義民が駆ける (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 202
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062639316

感想・レビュー・書評

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  • 「天保一揆」を題材にした歴史小説。
    久しぶりの再読は途中2回落涙しながら一気に。
    「一揆起こして江戸さ訴えるとなっど、先ず牢屋さ入らえる。下手すっど殺されっがも知ねぞ。あんた方さ、その覚悟はあっがの?(p82)」
    「赤川の土堤が見えてきた頃、駕籠の後から走る農民の数は、数百人の黒々とした帯になっていた(p349)」
    200年前の荘内“義民”たちが公儀決定を覆した快挙に、今、その知恵と勇気と連帯を見倣わねばと思った。

  • R2.1.14~2.8

    (あらすじ)
    江戸幕府から突然命じられた三方国替え。越後長岡への転封を強いられた藩主を守ろうと、庄内藩の百姓たちは越訴のため黙々と江戸を目指す。「誰レ為ニ百姓ニ不レ仕ニ二君一」を旗印に深山に分け入り間道を伝って歩き続ける領民たちの相貌と彼らを衝き動かした情動を精緻に描く傑作歴史長編。

    (感想)
    再読。
    理不尽な三方国替えに対する、庄内藩お歴々の同様と策謀。そして彼らの想定外の百姓の勝手行動。
    百姓の行動は、藩にとってプラスに働きつつも、放置することが必ずしも良作とも考えられず、手綱の引き加減に苦労する重臣たちの四苦八苦が面白い。
    そして、著者は百姓たちを「義民」とタイトルしながらも、制御が効かないさま、その内面を不気味に描く。
    なかなかの良作だが、もう少し読みやすいと嬉しい。

  • 2018.7.2(月)¥250(-2割引き)+税。
    2018.8.30(木)。

  • いつもの藤沢作品とは違って、百姓全体が主人公。お国訛りがリアリティがあるのと、水野忠邦と周辺、各藩の見えないところでの政治の駆け引きも読みどころ。

  • おもしろかったぁ。

  • 天保時代に庄内藩で藩主・酒井家の長岡藩への国替えに反対して立ち上がった百姓たち。義民として有名な物語とのことで、特に主人公はいないものの、仕掛けた老中・水野忠邦を始め、実に多くの人物が登場し、時代そのものが主人公と言う感じ。それだけに名前を理解するのが大変であるが、時代の雰囲気は良く分かる。それが現代の賄賂政治に繋がる話であることは読み終わって思い当たる。正義がない決定は幕府の命令であっても脆いということが、呆気ない結末を通しても感じました。

  • 地味な題材でも読ませるなぁ。

  • 百姓の強さ

  • 三方国替えという形で突然越後長岡への転封を命じられた庄内藩の藩主・家老・商人・農民が自分の藩・生活を守ろうとする、実際にあった天保義民事件を題材にした小説です。「義民」をタイトルにしていますが、善政をしいているおら達の殿様のために一肌脱ぐ、という単純なストーリーではありません。色々な立場の人間がそれぞれ自分たちの立場・利益を考えて、ある者は自主的にある者は追いつめられて行動していき、それが交錯して大きな流れになっていきます。
    用心棒シリーズが予想と違って江戸の話だったので急遽山形旅行の途中で購入して読みました。庄内のことも書かれていて楽しめました。

  • 山形などを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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