- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062631945
感想・レビュー・書評
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先崎学の初著である。上記テキストは19歳で書かれたものだ。文体が小田嶋隆とよく似ている。余談だがアルコール依存と鬱病まで似ている。
https://sessendo.hatenablog.jp/entry/2023/10/09/211305詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
将棋より才能ある文章力、おすすめです。
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棋士先崎18歳~21歳のエッセイ。先崎自身「あまりの恥ずかしさに読み返せなかった」といい、師匠の米永が前書きで「荒削りで欠点のみが見えてきてしまう」と苦言を呈する内容である。しかし、傲慢さ、他の棋士に向ける容赦ない視線、毒等、もうパツパツにはち切れんばかりで、若さがキラキラしている。今の適当に手を抜いたカスカスのエッセイとは大違いである。エッセイの全体的な出来・成熟度では、「フフフの歩」が一番だと思うが、刺激度・面白さは本書が一番である。昔の先崎は本当に凄い。
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飛行機嫌いの話がユーモラスで思わず笑ってしまった。
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先崎学という棋士の非常に軽妙なエッセイです。
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棋界随一の、上手くて楽しい文章なのですが、
表題はちょっと悲しいエピソード。
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子供の頃から「天才」と言われた先崎が、
後に七冠王という偉業を達成する羽生と一緒に写った写真があります。
<blockquote>忘れもしない。五年前の『将棋マガジン』に一葉の写真が載った。羽生善治四段と先崎学初段が並んで立っているだけの小さな写真だった。写真には副題がついていた。
<左は元天才?の先崎初段>
クエスチョンマークがなければ、僕は将棋をやめていただろう。</blockquote>
「元天才?」と書かれた先崎は、このときまだ16才。
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周りに比べたら、非常に強い棋士でしたが、
それでも、この若さで「天才」のレッテルが
外されてしまうところに、この世界の怖さがあります。
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天才は、その上を行く天才の出現で、
あっという間に後ろに追いやられてしまうのです。
<blockquote><左は元天才?の先崎初段>
僕はこの言葉を棋士をやめるまで忘れることはないだろう。羽生に恨みがあるわけではない。あのとき、僕が感じた感情は今の僕には微塵もない。<br>
<中略><br>
重ねて書く。あの一葉の写真は、生まれてはじめて味わう屈辱だった。そして僕のあたらしい人生の第一歩だった。やはり人生とは皮肉なものだと思わずにはいられない。</blockquote>
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