地震は妖怪騙された学者たち (講談社+α新書 31-1C)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062720304

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  • ”妖怪”といっても、アニメに出てくるようなものではない。
    地震の原理的な説明をサラッとした上で、地震の観測や地震にまつわるエピソードを紹介している。
    ”妖怪”は目に見えず、他の科学分野と異なり実験も本物にははるかに及ばない”地震”であり、それに振り回され、惑わされつつ観測・研究する地震学者たちの苦労話の数々。
    49から50ページあたりで福島県沖の震源域について触れられていて、これまで巨大地震では無く、中程度の地震が多発してプレートのエネルギーをガス抜き分散させているという話が合る。311のエネルギーはもしかするとガス抜きなどでは追いつかないほど蓄積する器があったからなのかもしれない。2000年の著作なので、最新の見解はどんなもんだろうか。

  • [ 内容 ]
    人類は何をするかわからない。
    人間社会に被害があったら困るものだから地震についても調べているらしいが、地震のメカニズムを解明するだけではなくて、あわよくば、地震の制御や大地震の人工的な分散までも考えかねまい。
    こういった自然の制御は、生きている地球にとっては息の根を止められかねない重大な事態なのだ。
    かくて地球は、ニセのシッポをつぎづきに繰り出すばかりではなくて、地震の妖怪や火山の妖怪はもちろん、すべての妖怪をそそのかして、地球物理学者に正体を暴かれまいと、悪あがきをすることになった。
    本書は「妖怪」と「騙し」だらけの観がある。
    それは「さまざまな妖怪」と科学者の終わらない戦いを描いたからなのである。

    [ 目次 ]
    第1章 あざ笑う地震妖怪
    第2章 再び妖怪退治の夢
    第3章 地底の妖怪
    第4章 妖怪はシッポをつかませない
    第5章 騙された地震学者
    第6章 地震妖怪の置きみやげ

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著者プロフィール

1941年東京生まれ。東京大学理学部卒。同大学院修了。
理学博士。東大助手、北海道大学助教授、北大教授、CCSS(人工地震の国際学会)会長、北大海底地震観測施設長、北大浦河地震観測所長、北大えりも地殻変動観測所長、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所長を経て、武蔵野学院大学特任教授。ポーランド科学アカデミー外国人会員(終身)。
自ら開発した海底地震計の観測での航海は、地球ほぼ12周分になる。趣味は1930-1950年代のカメラ、アフリカの民族仮面の収集、中古車の修理、テニスなど。

「2016年 『富士山大爆発のすべて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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