- Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062649704
作品紹介・あらすじ
超豪華執筆陣が一堂に会した、珠玉の中国歴史小説十一篇を収録。いずれ劣らぬ名手の競演。項羽と劉邦、楚の馬殷、武帝の臣、歴史を薬籠中のものとする手練の妙を心ゆくまでお楽しみください。
感想・レビュー・書評
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全1巻
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【ネタバレ】どれも一癖ある奇作揃いだが、やはり白眉は「西施と東施」。物語の大筋は他の方がもう書いてらっしゃるので、ラスト一文についてだけ。主人公こと「お婆ちゃん」の嫁ぎ先の姓に、作者はなぜ「北艘」を選んだのか。方位つながりもあるだろうが、艘の字を「叟」に置き換えると「北叟笑む」という言葉が浮かび上がる。この「北叟」とは「塞翁が馬」の塞翁であり、この故事こそが「北叟笑む」の語源だ。作者は塞爺さんや北艘婆さんにしかできない笑いを笑わせることで、たった一文に彼らの人生そのものを匂わせた。圧巻。
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中国のいろんな時代のいろんな人について、日本の作家が書いた短編。
どれも愛が感じられて面白かったです。
「指」「潔癖」「茶王一代記」「西施と東施」が好き。 -
短編集では見知らぬ作家に出会えるのが楽しい。この短編集では田中芳樹、東郷隆、伴野朗は本を見つけたら買おうと思った。とくに東郷隆の描く上海は異色。こういう作家はどんどん減っていく。2009/8/15 90B @ Elite Used Books
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異色ってつかなくてもよかったような
キラリと光る話もあります
田中氏の選んだ話は面白かったので★4つ -
歴史小説を読んでいる方ならよく知っている小説家が、様々な中国の歴史上の人物を書いている。<br>
特に心惹かれたのが、田中芳樹が書いた「茶王一代記」である。自分はこの作品を読むまで、この作品の主人公・馬殷という人物を知らなかった。この作品において、馬殷は自分の好きな茶を使って、国を成したという奇妙ともいえる政策、爽やかさを感じる性格を知る事が出来た。<br>
こうした小説を通して、自分の知らない人物に興味を持てるのは大変貴重な体験である。読んでみて、何がしか好きな作品に出会えるものと思う。 -
珍しい短編集。個人的には「東施と西施」と「茶王一代記」かな?比較的面白い方です。
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数名の中国物書きが結集した短編集。オススメは「曹操と曹丕」。中国歴史小説好きにはたまらないかと。