iPS細胞とはなにか―万能細胞研究の現在 (ブルーバックス)

  • 講談社
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062577274

作品紹介・あらすじ

人体のどんな組織や臓器をも作り出すことができる万能細胞の実現は、医療に革命をもたらすと期待されている。iPS細胞の発見は、その扉を大きく開いた。しかし同時にそれは、世界規模の研究競争の幕開けでもあった。山中伸弥教授のiPS細胞を中心に、世界の万能細胞研究の現在を見る。

感想・レビュー・書評

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  • 古い本だがiPS細胞の説明だけにとどまらず、歴史や世界の研究の現状など多角的に幅広く網羅しており、文章も読みやすい。

  • ふむ

  • 新 書 KBS||491.11||Asa

  •  発見から10年、当時の概要がわかりました。山中教授が、iPS細胞の作製を発表してすぐに、世界中でし烈な競争が始まりました。山中教授のすごさをあらためて感じました。教授は、最近は、開発のかじ取りとしての仕事も多いようで、しかも、そちらの才能もあるようです。実際の、成果はどのようなものがあるのか、知りたいです。

  • 1勝10敗。この言葉に日本の研究環境の現状がよく表れていると思う。日本は基礎研究が軽視されているし研究者の待遇が悪過ぎる。この分野でこのまま日本がリードできるか本当に危うい状況だ。
    CiRAには研究や臨床応用の実績だけでなく、こういった日本の研究環境改革のモデルケースとなって社会全体に波及効果をもたらすことを大いに期待する。

  • 文系でも読み物としてわかりやすい内容だった。研究そのもののメカニズムより、取り巻く状況や業界を俯瞰的に見られる。2011年情報なのは注意だけど、基本はわかる。

  • 人体のどんな組織や臓器をも作り出すことができる万能細胞の実現は、医療に革命をもたらすか。iPS細胞を中心に、世界の万能細胞研究の現在を見る。

  • なるほどー!

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB06453712

  • マウスの皮膚細胞に4つの遺伝子を導入して培養するだけで初期の受精卵のようにいかなる細胞へも成長しうる、ES細胞のような万能細胞ができることを山中教授は発見し、これをiPS細胞と名付けた。iPS細胞は受精卵を壊して核移植をして作るES細胞とは作成方法が異なり容易であるとともに、倫理的問題も回避される。理論的には筋肉や骨、心臓など、どの細胞にもなりうるが、傷ついた臓器にiPS細胞を移植し再生をはかる、などの治療法には解決すべき問題も多くまだまだ実現しそうにない。目下の活用法は製薬などのスクリーニングに用いることのようだ。またiPS細胞の技術がアメリカ等の他国に追い越されることも危惧しており、特許取得等の戦略的戦いにも勝利しなければならないが、それはなかなか容易ではない。

  • iPS細胞というか万能細胞研究の現状を伝えてくれる。
    とっても分かりやすい。
    iPS細胞の可能性が理解できるとともに、諸外国の方がうまく利用できそうな現実もよく分かる。国内の研究体制を山中教授のノーベル賞受賞を機に再構築してもらいたいものだ。
    何より基礎研究への評価がもっと高まるような、基礎研究者が尊敬されるようになって欲しいなぁ。

  • iPS細胞とは何か、というのをきちんと知っておきたかったので読みました。2011/8の刊行なのでノーベル賞受賞前までの記載ですが、これまでの経緯がよく理解できます。年表があればもっとわかりやすかったと思います。一方で、どちらかといえば文系向けという感じで、ブルーバックスなのだから、もっと理系的にもう少しつっこんだ記述が欲しかったです。そこは他の本で補う必要がありますね。

  • さすがブルーバックス、すごく読みやすかった。かつ、発行がノーベル賞受賞前だったのが、いいね。

  • 2006年8月
     マウスのしっぽの細胞に4つの遺伝子を入れると
     ES細胞(胚性幹細胞)のような細胞群が現れたことを発表。
     受精卵を使わない方法として、世界に衝撃を与えた。
     
     奈良先端科学技術大学院大学。
     知名度のない研究室に学生を呼ぶため「夢のある研究テーマを掲げた」
     受精卵から分化した体細胞をES細胞のような多様性を持つ細胞に戻す。 

     4年ほどで100個の遺伝子リストから、動物実験により、候補を24に絞り、
     とにかく全部入れてみた。一つずつ抜いていき、抜いたらダメだった4つを見つけた。

    カルフォルニア大学サンフランシスコ校グラッドストーン研究所所長
     研究で成功するには、VWが必要。
     Visionとhard WORK

    ハーバード大学 幹細胞研究所 メルトン教授
     挑戦的な仕事ができたらポジションをあげるが、できなかったらクビ
     野心的な若い研究者を世界から集めた。
     患者が必要と思うことから研究の方向性を決めている。

  • 難しい…

  • ノーベル賞前の本。書いたのが朝日新聞の科学担当だから、ある意味もっともバイアスの少ないiPSの解説書かもしれない。

  • iPS細胞とはどんなもんか?
    ・どんな器官にも成長できる万能細胞
    ・失った、問題のある器官が再生できる治療の可能性がある
    ・自分の組織からiPS細胞を作るので拒否反応がない
    ・疾患のある患者のiPS細胞から病気のメカニズム、薬の開発に役立てる
    ・従来の万能細胞であるES細胞は受精卵から製造するので倫理問題があった
    ・4つの遺伝子操作で細胞を初期化できる
    ・遺伝子操作はウィルスによって運び込まれる
    ・よってガン化するリスクがある
    ・発明は特許競争である
    そんなもんでした。
    上記の理解が正確なものかは保証しません。

  •  読まなくても良かった。もうちょっと、きちんと客観的な記述を次は読もうと思う。

  • iPS細胞は勿論、ES細胞やキリスト教が絡んだ件は興味深く読むことができました。

    キリスト教からの倫理観は馴染みの薄いものですが、分かりやすく説明されていました。

    また、ただただ研究に没頭すればよいというわけではないことも( ̄∇ ̄*)ゞ
    日本の研究環境が改善されることを願います♪

  •  本書が出版されたのは2011年8月。ノーベル賞をとる前のことです。
     ノーベル賞で騒がれる前から,新聞などで取り上げられていiPS細胞でした。こういうことも珍しいですね。
     日本の基礎科学の研究者たちのおかれている立場が,アメリカなどと競争する時に如何に不利かということが,よくわかりました。そんな中で,成果を上げてきた田中伸弥教授たちはたいしたものです。
     万能細胞研究の歴史もよくわかります。

  • iPS細胞や、ES細胞の歴史と研究を取り巻く環境、国際競争のあり方について書かれた本。そこまで詳しい本でもないが、このくらいの知識があるだけでも、iPS細胞をめぐるレベルの低い誤報を出すことはないだろうと思われたし、改めて日本人の科学に対する理解の低さを感じた。

  • 【配置場所】特集コーナー【請求記号】491.11||A【資料ID】91111742

  • おさらいができました。

  • iPS細胞に関するいろんなことがとてもわかりやすく整理されていて勉強になる。

  • 資料ID :11101102
    所在 : 展示架
    請求記号 :491.11||A82||1727

  • 書店で本書を手に取った理由は、iPS細胞やES細胞について、今以上の知識が欲しいと思ったからだ。
    その点を省みると、残念ながら本書は私の欲求を完全に満たしてはくれなかった。
    何故ならば本書は iPS細胞やES細胞そのものについての深堀ではなく、再生医療研究における研究環境や歴史についてをメインとして構成していたからだ。

    しかしながら、結果的にはこれまで知らなかった事を知る事ができ、読んだ価値は十分にあった。

    日本と他国との研究体制の違いや、一般人の科学部門に関する興味の差などは、思わず唸りながら読んでしまった。

    文面もとっつき易く、 iPS細胞に興味がある方には是非お勧めしたい。

    当初の目的とは違ったものの、本書を手に取ったことは間違ってなかった、と思う。

  • 一言で言うと、この本は理系の本じゃなく、文系の本。
    iPS細胞について多少科学的な話は書いてあるけど、iPS細胞を取り巻く、政治や宗教や特許や産業に関する話題がメイン。

    ドリーやES細胞やiPS細胞を最初に作るのはスゴい。
    けど、その後の関連研究の論文投稿競争みたいになってくると、別にその人がいなくてもそのうち誰かが発見するだろう的な研究は疲れそうだね。

    それにiPS細胞もまだいろいろ問題があるし、臨床も応用もまだまだという現状では、ノーベル賞最有力って言われると、いや今はまだどうかなぁ?って状況な気がする。

    それにしても生命の神秘はスゴいし、この分野は今、面白すぎるだろ。

    ps.
    真面目な本なのに、なぜか2箇所もピノコの話が出てくるのがワラタ。著者もピノコ好きなのかな?
    でもよくよく考えてみると、iPS細胞とピノコって実はかなり関連性が高いね、確かに。

  • iPS細胞とは(induced pluripotent stem cell)であり、多機能な幹細胞のことである。実際のiPS細胞のことを掘り下げるよりも、発見までのいろいろな研究の歴史、研究を指揮した山中先生の話が多い。100個以上の中から特定の4つを見つけ出すストーリーなどは面白かった。

     受精卵から作るES細胞に比べて、iPS細胞は生命倫理学的観点からも、宗教的にも受け入れやすいだろうし、アメリカの選挙の争点にもなったそうなので、今後も注目される。

    また、特許等、世界の中で完全に日本が進んでいる訳ではないので、今後とも競争の中でやっていかなければならない。

    山中先生のアメリカ留学のVW (Vison & hard Work)が必要だとというのが印象的だった。日本は基礎科学の認識が弱いので、今後とも注していきたい。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号:408//B59//1727

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