ワイルド・スワン(中) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062638135

感想・レビュー・書評

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  • 上巻に記載

  • 面白かった。
    日本では考えられないような過酷な人生。
    それでいて、前向きな主人公には、励まされる。
    みんなに読んでほしい。

  • 凄まじい事実に本を読んでいるにも関わらず目線をそらしてしまうほどの内容だった。
    人は、ここまで自然と残虐になれるのか、大衆の心をコントロールし暴動へと誘導する独裁者。
    あらゆる好奇心とそれを満たす活動を制御され、全てを暴動へとぶつけて行く若者達。
    更には、人への妬み恨みを抱え、人を陥れる事を今か今かと狙っているもの達。
    信じて尽くして来たものから、ある日突然裏切られ迫害される恐怖。
    全てが鮮明に描写され、その時代(私が生まれる約20年前)の中国の恐怖をまざまざと見せつけられた。

    今、上海で生活している身としては、たった40年弱でここまで変化した事に驚きを隠せなかった。

  • 文革の勉強をしたくて読み始めたけど、色々知らなかったことも多くて勉強になる。

  • 著者のユン・チアンとは年齢が一つしか違わない。
    本来なら恋を語り、夢を語り、夢見る頃、青春時代を過ごしたのだろう。
    当時文化大革命という言葉は聞いていたけど、どこか遠い国の話で、それが、私が幸せで平和な青春を過ごしていたころのことだとは、初めてこの本を手にしたころまで知りもしなかった。
    初めて単行本を読んだとき、かなりショックを受けたけれど、改めてもう一度読んでみて、なんとも言えない気持ちになった。
    人はあれほどまでに残酷で残虐になれるものだろうか・・
    たった一人の言葉によって、いともたやすく隣人を身内を上司を、教師を罵倒したり、暴力をふるったり、死にまで貶めるほどの行為をできるものだろうか・・
    伝染病のように国全体に広がっていく、信じられない狂気の世界。

    しみじみ思うことは、同じ世代に生まれながら、生まれた地が日本でよかったと思うこと。

  • 読了

    内容(「BOOK」データベースより)
    革命後の動揺がおさまらない中国で毛沢東は共産党員の過去をさぐる。国民党との関係で嫌疑をかけられる母。著者たち兄弟は保育施設に送られてしまう。想像を絶する迫害の日々―ついに逮捕された父は精神に異常をきたす。なんとしても夫を救いたい!母は周恩来首相に直訴すべく、北京行きの列車に乗る。

  • ロンドン在住の中国人女性ユン・チアン(張戎)。
    清代末期に、軍閥将軍の妾として嫁いだ彼女の祖母、
    国民党・共産党の激動の時代を生き抜いた彼女の母、
    そして、多感な時期を文革の時代で過ごした筆者。
    女三代の中国人の生活を通して、20世紀の中国の
    実情をありのままに描いたノンフィクション大作。

    もともと、この本の存在は知っていて、中国に
    来たならば、読んでおかなきゃなと思っていたところ、
    2007年に新しい筆者の巻頭辞が追加された
    改訂新版が発行されて、平積みになっていたので、
    買ってあったもの。

    中国に来てから、中国を知るための本はいろいろ
    読んだけど、一番胸に来たのはこの本。
    歴史書で深く書かれない内容まで、身の回りの
    出来事として赤裸々に描かれている。

    でも、十何億って言う中国人民はそんな時代を乗り越えて
    生きているんだよね。80以後世代は別として。

    毛沢東が(共産党が?)当初に掲げた理想と
    今の中国の実情とのギャップを考えると、
    今なお毛沢東を崇拝し、今の指導部も彼の後継としての
    位置づけになっていることに違和感を禁じえないね。

    筆者が生まれ育ち、その母が今も暮らすのが、
    四川大地震の被害のあった四川省成都。
    被害を伝える映像、救助隊の進む映像を目の当たりにし、
    筆者の両親が共産党の職員として、四川省内を
    駆けずり回っていた頃の苦労も偲ばれます。

    http://teddy.blog.so-net.ne.jp/2008-05-18

  • 個人的には特に女子にオススメします。
    この内容がノンフィクションっていうのがすごい...。

    中国。
    とても近くて、だけどあまり知らなかったこの国の激動と変遷を、
    市民の目から知ることができたように思います。

    自分が生まれてからのほほんと日本で過ごしていた時期に、
    こんなすごい歴史的変化があったとは...。
    最近過ぎて教科書で習わなかったから知らなかったけれど、
    中国という国について、非常に興味を持った一冊です。

    またそんな状況の中、生き抜いた作者とその家族の歴史を知り
    自分の悩みなんて小さくてどうでもいいと思えて、ふっきれた、
    そんな本でした。

    オススメです。

  • 私がノンフィクションに嵌まったシリーズ。引き込まれる作品で、文化大革命前の中国が目に浮かぶ作品。

  • 革命後の動揺がおさまらない中国で、毛沢東は自らの権威を維持するために共産党員の過去をさぐり始める。その魔の手が著者一家にも迫ってきた。
    文化大革命の発動により、父と母は想像を絶する迫害に遭い続ける。

    あまり表立って知られることのない文革期の中国の様子が実に克明に描き出されている。
    文革期のさなか著者の父は逮捕されてしまうが、いわれのない罪を押し付けられても最後まで屈しなかった彼の生き様に、戦慄にも似た感動を覚えた。
    紅衛兵として活動していた著者の心がとまどう様子も細かく描かれ、この時代に生きた人間がいかに過酷な状況にあったかを物語っている。

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著者プロフィール

1952年、中華人民共和国四川省生まれ。文化大革命が吹き荒れた1960年代、14歳で紅衛兵を経験後、農村に下放されて農民として働く。以後は「はだしの医者」、鋳造工、電気工を経て四川大学英文科の学生となり、苦学ののちに講師となる。1978年にイギリスへ留学、ヨーク大学から奨学金を経て勉強を続け、1982年に言語学の博士号を取得。一族の人生を克明に描くことで激動期の中国を活写した『ワイルド・スワン』『真説 毛沢東』(ともに講談社)など、彼女の著書は世界40ヵ国に翻訳され、累計1500万部の大ベストセラーになっている。なお、上記の2作はいずれも中国国内では出版が禁止されている。

「2018年 『西太后秘録 下 近代中国の創始者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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