自分を消した男 (講談社文庫 は 29-6)

著者 : デイヴィッド・ハンドラー 北沢あかね

• 講談社 (1999年5月1日発売)

感想・レビュー・書評

[シキモリさんの感想 · 2023年1月13日]

元売れっ子作家のゴーストライターとその愛犬が探偵役を務める＜ホーギー＆ルル＞シリーズの第六作目。テレビ業界を舞台に、暴君と名高きコメディアンの周囲で怪事件が勃発するという粗筋。ウィットに富んだ台詞回しや立体的なキャラクター造詣は目を見張るが、著者自身も携わるTVドラマの話だからか、悪い方に筆が乗ってしまった様子。脚本会議の様子をここまで仔細に描かずともよかろうに。終盤までエピソードを積み上げた挙句、このラストは少々頂けない。不満を述べたが、ブックオフで見かけたらつい手に取ってしまいそうなシリーズではある。

[ホーギーさんの感想 · 2018年11月11日]

TV界のコメディスターであるライルの自伝を執筆を依頼されたホーギーとその相棒ルル．ライルは映画館で淫らな行為を働いたとして逮捕され，番組の存続も危機的状況だった．
ライルは，自分は嵌められたと主張し，スタッフの中に犯人がいると話している．横暴なライルに嫌気がさしながらも，情を集めるホーギーの前に，またしても殺人事件が起こる．
ホーギー＆ルルシリーズでは，毎回名士が登場するが，今回のライルは本当に嫌な奴で，読んでいて胸糞が悪くなった．ホーギーとメリリーの今後に注目．

[ひゅうさんの感想 · 2016年1月12日]

ホーギーシリーズ。
前作を読んでないのだけれど、ホーギーの言葉がオシャレすぎてテンションあがる。つっけんどんなんだけど、かっこいい。
今回の話はテレビ業界のことらしいけれど、あんまりそこには興味なし。ただ、登場人物がみんなアクが強くて、なにがなんだかわからないくらい人だらけ。
一応推理小説の体をなしているとは思うけれど、そこらへんもあんまり深く考えなかった。ときどきヒントがいろいろでてくるのと、ホーギーが、読者がしらないことを言い出すのとで、あまりフェアではないけれど、そんなことはどうでもよかった。ただただホーギーがひたすらかっこいい。

[schazzieさんの感想 · 2011年5月9日]

登場人物が多過ぎ、冗長で無駄に長い。展開が単純で謎解きもがっかり。精神疾患と麻薬の話は、夢オチ同様何でもありだからつまらない。

[穂波さんの感想 · 2009年8月8日]

このタイトルはいかがなものかという気がしないではないですが。今回の依頼人はコメディドラマ界の大スター。「彼を知ってるやつはみんな大嫌いさ。機会均等にいやなやつだから」という相手。---------------------------------------------「現実をよく見ろよ。俺はテレビでいちばん笑える男なんだぜ」「本人が言うなら」彼があの怖い顔で僕を見た。「よし、それじゃもっと笑えるのは誰だ？」「政治家は勘定に入れてるか？」----------------------------------------------相変わらずホーギーはホーギー。そこそこ、この依頼人の信頼を受けます。事件は片がつきますが、メリリーとの関係の悪化は決定的なものに。電話で話す二人。---------------------------------------------「もう私のそばにはいないの、ホーギー？」彼女が静かに尋ねた。「もう同じ局番内にもいないよ、メリリー」----------------------------------------------相変わらずこじゃれたセリフを吐くなぁ。こんなん言われたら、別れ話の最中だろうが、ぷっとふきだします。

[appleさんの感想 · 2009年1月24日]

ホーギーシリーズの中ではいちばん気に入ってない作品。主人公のライルがあんまり魅力的じゃないんだよね。あと、登場人物が多くて薄い。いつも登場人物は少なくはないけど、キャラが立ってて書き分けられているというかちゃんとわかるのに、この作品は最後までテレビスタッフがどーも混乱して覚えられなかった。