アスペルガー症候群と学習障害-ここまでわかった子どもの心と脳 (講談社+α新書)
- 講談社 (2002年8月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062721509
作品紹介・あらすじ
いちばん注目されているアスペルガー症候群と学習障害は、どのような症状を示すのか。自閉症やADHDとは何が同じで、何が違うのか。最新医学が解明する。
感想・レビュー・書評
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てはまる。子どもといえども、心の働きは極めて複雑で、捉えることは難しい。そんな子どもの心と脳について、現時点(2003年現在)で解明されていることを解説したのが本書だ。発達障害児の医療に携わる小児科医が分かりやすく説いている。
まず、第1章では子どもの心の発達を評価・判定していくスケールを紹介する。幼児を持つ親であれば、わが子の成長と比較してみたくなるだろう。人間の知能がいかに高度で複雑であるかは、多重知能とワーキングメモリーについて解説した第2章で認識させられるに違いない。第3章では近年注目されているアスペルガー症候群について詳述。自閉症やADHDとの違い、アスペルガー症候群の診断基準などを具体的に示している。続く第4章では学習障害と脳の回路について、また、終章では子どもの心の障害について解説している。
専門的な医学や脳科学の知識、情報などを盛り込んでいるが、全編にわたり平易な言葉で表現しているので、構えることなく気軽に読み進めることができる。ただし、アスペルガー症候群などの理解は、専門家にとっても難しいという。子どもの心の問題を考えていくうえで、ひとつの道標ともなり得る1冊といえる。(清水英孝)
内容紹介
気づかれずに増えている「健康だけど何か変」な子!!
いちばん注目されているアスペルガー症候群と学習障害は、どのような症状を示すのか。自閉症やADHD(注意欠陥多動性障害)とは何が同じで、何が違うのか。最新医学が解明する!!
●赤ちゃんの精神発達の評価法
●からだは健康、でも何か変?
●何を見のがしてきたか
●言葉と知能の発達のずれ
●自閉症とアスペルガー症候群
●うちの子ができないはずはない
●最初に微細脳障害があった
●読めない子どもたち、失読症
●脳科学の役割と期待
子どもの心の問題は、いっしょに暮らしている親、子どもの発達を見守っている小児科医や、保育、教育の専門家にも気づかれずに、密やかに子どもの心のなかで育っていっているように思われる。心の問題の理解がむずかしいいちばん大きな理由は、子どもといえども心のはたらきがきわめて複雑なことだ。心をはかるために、さまざまな発達の指標や心理テストが開発されてきたが、子どもの脳にはそうした方法ではとらえきれない高次機能があることが明らかになってきた。本書の前半では、そうした心の複雑さと素晴らしさについて解説した。後半では、子どもの心の問題のなかでもっとも注目されていながら、専門家にとってもその理解がむずかしいアスペルガー症候群と学習障害について概説した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
裏表紙より
赤ちゃんの精神発達の評価法
体は健康、でも何か変?
何を見逃してきたか
ことばと知能の発達のずれ
自閉症とアスペルガー症候群
アスペルガー症候群の診断
うちの子ができないはずはない
最初に微細脳障害があった
読めない子供たち、失読症
脳科学の役割と期待 -
現在とは少し認識が違うかな?と思う所もあったので、この10年の間にこのジャンルの研究や認識が発展しているスピードを感じました。
研鑽しつづけなければいけませんね。
後半は結構ノートをとりました。
ありがとうございました。 -
子どもの抱える「心の問題」とはどのようなものであるのか、ということについて、小児科医が解説したもの。
前半は発達心理学の概論といった感じで、「心の理論」とか「愛着形成」などの話が解説されている。後半になって、「アスペルガー症候群」と診断されるものや、「学習障害」と診断されるものについて、どのような症状がみられるのかといったことが解説されている。
実際、こういった障害は以前からあったけれども、原因がよく分からず、また障害と診断する基準もあいまいで、分類の仕方も定まっていなかったので、注目されなかったが、近年その辺が整理されてきて、一見「心の問題が増えている」ように感じられるだけですよ、といったことだった。また、その原因も脳のある部分の発達の仕方であり、社会や環境のせいにするのも変ですよ、といったことも書いてあった。これらの障害についての基礎的な解説にとどまるもので、どちらかと言うと対処法を期待して読んだが、そこまで踏み込んだものではなかった。それにしても、「失音楽症」というのがあるのは知らなかった。(13/05/18) -
臨床的な面より学術的な面の強い新書。
アスペルガー症候群および学習障害についてより、どっちかというと
日本は古来から子どもを可愛がる教育をしていたとか
赤ん坊がどうやって心を発達させるとか
人間とサルの違いを進化論的な立場から説明したり
脳の問題の捉え方はぶっちゃけよく分かっていない
心の問題の増加は本当かどうか
などなど、学者の研究がよく分かりました。 -
いちばん注目されているアスペルガー症候群と学習障害は、どのような症状を示すのか。自閉症やADHDとは何が同じで、何が違うのか。最新医学が解明する。
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アスペルガーに関する書籍は何冊も読んでいるが、新しく出てくる本にはそれなりに新しい記述もあってついつい買ってしまう。
今回はアスペルガーの子どもとの対応に関する部分で参考になるところがあった。 -
前に読んだ本に比べるとインパクトに欠けた。
やはり、こういう分野は、具体例があった方がわかりよいし、、どのように対処をすればこういう障害を持つ人によりよいか、を考えなくてはならないと思う。
この本で一番言いたいのは、他人がどのように考えているかを知る能力(「心の理論」)が、ソーシャルスキルの土台となっていて、ソーシャルスキルを改善していくためには周りの理解と協力が必要・・・ということだが、なんだかとってつけたような印象を受けた。
参考文献がどれも10年以上前のものであることを考えると仕方ないか。
それだけ、まだまだ新しい問題であることが再認識された。 -
[ 内容 ]
いちばん注目されているアスペルガー症候群と学習障害は、どのような症状を示すのか。
自閉症やADHDとは何が同じで、何が違うのか。
最新医学が解明する。
[ 目次 ]
序章 大事にすればいい子に育つ?
第1章 子どもの心の発達は何でわかるか
第2章 多重知能とワーキングメモリー
第3章 まれではないアスペルガー症候群
第4章 学習障害と脳の回路
終章 子どもの心の障害と現代社会
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
最近の新しい障害と言われるヤツについての本です。
知っているといいと思いますよ。