冤罪のつくり方: 大分・女子短大生殺人事件 (講談社文庫 こ 26-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062634113

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  • あまりにひどいDNA鑑定が行われて、そのひどさがたまたま客観的に明らかな事実に表れていたからはっきり冤罪(控訴審で一審破棄・無罪・確定)分かったけど…。それがなければ、と思うと、とっても怖い。
    一審で被告人は、第12回公判で「思い込み自白」から否認に一転。正直、決定的な証拠がなければ、「普通、本当にやってないのであればもっと早くに否認するのでは」と思いかねない。この本で、そうとは言えないんだということがよくわかった。
    杜撰すぎる鑑定以外も、この人を犯人に絞り込んでいった過程はひどいとしか言いようがない。筆者は、鑑定書を読みながら何度も怒鳴りつけたいほどの怒りを感じたそうだが(ふざけろ!かな?)、同感。この事件ではたまたま捏造と明らかな点があったものの。専門的なところは本当に、ちゃんとやってもらうしかない。そして裁判所としては、真っさらな気持ちで事件に取り組み、おかしいと思ったところがあれば素直に向き合うという姿勢を維持していくしかない。

  • もしもアナタが事件当夜、深酒をしてある一部分の時間帯の記憶だけがまったくないとして。アナタは元来まじめで感受性も豊かである。論理的思考にも長けている。曲がったことは嫌いだ。人の話はよく聞く。まったく善良な市民だ。ただそんなアナタにとって記憶がないというミスは致命的だった。もしもアナタが絶対に「やってない。」のにやってない理由に確証が持てず「やってないかもしれない。」と不安げになりはじめて。「それならば、やったことになるかもしれない。」と一度でもその場から何とか逃げたくて。逃げたくて。つい。。無実の人間が嘘の自白をするなんてこの世にありえることなんだろうか。と。多くの人はそう思っている。やってない。のだから、正々堂々と胸を張って。と言いたがる。それは本人が弱いからだと第三者は口を揃える。だが世の中そんなに甘くない。ほんとうに人は鬼になる。自分が可愛くて可愛くてしかたがないのだから。そんな輩たちに負けないように正しい見識を身につけたい方はぜひ。

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