- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062578516
作品紹介・あらすじ
イギリスの数学者チューリングは、ヒルベルトの「決定問題」解決のために、万能計算機の数学的モデル「チューリング・マシン」のアイディアに至った。この「チューリング・マシン」こそが、コンピュータの万能性を保証する数学的基礎になった
チューリングは、「チューリング・マシン」を使って、計算という行為を徹底的に検証した。そして、手順を示すことと、計算ができることが同じであることを示した。その手順はアルゴリズムと呼ばれ、いまではソフトウェアと言われている。
本書は、コンピュータの原理としてのチューリング・マシンを解説するとともに、決定問題を解決した有名な「チューリング・マシンの停止問題」も分かりやすく説明します。さらに計算量と、7大難問の一つ「P=NP問題」についても、わかりやすく解説します。
感想・レビュー・書評
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現在コンピュータなしでは日々の生活が成り立たないと実感するが、そのコンピュータの万能性を保証する理論がタイトルの計算理論との事。計算の定義やアルゴリズムの概念等を踏まえ決定問題から着想されたチューリングマシンの解説はとても参考になった。
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大学の授業で必要だったので読んだ本。
チューリングマシンについてはすでに勉強していたため特に目新しいことはなかったけれど、先にこの本を読んでいたら理解がもっとスムーズにできたかもしれない。
後半にある計算量についての話が、今まで見たことあるけれどよくわからなかったことが説明されており楽しく読むことが出来た。
計算量の話でO(n)とかO(log n)とかなんだ?といった状態だったのが二分木探索での説明のおかげで理解することができた。
ので、これからは計算量を気にしていかないといけないね。 -
#図書館員の推し事(おしごと)企画/「ゆるコンピュータ科学ラジオ」を推す!
金沢大学附属図書館所在情報
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https://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BB14865839?caller=xc-search -
図書館で借りた。
情報工学の基本的な分野である、チューリングマシン、オートマトンといった側面からコンピュータの基礎を学べる本。情報系大学の初等教育といったところ。
語り口はやさしく、得意でない方がはじめるにはお勧め。 -
チューリングの理論だけでなく,P≠NP問題についても分かりやすくまとめられていてとても面白かった.
初学者が計算機科学に興味を持つためには良い1冊だと思います.
欲を言えば,もう少しアラン・チューリングの生い立ちや人物像について触れて欲しかったです. -
新50ポンド札にチューリングが採用される!
大戦中に暗号解読に多大な役割を果たし、
私たちの暮らしに影響を与えた数学者、ご存知ですか? -
棚番:D18-07
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チューリングは何を証明しようとしていたのか。チューリング・マシンを使ってアルゴリズムが記述できる問題は計算可能であると証明した。つまり、アルゴリズムが記述できない問題は計算不能である。ヒルベルトの「決定問題」を解決するべくチューリング・マシンのアイデアは生まれた。
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予備知識ゼロでも理解できるように書いてあるチューリングマシンのすごく丁寧な入門書。
チューリングは抽象的なモデルを組み立てることで決定問題を解いた。つまり、決定問題を解くという目的のために「チューリングマシン」を作り出したわけですね。それはゲーデルのゲーデル文と同じように画期的なアイデアで、結果、決定問題のために作ったこのアイデアが、後にコンピュータを生み出すことになった。出来すぎです。
数学者がこういう抽象的な概念を創造するっていうところがたまりません。
あらためて思うのは、チューリングマシンの考案にはヒルベルトの貢献も非常に重要だったという事ですね。なんだよ、問題出しただけじゃねーかとか思っていたけど、ヒルベルトが課題を浮き彫りにしたからこそゲーデルやチューリングが生まれたわけですから。後から見れば課題を見つけ出すってことの究極版だったわけですね。
ヒルベルトは数学世界の理想のためにこれらの問題を出した。その卓越した洞察力もさることながら、すごく人間味溢れる視野ですよね。
はぁ、天才たちの足跡はどれもたまらないですね。
チューリングマシンのエッセンスに触れられる本書、面白かったです。 -
2016.12.16