京都・同和「裏」行政──現役市会議員が見た「虚構」と「真実」 (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062724760

作品紹介・あらすじ

逆差別の「現場」発タブーなき再生論!終わったはずの「同和事業」に隠された深き闇。続発する市職員不祥事と迷走する同和行政。解放運動の総本山で今、何が起きているのか。

感想・レビュー・書評

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  • 色々考えさせられる

  • Tue, 03 Nov 2009

    非常に京都ローカルかもしれないが,
    現 門川市長が当選した前回市長選は,すんでのところで
    共産党候補が 当選しかかる という,意外な展開となった.
    共産党が強い京都は,共産 vs それ以外相乗り という形になるのだ.

    いくら,自民,民主が独自候補を立てることが基本路線といえども,京都市長選は,これからも例外だろう.

    さて,前回それほどまでに本命 門川現市長が苦戦したのは
    この男性が立候補したからである.

    若手市会議員 
    村山祥栄
     だ.
    無所属の若手議員として,曲がったことを許さず
    同和問題などを追求した.
    想像以上に無党派などの票が集まり,健闘したが為に
    非共産票が流れ,本命だった門川氏が苦戦したということだ.

    で,そんな村山前市議のやってきたvs 同和行政の一部始終をコンパクトにまとめたのがこの本である.
    まるで,ジャーナリストのように,京都市政のさまざまなタブー・病巣につっこんでいく,一部始終がドキュメンタリー的に書かれている.

    新聞などで事件の断片は知っていたが,
    こういう流れだったのか,と良くわかる.

    しかし,こういう向こう見ずというか,一本気な人が側にいると
    まわりはヒヤヒヤするんだろうなぁ.

    前から読みたいと思っていたが,そのままになっていたが,
    某友人が村山氏と会食したというので,「おお」と思い出し,改めて読んでみた次第である.

  •  タブー視されていた同和事業に果敢に切り込んでいく若手議員がその取り組みを分かりやすく本にしている。議員の行動のバックボーンとなる青年時代の体験も序盤に描かれていて、人間味が伝わってくる。著者の体温を感じるルポだった。
     同和事業に関する施設にアポなしで突入する著者の度胸はすごい。監視カメラで見張られていたり、「殺したったらええねん」などという言葉を浴びせられながらも、ひるむことなく突き進んでゆく。また、単に批判するだけではなく、具体的な改善案も提示している。こういう政治家を大事にしたいと思った。

  • アンタッチャブルな世界に踏み込んだ作品。
    内容に満足です。

  • 同和行政の過去の成果は成果として、現状の問題点は問題点としてしっかりと見据えたえで、今後どうすればよいのかということをしっかりと提言している。
    暴露本を単なる面白い読み物として読むだけでは何も生まれないということを痛感させられた。
    最近、原発問題等でごたごたしているようですが、若いのに立派!

  • 今までの同和行政の問題点が丹念に取材されていると思う。

    とはいえ、ちょっと宣伝本っぽいなぁ。。。

  • 集結したはずの同和行政がいまだに根深く残っていることを赤裸々にし、その完全終結に向けた処方箋を提示している。
    著者の現場に赴いての調査能力と洞察力には感服する。こういう地方議員が増えてほしいものである。
    同和問題は難しい問題であるが、おかしな優遇政策がいつまでも続いていることが逆に差別を助長しているのは間違いないと思う。財政の効率化という観点からだけでなく、差別をなくすという観点からも、同和行政の完全終結が必要であろう。

  • 船用の新書。最年少市議会議員だそうで、ところどころ自信家というか、鼻につくけど、まぁ立派なもんだ。同和問題はまだ終わっていない。あの大学のときの「同和なんて金持ちがやってる運動」説に衝撃を受けたのは今も忘れない。逆差別の実態。部落を部落たらしめるといってもよいのでは。しかし、公務員を退職させるのは至難のわざだろう。ていうか、ほんとにこんなにひどい状況があったなんて。京都のイメージと全然合わない。でも冷たい感じ、差別的な感じはやっぱり京都な気もする。

  • [ 内容 ]
    逆差別の「現場」発タブーなき再生論!
    終わったはずの「同和事業」に隠された深き闇。
    続発する市職員不祥事と迷走する同和行政。
    解放運動の総本山で今、何が起きているのか。

    [ 目次 ]
    第1章 最年少新人議員が見た深き闇(古都・京都に隠されたタブー なにも決められない「政治」 ほか)
    第2章 ゴミから始まった京都市職員不祥事問題(きっかけはゴミ袋有料化問題 市民の負担の前に自分が正せ! ほか)
    第3章 終わらない「同和対策事業」(記憶に刻まれた「同和」 同和対策事業は本当に終わったか? ほか)
    第4章 税金が垂れ流され続けるシステム(同和奨学金の驚くべき実態 奨学金が返済不要になるカラクリ ほか)
    第5章 京都市は生まれ変われるか?(なぜ同和事業は混迷を極めるか 「お上」自身が責任を取れ! ほか)

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  • 2010/1

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著者プロフィール

村山祥栄(むらやま・しょうえい)
1978年、京都府に生まれる。15歳のとき、政治に命をかけず保身に走る政治家の姿に憤りを覚え、政治家を志す。衆議院議員秘書、リクルート(現リクルートホールディングス)勤務を経て、25歳の最年少で京都市議に初当選。唯一の無所属議員として、同和問題をはじめ京都のタブーに切り込む。変わらない市政を前に義憤に駆られ、市議を辞職。30歳で市長選へ挑戦するも惜敗。大学講師など浪人時代を経て、地域政党・京都党結党。現在、党代表、市議3期目。
主な著書には『京都・同和「裏」行政』(講談社+α新書)、『地域政党』(光村推古書院)などがある。

「2015年 『地方を食いつぶす「税金フリーライダー」の正体 タカリと粉飾の日本病』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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