蒼天航路(2) (講談社漫画文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (484ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062608732

作品紹介・あらすじ

曹操孟徳、劉備玄徳、関羽に張飛。英雄登場県令に新赴任した曹操は、搾取を続けていた悪徳官吏を一掃。その後、職を辞し郷里に雌伏の日々をすごす。もう一人の英雄・劉備玄徳も、関羽・張飛と出会う。

感想・レビュー・書評

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  • 2

  • 「とことん三国志」での再読レビュー。

    第1期として、黄巾の乱討伐まで、宮城谷昌光版と吉川英治版の「三国志」と「蒼天航路」で読み比べてみる。

    この期間では、太平道の発生の真因をどこに描くかで差が出てくる。それは曹操の出自等に影響を与える。

    吉川版の曹操が、名門の生まれとして描かれ、曹騰の孫と言う「宦官」との関係が消されているのが大きな特長として浮かび上がる。逆にその点を最も大きく取り扱うのが、宮城谷版で、蒼天航路では曹騰よりも張譲を中心とした十常侍との因縁を描こうとする。


    当時の権力の両輪であった宦官と皇帝の外戚。
    この構図が明らかに見えるのは宮城谷版だけで、
    蒼天航路では、何皇后や何進などがかろうじて
    外戚が遠景に見える。

    この2者の綱引きが、漢帝国を疲弊させ、
    その上に乗った霊帝が官位を販売するという
    前代未聞の愚作を重ねたことで、
    官僚組織から優秀な人材も消える。

    この背景があって、
    太平道の普及と宗教革命としての「黄巾の乱」が
    立ち上がってくるのだ。

    2者の対立を遠因としない蒼天航路では、
    宦官を初期の敵役とし、その意味で
    「党固の禁」がクローズアップされるのだ。

    読み比べて、特別に立ち上がってくる存在が、
    下玲朧であろう。世界を巡って来た歌姫として、
    世界中の群狼のなかから、董卓と曹操を選び、
    そして、その若さをもとに曹操を夫とした女性。

    董卓という悪の権化を際立たせるための
    うまい登場のさせかたである。


    こちらは、mixiレビューからの転載。

    蒼天航路 (2) 過去レビュー

    この巻は、少年期が終わり北部熨時代から黄巾党の乱まで。
    曹操は、漢朝にあって、蒼天の死を感じつつも
    「蒼天にいまだ我が道は見えず」まだ迷いの時期。

    関羽で黄巾党頭首張角に神になると予言され
    「佞言、断つべし」と一刀両断。

    黄巾党討伐の幕での袁紹との会話で、
    この作品世界に大きなうねりがやってくる。

    「俺の戦いは至弱より始まり、
    そしてすべての敵を崩し、やがて至強をも倒すに至る」

    「我に天の理があるのを問うのだ」

    曹操の挙兵である。
    初陣にあたり、この志の高さ、さすが曹操である。

    どちらかというと挙兵以来、敗戦続きの我が人生は
    劉備玄徳に近い。しかしながら
    「わかってるのは、おいらが天下の器であることだ」
    という妄想はなかなか持てない。

    曹操の曹操たらしめるのは、潁川の食料庫焼き討ち事件。
    自軍の将校をも厭わずに断行する作戦運用に
    曹操の軍事意識が現れる。

    三軍は気を奪うべし
    将軍は心を奪うべし
    愛民は煩わさるべきなり

  • いよいよ英雄たちが出揃って話が俄然面白くなる。

  • 第2巻。
    面白くなってきました。
    まだまだわからないこと、いっぱいですけど。
    人の心の中がうまく描かれていて、面白いやら怖いやら。

    この本について、アメブロでも書いています。
    http://ameblo.jp/waremoko-tadoku/entry-10251856737.html

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著者プロフィール

KING GONTA。大阪府生まれ。
1992年、アフタヌーン四季賞に応募した『HEAVEN』が四季大賞を受賞、そのまま同作品でデビュー。さらに続けて同誌で『地獄の家』を発表。
1994年、モーニングで『蒼天航路』(原案:李學仁)を連載開始。
1998年、同作品で第22回講談社漫画賞(一般部門)を受賞。
2005年、単行本全36巻をもって『蒼天航路』を堂々完結。
2006年、オールカラー『蒼天航路画伝』を刊行。
2007年より、活躍の舞台をインターネットへと広げ、『ファイアキング』を連載開始。
2012年、モーニングに連載していた『ReMember』が完結。
現在、最新作『達人伝』を漫画アクションで絶賛連載中。

「2014年 『蒼天航路 急「乱世の婚礼」編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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