聖母マリア (講談社選書メチエ)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062581370

作品紹介・あらすじ

父と子と精霊-キリスト教は父性の宗教だった。教義が排除した「女性性」を、しかし、民衆は聖母の中に見いだす。「異端」の存在は、やがて「神」の座へと昇る。キリスト教の「女神」、聖母マリア。処女にして母、婢にして女王、人類が永遠に憧憬する、「女性的なるもの」の化身。その多彩な容貌に、さまざまな角度から光を当てる。

感想・レビュー・書評

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  • 諸宗教において、聖母マリアはどのような存在と考えられているのか。それが分かる。あまりのマリアの人気に驚いた。

  • 愛媛などを舞台とした作品です。

  • まりあ様といえば、イエス・キリストのお母さんなのだということは誰でも知ってる。しかし切支丹でない故か、その功徳やカトリックにて崇められてきた経緯を知ることが無かった。
    聖母マリアのとしての立場や、古の女神の性格を吸収し、異教信仰とのクッション役にあって、キリスト教の布教にも一役買ってきたらしい。清潔な処女のイメージや偉大な貴婦人(ノートルダム)として崇められた歴史。そして現代も続く、奇蹟の源泉でもあることなど、神学とは少し距離を置いて様々に紹介し、その性格を考察されている。原始キリスト教では、さほど役割を持たなかったマリアがいまでは、深い信仰の対象にすらなっていることは少し驚きである。人々の信仰への欲求が、マリア様の性格を変遷させ、キリスト教の教義とは独立して、各自様々な形での信仰を許す受容を与えてきたのかもしれない。
    自分の大地母神にたいする憧憬を自問する上での参考になった。
    なお、同著者の「聖女の条件」に、本書の多くが転載されているみたいだ。

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著者プロフィール

比較文化史家・バロック音楽奏者。東京大学大学院比較文学比較文化修士課程修了。同博士課程、パリ大学比較文学博士課程を経て、高等研究所でカトリック史、エゾテリズム史を修める。フランス在住。著書に『ヨーロッパの死者の書』『キリスト教の真実』『女のキリスト教史』(以上、ちくま新書)、『ジャンヌ・ダルク』(講談社学術文庫)、『ローマ法王』(角川ソフィア文庫)他多数。著者のホームページhttp://www.setukotakeshita.com/

「2021年 『疫病の精神史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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