国家情報戦略 (講談社+α新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062724456

作品紹介・あらすじ

核、北朝鮮、日本の2010年は?日韓インテリジェンスの第一人者が激突!北朝鮮の工作は陸軍中野学校の模倣だった!?日本人の情報DNAを呼び覚ます超問題作。

感想・レビュー・書評

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  • 生き残るために、他国の選挙など情報を操作して政治を自分のままに維持できる事がすごい。

    日本は、偉い人に頼る文化があったり、良い能力を持っていても活かしていないことが悔やまれる

  • "約15年程前に書かれた本。
    この手の本は、古い本を読んでもあまり得られるものはないと思っていたが、父親に譲ってもらった本ということもあり、読んでみた。

    なかなか自分の知らない世界のことが書いてあり面白く、また、その未来である今読むことで答え合わせ的なこともしながら読んだ。

    日本人には、「こういう国家情報(インテリジェンス)は大切だけれど、エライ人が頑張ればいい、あまり自分には関係ない、自分の生活に関わってこないし」という人、未だに多いんじゃなかろうか。"

  • 日韓それぞれで"国策捜査"というキーワードで繋がった同志でのインテリジェンス対話。
    外務官僚と軍人というルーツの違いはあれど、インテリジェンスに関して深みを感じました。

  • 瀬島龍三は韓国経済の恩人で、1965年に朴大統領が行った経済政策で韓国経済は息を吹き返すが、瀬島のアドバイスがあったゆえ。戦時中関東軍の一員だった朴は、軍隊の先輩である瀬島に相談した。

    諜報衛星やU2偵察機は、金正日の息の音まで感知できるらしい。
    ロシアは、北朝鮮の黄海道に特殊レーダー基地と通信傍受基地を運用している。
    NSAは特定の人の声を録音しておいて、該当者が通信を利用した瞬間傍受できる。
    KCIAは金大中を瀬戸内海で沈めて殺す計画だったが、事前に察知したCIAが日本の公安当局に緊急連絡し、同時にKCIAに対しても、殺害しないよう強く警告した。同時に、自衛隊の戦闘機をスクランブル発進させ、船に対して威嚇飛行。当初アメリカ軍機を使ったと言われていたが、実は自衛隊の戦闘機。

    2007年、東京にあったユニバース・トレーディングという北朝鮮系商社による拉致・殺害事件。

    1994年、CIAの高官エイムズがロシアのスパイだった事件が発覚。
    ムハマド・カンスという名前の韓国系が韓国でスパイで告発されたが、恩赦で釈放された後大学教授に再任用される。

    陸軍中野学校出身者が北朝鮮にいた。
    金正日は部下を褒めるとき「お前は本物の中野だ」と褒めた。
    吉田茂が陸軍憲兵隊に逮捕される事件があるが、これにも陸軍中野学校が関与しているよう。
    ロシア戦争時に活躍した明石大佐について、ドイツのウィルヘルム2世は「明石は20万人の兵力に匹敵する」と賛辞を送っている。

    北方領土や沖縄返還で活躍した末次一郎は中野学校出身だが、本名ではない。油山事件に関与したため、雲隠れしていた。

    戦時中スペインに「須磨機関」があって、ワシントンに残っていた日本の諜報組織をスペイン大使館で運用してもらっていた。

    国際社会では「元首は決して嘘をつかない」という掟がある。
    どみとりー・ヤゾフというソ連の元帥は金イルソンや正日と親しかった。その側近にプリコフスキーという人物がいる。日本はこのプリコフスキーがキーパーソンであると勘違いし、2003年に小泉首相がモスクワを訪れた際、外務省はわざわざハバロフスクで小泉さんを降ろしてプリコフスキーに合せた。とんだ笑い物になったが、日本メディアは報道していない。

    現時点での六カ国協議の裏の目的は、日本の核武装化を防ぐこと。

  • 日韓インテリジェンスの第一人者が激突!
    北朝鮮の工作は陸軍中野学校の模倣だった!?
    日本人の情報DNAを呼び覚ます超問題作!

    (高)北朝鮮のやった拉致も、ことによると、陸軍中野学校のやり方を真似たものかもしれませんね。
    (佐藤)技法については共通するところがあります。いずれにしても、長期間かけて別の国の人間になりすましていくという考え方を持って、本格的な人員養成をしたのは、インテリジェンスの歴史でも陸軍中野学校が初めてだと思います。(略)しかし、陸軍中野学校はそのような卑劣な工作はしませんでした。技法の表面を似せても、陸軍中野学校と北朝鮮の工作機関では、その精神が違います。陸軍中野学校の場合、「謀略は誠なり」なので、相手国の無辜の国民を拉致するような工作はしません。それでは相手国の国民の心を日本がつかむことができないからです。

    ●フジテレビ秘密情報漏洩事件
    ●『シルミド』の世界
    ●金正日の息の音まで感知する能力
    ●「エシュロン」の正体
    ●CIAを凌駕する商社の情報力
    ●ハニートラップの上をいく手法
    ●世界中で活躍した日本の特務機関
    ●韓国大統領を決める北の工作
    ●6ヵ国協議の「裏の目的」
    ●核の帝国主義に克つ国家情報戦略

  • 佐藤氏の本はいつも面白いと思うんだけど、これは内容が浅くてつまらない。各民族のバックグラウンドからその民族固有の物語を読み解く部分が佐藤氏の本の魅力だと勝手に感じていた私はちょっとがっかり。

  • おもしろいけど、難しすぎて覚えられない。

  • 佐藤優さんと韓国で軍部の粛清で投獄された高さんの対談。面白い話がいろいろあって、プーチンのリクルートの話、スパイ採用の実際、スパイ防止のために「情報公務員法」、情報を誰かに教えていいか聞くサードパーティルールなど日本にも情報交流のガイドラインを、NSAやエシュロンの話、金大中拉致事件での日米協力、中野学校の話、北朝鮮の内情、六カ国協議の裏の目的が日本の核武装を防ぐことにあり、NPTを脱退したらウランが入らない日本は核武装できないってこと、でも中東から核ドミノが起きれば国際世論が変わって日本の核武装もありうるってことなど、勉強になった。

  • 007みたいな世界が現実でおきている。日本がどれだけ平和ボケしているか、思考が浅いか実感。

  • 元外務省局員の佐藤優氏と、韓国の元国防省在籍のコウ・ヨンチョル共著。
    共に各々の国の最前線でインテリジェンスのプロとして活躍し、その後、国家の罠に嵌められた。
    佐藤優・心酔時に手に取ったため聞き存ぜぬ対談相手に期待薄の一冊として読み始めたが、切れ者同士、同じ境遇の2人の対談が面白くない訳もなく、一気読み。
    アメリカの『エシュロン』の存在、北朝鮮の諜報活動の水準の高さ、六カ国協議について、等などを読んでいると平和ボケな日本に危機感を覚える。
    CIAやSIS、モサドなど様々な諜報機関が各国にあるが、少なくともこの本の中では日本は諜報機関もないスパイ天国だと世界中から思われているようなことが記されている。
    日本でそれにあたる公の機関は、外務省とか公安とか警察とか内閣の中などに分散されているが、「もしかしたら極秘にコワイ集団が組織されていたりするかもしれない」と思っていた考えを改めた。
    実はその逆なんじゃないか、つまり、日本の諜報機関のトップがスパイだったり・・・等とりとめもなく様々な憶測が生まれては消える。
    この一冊を読むと、改めて佐藤氏のような優秀な日本人が外務省を追われたことは残念でならない。
    こんなリアル本ばかり読んでいたら、もはや大好きだったミステリ小説は読めなくなってしまう。

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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