<代表>と<統治>のアメリカ政治 (講談社選書メチエ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062584432

作品紹介・あらすじ

知っているようでわかりにくい、アメリカ政治の核心をいかに捉えるか。地域代表としてのイデオロギー「代表の論理」と政府運営者としての行動原理「統治の論理」、矛盾する二つの論理の力学という視角で、本質をするどく抉出する。

感想・レビュー・書評

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  • アメリカの政治、特に議会と大統領の調整を経て、どのように政策が決定されるかということを「代表の論理」と「統治の論理」のバランスという観点から説明している。大統領と議会与党の政党が異なる「ねじれ」の状況にある場合に、政策決定が「停滞」するというステレオタイプの報道が目立つが必ずしも、そうとは限らないということが理解できる。ただ「比較政治制度論」というアプローチをとっており、学術的な信頼性が担保されている一方、政治エピソードのような話が少なく、多少退屈ではあった。

  • 地元の図書館で読む。非常に興味深い本でした。著者の筆力は抜群です。興味を持ったのは、共和党保守派です。議員には、二つの役割があります。第1に、選挙民から信託を受けた支持を背景に、自らの主張を展開することです。減税、憲法改正、医療保険改革等です。第2に、国家を運営することです。自らの主張を貫くことと国家の運営は矛盾する場合があります。多くの主張が並立して、コンセンサスがなければ、国は運営できません。逆に言えば、国の運営だけを考えれば、選挙民は、何のために、議員に選んだのでしょう。多くの政治家は、この狭間で悩みます。共和党保守派は、第2の役割を放棄して、第1の役割のみに特化しました。選挙民は、そのわかりやすさに熱狂しました。しかし、彼らの主張は、現実的な政策ではありませんでした。この矛盾が、アメリカの混迷をもたらしたのかもしれません。再読の価値があります。

  • [ 内容 ]
    知っているようでわかりにくい、アメリカ政治の核心をいかに捉えるか。
    地域代表としてのイデオロギー「代表の論理」と政府運営者としての行動原理「統治の論理」、矛盾する二つの論理の力学という視角で、本質をするどく抉出する。

    [ 目次 ]
    序章 本書の課題と関心
    第1章 アメリカ政治にとって政党とは何か
    第2章 連邦議会における政党
    第3章 「代表の論理」の政党を目指して―多数党への軌跡
    第4章 二つの論理のはざまで―クリントン政権期の対立と協調
    第5章 「統治の論理」の果てに―G・W・ブッシュ政権との関係
    第6章 アメリカ政治の展望
    終章 「代表の論理」と「統治の論理」から見た日本政治

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著者プロフィール

待鳥 聡史(京都大学法学部教授)

「2020年 『ポリティカル・サイエンス入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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