もある。
・大問には「直列問題」と「並列問題」。
・「前の問題が解けないと最後の問題が解けない」という先入観を持たない。
・定義と基礎的事項の証明は大切なこと。 -
出題者心理から見た入試数学 マークシート問題の裏技など。本全体としては入試数学のあり方を見直すことを訴えた本。 http://is.gd/2bvpK