武田信玄(上) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062633284

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  • (2007.04.29読了)(2007.03.15購入)
    NHK大河ドラマ「風林火山」の主人公は、山本勘助ですが、山本勘助は、武田信玄の軍師ということです。
    但し、この本では、「信玄には山本勘助、板垣直方らの軍師がいたといわれるが、実体は徹底したワンマンであった。」(7頁)と「はじめに」で記すのみで、本文に山本勘助は登場しない。
    「常に百パーセントの勝利はありえない。そのような大勝の後は大敗の危険があり、60パーセントの勝ちを最上とする信玄は、冷静な現実主義者であった。」(8頁)
    戦闘が次から次と続いていくので、多少面白みにかける面がある。時には、引用文献の原文がそのまま挟み込まれてくるので、意味を読み取るのに往生することもある。
    「下天は夢か」「夢のまた夢」「乾坤の夢」「前田利家」「宮本武蔵」など、津本作品をそれなりに面白く読んだので、今回もそれなりに楽しむことにする。

    NHK大河ドラマ「風林火山」で、信虎が狩の獲物のいなくなった腹いせにそこに居合わせて女性を弓で射殺す場面が出てくる、この本でも、そのような言い伝えがあることが述べられている。
    また、晴信二十歳の時、海の口城を武田軍が攻めたが、容易に落ちなかったので、陣を引くことになり、晴信は、殿を申し出て、ゆっくり引き上げ、敵の油断を見越して、取って返し、信虎が落とせなかった城をやすやすと落としてしまう話も出ています。

    後半には、長尾景虎が出てきます。後の上杉謙信です。
    「景虎は上洛し、天皇に謁見したい。彼は日本の象徴である天皇を尊崇し、将軍の権威を回復しようと考えている。下克上に沸きかえっている戦国時代に、景虎の考えは古風であるといえたが、朱子学を学んだ彼は大義名分を守ることに終始した。」(226頁)
    わざわざ京都まで自分で出かける殿様も珍しい時代(1553年)に景虎は上洛し天皇に拝謁している。
    信玄と謙信は川中島で何度も戦っているが、上巻は1558年までで終わっている。

    ☆津本陽さんの本(既読)
    「宮本武蔵」津本陽著、文春文庫、1989.02.10
    「下天は夢か 一」津本陽著、講談社文庫、1992.06.15
    「下天は夢か 信長私記」津本陽著、新潮文庫、1994.09.01
    「夢のまた夢 一」津本陽著、文春文庫、1996.01.10
    「前田利家(上)」津本陽著、講談社文庫、1997.09.15
    「加賀百万石」津本陽著、講談社文庫、1999.09.15
    「乾坤の夢(上)」津本陽著、文春文庫、1999.12.10

    著者 津本 陽
    1929年 和歌山市生まれ
    東北大学法学部卒業
    1978年 『深重の海』で直木賞受賞
    1995年 『夢のまた夢』で吉川英治文学賞受賞
    (2007年5月8日・記)

    ☆関連図書(既読)
    「風林火山」井上靖著、新潮文庫、1958.12.05
    「甲陽軍鑑」佐藤正英著、ちくま学芸文庫、2006.12.10
    「山本勘助」平山優著、講談社現代新書、2006.12.20

    (「BOOK」データベースより)amazon
    武田騎馬軍団の比類なき実力と信玄の決断―。嫡子である自分を疎んじて弟信繁を寵愛する父信虎を駿河に追放したのは、信玄二十一歳の時。妹婿の諏訪頼重を滅ぼし、信濃経略の目途をつけた信玄に、やがて、宿命のライバル上杉謙信が決戦を挑んでくる。武田三代の栄枯盛衰を、圧倒的迫力で描く歴史長篇。

  • 4

  • 四国地方などを舞台とした作品です。

  • 【上】2007.7.15~27読了
    【中】2007.7.28~8.11読了
    【下】2007.8.11~19読了

  • 史実に忠実。

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著者プロフィール

1929年和歌山県生まれ。東北大学法学部卒業。78年に『深重の海』で直木賞受賞。その後、織田信長を描いた『下天は夢か』がベストセラーになる。95年『夢のまた夢』で吉川英治文学賞、2005年菊池寛賞受賞。1997年に紫綬褒章を、2003年には旭日小綬章を受章。剣道三段、抜刀道五段で武術全般に造詣深く、剣豪小説をはじめとして多くの武道小説を執筆。2018年5月26日逝去。著書に『明治撃剣会』『柳生兵庫助』『薩南示現流』『雑賀六字の城』『修羅の剣』『大わらんじの男』『龍馬』など多数。

「2022年 『深淵の色は 佐川幸義伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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