人格系と発達系 〈対話〉の深層心理学 (講談社選書メチエ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062585750

作品紹介・あらすじ

なぜ私は彼を憎むのか? 
なぜ彼は私を憎むのか?
対立を激化させてきた二つの性格傾向、〈人格系〉と〈発達系〉。それはわれわれに不信の種を植えつづけた犯人でもあった。
本書は、心理療法としてのアクティブ・イマジネーションを紹介し、〈想像〉の作業をわれわれの不信を解きほぐす手がかりとして提示したうえで、二つの〈顔〉が和解に至る普遍的なプロセスを描き出す。
太古からヒトの心を捕らえつづけた根源的対立を超えるための深層心理学的実践の書。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルになっている「人格系」「発達系」というのは、著者の考える人間の二つの性格類型を意味しています。「人格系」は、将来を思い悩んだり過去を悔やんだり、あれこれの葛藤を抱えながら生きるという特徴をもち、その病的なものが「人格障害」と呼ばれます。一方「発達系」は、目の前のことに熱中してほとんど葛藤をおぼえず、衝動的であるという特徴をもち、その病的なものが「発達障害」と呼ばれます。

    さらに著者は、ユング心理学の「アクティヴ・イマジネーション」を積極的に活用し、想像力を駆使することで、一人ひとりがみずからの心のなかの「人格系」の部分と「発達系」の部分との対話を通して「個性化」を実現していくことができるのではないかという主張を展開しています。

    本書の後半では、出口王仁三郎の『霊界物語』を、想像力に基づく「人格系」と「発達系」の対話と総合の実例として解釈するという試みがおこなわれています。

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著者プロフィール

一九八四年,鳥取大学医学部卒業。一九九二~九五年,チューリッヒ・ユング研究所留学。現在,大阪大学大学院人間科学研究科教授。ユング派分析家。博士(医学)。

著書:『武術家,身・心・霊を行ず』『身体系個性化の深層心理学』(遠見書房),『共時性の深層』(コスモス・ライブラリー),『人格系と発達系』『スサノオ神話でよむ日本人』(講談社),『ユング的悩み解消術』(平凡社),『無意識と出会う』『成長する心』『元型的イメージとの対話』(トランスビュー),ほか。
訳書:ユング『ヴィジョン・セミナー』『哲学の木』『クンダリニー・ヨーガの心理学』(創元社),ブラヴァツキー『ベールをとったイシス』(竜王文庫),ほか。

「2019年 『心と身体のあいだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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