- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062648349
作品紹介・あらすじ
廃墟と化した雁国の復興に励む延王・尚隆と延麒。幼い頃に出会った更夜の来訪になつかしさで一杯の延麒は、実は仕組まれた罠であることを疑いもしなかった。争いごとや殺傷を忌み嫌う麒麟を人質にとられ、雁国は怒濤の騒乱にまきこまれてゆくが-。華麗なる筆致で運命の力を謳いあげる大スペクタクル。
感想・レビュー・書評
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昔の友人がきて上手い話をしても壺を買っちゃいけないよ。
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再読。
前2作と比べて熱血&男臭さが滲む作品。
尚隆と六太の会話にこそばゆさが感じられるがギリ我慢の許容範囲。
幽閉シーンに作者のダーク面が顔を見せてニヤリとしてしまう。
以前に「聞けわだつみの声」を「聞けわだみつおの声」と誤植されているのを見てから自然と“わだつみ”を“わだみつお”に変換してしまうのは別のお話。 -
十二国記シリーズの第3作。
悪政の限りを尽くした前王の死後、長い間"新王不在”であった「雁国」。荒廃と化したそこへ、延麒・六太は延王・尚隆を迎えた。その後20年の年月を経て、国は少しづつ復興を遂げていた。
そこへ謀反を企む元州の州候の指示により、六太は誘拐され人質になってしまう。元州対王師、その戦いの行方は――。
テーマは「人の上に立つ者の在り方」。国と、それを統べる者の存在、そこに住む民。現代においても普遍的なテーマであり、思わず重ねてしまう方も多いはず。
口の悪い延麒・六太と、前々作・前作でも破天荒キャラとして際立っていた延王・尚隆。口では互いにいがみ合いながらも、堅い絆で結ばれている2人の関係はシリーズのなかでも特に好きです。
このシリーズ、読み出したら止まらない。さ、続き読もう。 -
もう何回読んだか分からない十二国記シリーズ③!
後半の展開は読んでてスカッとする。シリーズ中では一番、王道な展開かもしれない。延王・尚隆の愚帝賢帝っぷりといい、斡油の堕ちっぷりといい(笑)
****駄文****
そーいえば、昔こんな話を聞いたことがある。
<良い会社の社長は、駄目な社長であるケースもある>
……要するに、トップの駄目っぷりを目の当たりにすると、周囲が頑張るから会社としては良い動きをするらしい。まさに雁。
人を上手く動かすには、求心力・魅力、そして自分がいかに有能ではないかを周りに示すことなのだろうなー。 -
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
雁(えん)の国、延王と延麒のお話。
王はいったい誰の何のためにあるのか。民不在の王に何の意味があるのか。国を治めるということの本質を理解できる王の存在の大切さ。なかなかに深いお話でした。
そして…「月の影影の海(下)」に初めて登場し、「風の海迷宮の岸」のちょっとだけ登場した延王尚隆。おそらく私の大好きな登場人物になるに違いないとの直感どおりでした。 -
2021年5月24日
再読。
尚隆の大らかさ、好きだなぁ。
勝手気儘に見えるけど、実は実態調査して作戦計画が意表を突いた。莫迦をまとって地を固めていくなかなかの策士。
あつゆの性格は民が信頼したり、破綻したり。自分は負けられない、負けを認めない、人の失敗にする、そしてものすごく口がうまい。 -
このシリーズは登場人物の名前も役職も、地名も全部馴染みがない漢字や読み方ですが、本作は馴染みある言葉が出てきます。
5章の5、私的感動ポイント。
小松尚隆、ダントツで大好き。
巻末の雁史邦書も感慨深く読みました。
小野不由美さんて本当にすごい書き手だと改めて思いました。