謎の哲学者ピュタゴラス (講談社選書メチエ 280)

著者 :
  • 講談社
3.00
  • (0)
  • (1)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 33
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062582803

作品紹介・あらすじ

三平方定理の発見者とされるピュタゴラス。数々の奇行が伝えられる哲学者は、イタリア半島南端に秘密の教団を主宰し、「数は万物の原理である」ことを看破した。プラトン、アリストテレスに刺激を与え、哲学の地下水脈となった謎の思考に迫る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 231116-4

  • 「ユリイカ 特集=偽書の世界」の黒川巧 「文字を残してはならない、と彼は言った――ピュタゴラス教偽書と死者としての文字」つながりで。/ピュタゴラス本人について深堀りしたかったのだが、ピュタゴラス以前の人々、ピュタゴラスの周囲の人々、ピュタゴラス派と言われる後継の人々の話が多く、本人について知りたかったことは、ほぼ77-78ページの範囲でおさまっていた。/すなわち小アジア出身で、エジプト留学し、南イタリアに移住。教団をつくり、主要な教義は魂の輪廻転生。自分の生きた何世代も前のことまで詳しく覚えており、そこから未来のことを推し量り、予言するシャーマン的な活動ができた。また教団のユニークさは、魂の清めに学問を採用したこと。シャーマン的な側面と研究者としての側面をあわせもったことがピュタゴラスを特異な存在としていたが、その死後、彼の二面性を丸ごと受け止める度量のある人はあらわれず、両面を一つずつ受け継いだ二派二分裂することになった…と。学問をもっぱらにする人と、新しい発見などに耳を貸さない保守派とに、と。

  • 37927

  • 20131009

  • 「豆を控えるように」

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

左近司祥子(さこんじ・さちこ)  一九三八年東京生まれ。東京大学文学部哲学科卒、同大学博士課程満期中退。東京大学助手、学習院大学文学部哲学科教授を経て、現在、学習院大学文学部哲学科名誉教授。専門はギリシャ哲学。主な著書に、『哲学のことば』(岩波ジュニア新書))『本当に生きるための哲学』(岩波現代文庫)『哲学するネコ』(小学館文庫)『謎の哲学者ピュタゴラス』(講談社選書メチエ)編著に『西洋哲学の10冊』(岩波ジュニア新書)その他、訳書など多数。

「2012年 『なぜねこは幸せに見えるの?─子どものための哲学のおはなし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

左近司祥子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×