スシとニンジャ (講談社文庫 し 31-12)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062630801

感想・レビュー・書評

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  • 『スシとニンジャ』は、ブシとニンジャに憧れて日本にやつて来た22歳の米国青年、ジム・ストーニーくんの体験記といふ形をとつた小説であります。

    実際に来日すると、普通の都会に洋服を来た男女が忙しく闊歩し、ブシやニンジャは見当たらず、キモノを着た女性もほとんど見かけないことに軽い失望を感じます。予備知識を仕入れてきたジム君ですらさうなのです。
    ジム君は観光中に、サクラギ・リエなる若い女性の知己を得ます。親切な彼女のお陰で、日本滞在はまことに充実したものになつたのであります。
    しかしリエはなぜここまで親切なのか? ちよつと不自然なくらゐです。これにはやはり理由があつたのですねえ。リエの目的とは...

    好青年ジム君の目を通した日本。ダニエル・カールさんによると、これは自分のことだ!と感じたと言ひます。異なる文化が交はる時に生じる摩擦といふものが、当人には申し訳ないが、傍からは面白くて仕方がないのです。ここから教訓を導いても良いですが、ここではお屠蘇気分に浸りニヤニヤしながら読めば、実に愉しい一冊と申せませう。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-510.html

  • とてもよくできた本です。

    日本人が書いているが、
    ニホンに憧れる外国人が日本に旅行して感じることをそのまま表現できていると思う。

    これによって、日本のことがよくわかると思う。

    主人公はなかなかの吸収力の良い人ですね。

    私は英語ができず、なんとなく外国人にたいして恐怖というか
    ビビるんですが、それでもいつの間にか海外に遊びに行くようになりました。

    それでも30スギてから。

    海外に行ったときの心構えはこのような主人公のようでありたいかもしれません。

    良い、悪いということでなく、
    吸収して考えてみる。

    好きなことだけではなく
    嫌いなことでも受け入れることができる対応をしたい。

    拒否するってことはなんだかさみしい考え方だと思う。

    違うことに対して嫌悪感を抱く人がいるが、

    そうではなく

    違うということのまま受け入れるようになりたい。

    それが実は楽で楽しい生き方だと思う。

  • とにかく面白い&笑える作品。
    読後感も爽快で、とても豊かな気分になりました。

    少し古い作品なので、日本の状況も当時に比べるといろいろ変わっているはずですが、田舎の純朴なアメリカ人青年から見れば同じかも。
    スシが食べたい、ニンジャに会いたい・・・と思っている外国人観光客はやはり多いはず(笑)。
    スシは回転しているやつしか食べちゃダメだ!・・・とか、浅草でニンジャスーツを買うシーンとか、いろいろ笑わせてもらいました。

    文章も読みやすいので、通勤時間とかにオススメです。

  • 初めは純朴な旅行者ジム君の、頓珍漢な“ニッポン”像が可笑しいが、やがて日本社会の変なところまで考えさせられる。読後がさわやかなのは、ジム君の前向きなキャラクターがあってこそ。

  • 20180531読了
    1995年発行。日本文化に興味をもち初めて来日した外国人の目線で描いた日本旅行記。英語の話せる日本人との交流が織り込まれ、ちょっと謎解きのエッセンスでドキドキさせながらきれいにまとまって終わる。解説はダニエル・カール。
    20180223蔵書

  • Domo arigato! buji ni yomiowarimashita !!
    Tanoshii kedo chotto kanashii kimochi mo aru : ) pretty good. especially, 'the down town walking' and from SAMURAI to end. i recommend you one !!

  • I like sushi!!
    少し時代背景が古いかもしれない
    タイトルが素敵

  • 081226(n 090103)

  • 1991年に掲載された作品で少し古いのですが、大筋はアメリカの田舎から、侍と忍者が大好きな、かなりの日本贔屓な青年が4週間の日本観光をするなかで、忍者や隠密、侍の様な体験をしつつトラブルにも巻き込まれていく話です。
    さすがに清水義範さんの作品だけあってユーモアたっぷり、しかしその中にしっかりと客観的に見た日本と、日本人から見た日本ををうまくミックスしていて楽しめました。

    ただ、話の内容が多くこのページ数では消化できていない感じがしてしまいました。
    これは、作品に対しての批判ではなく、せっかく面白い展開を作っているのに、なにも大急ぎでストーリーを展開して結末まで持っていかなくてもと思ってしまいました。(特に後半)
    ま、もっと読みたいと感じた訳です。

    それなりに厚みのある文庫本ですが、テンポ良く読めるので、すぐに読み終えてしまいます。

  • 清水義範の作品は確かに全くおもしろくないものも中にはあるのだが、今作は見事と言っていいほどに秀作がない。

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著者プロフィール

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語学科卒業。1981年『昭和御前試合』でデビュー。1986年『蕎麦ときしめん』が話題となり、独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風により第62回中日文化賞受賞。『永遠のジャック&ベティ』『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『朦朧戦記』等著書多数。また西原理恵子との共著として『おもしろくても理科』『どうころんでも社会科』『いやでも楽しめる算数』『はじめてわかる国語』などがある。

「2021年 『MONEY 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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