世界でいちばんやる気がないのは日本人 成果主義が破壊した「ジャパン・アズ・No.1」 (講談社+α新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062725026

感想・レビュー・書評

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  • 明らかに題名で売る本。この題名以外ではなかなか手に取られないと思う。
    手にとってしまうのは、見方によって「世界一やる気のない」、そのように思えるかも、思われているのかも、と日本人自体がなんとなく自覚しているからかもしれない。

    内容は北欧系企業に勤務経験のある方の体験談。
    「いちばんやる気のない」と結論付けるほどの考察やエビデンスはない。

    むしろ、西洋人が「(日本のスタイルについて)それはそれでいいのではないか」と言っていた箇所が印象に残った。

  • 序章 世界でいちばんやる気がないのは日本人?
    規制緩和が殺した競争力
    一億総中流ゆえのやる気
    第1章 やる気を失った日本人と成果主義
    最もやる気・中南米
    100点でなきゃ嫌な日本人
    人件費抑制と意欲向上は両立せず
    突然個人プレーが無理な日本人
    日本がマネた目標管理制度
    第2章 日本人上司とスウェーデン人上司の違い
    フェアじゃないことに猛反発
    組織を自分の色に染めない
    上司=優秀なカウンセラー
    第3章 「やる気」のメカニズムを解剖する
    やる気の悪用
    第4章 日本人管理職は、なぜ部下のやる気を失わせるのか
    やる気を失うメカニズム
    会社に裏切られた
    日本人管理職の権限
    和を以て責任を取らない日本人
    義理と人情は甘えの世界
    第5章 甘えたいから、ワガママを言わない日本人
    ゴール前で仲間にパス
    足して2で割る妥協
    行動科学
    これで食べてる・欧米人の意識
    共生関係
    第6章 私の「マネジメント・バイアウト」
    温室栽培・自己実現
    第7章 ヴァイキングの教え
    個人レベルでの専門特化
    自分の都合を押し付けない
    問われるのは結果のみ

  • "日本は、そこそこの経済大国で、世界の中でもそこそこのステータスもあって、貢献していると思っている人たちの頭にガツンとハンマーを振り下ろしているのが本書。
    しっかりしようぜ!って本。"

  • 「共生関係」を築くことが肝要
    ・所属する組織に自らのアイデンティティーをすべて委ねてしまった日本人がひとりで頑張れないのと、開発援助に頼った途上国がなかなか経済的に自立できないのは、いずれも「甘え」の心理が影響している。

  • 図書館

  • 「提案」はしてるけど、日本において実用性のある解決法かと言われればそうではないなと感じた 惜しい本

  • 日本人の仕事に対するengagement scoreが圧倒的に低いことは、そのmanagementの方法論に問題があるとのこと。ただし、後半に述べられている通り、個人の「自主独立の精神」がそもそも薄い中では、社会レベルでの解決法はあるのかなぁ。

  • 北欧の優良企業を見習え委任方リーダシップをとれ
    優れたマネジメントは、個人の自己実現を支援することで生まれる。
    外国企業の部下の管理は個別合意と、コミットメント
    日本の目標管理は成果主義と合体したのが間違い

  • ヨーロッパ、北米、南米、アジアの代表的な16カ国で、
    仕事に対する意欲を調査をした結果日本は最下位だった。
    1位から順にメキシコ、ブラジル、アメリカ
    下位はイタリア、インド、日本の順です。
    (これだけで「世界で一番」とはいえないけど)

    総中流時代への躍進が終わり、バブルがはじけて、
    成果主義を導入してから、日本のやる気は衰退し続けている。

    成果主義導入の失敗はそもそも日本人の気質にある。
    欧米には「成果主義」という言葉自体がない。
    なぜならばそれが「当たり前だから」である。

    今までまともに部下の評価もしてこなかった管理職が
    突然部下の評価をさせられ、個人に対しても、
    組織に従うことから、個人の能力や成績が問われるようになった。
    ずっと均一的な教育を受けてきた日本人が。

    日本人は100点じゃないと気がすまない。
    70点だったら、100点まで30点足りない。
    という見方をしている。70点は取れたね。
    という考えがない。褒めることをしない。
    これを成果主義に反映すれば減点方式になりますよね。

    マズローの欲求5段階説に基づき、
    1.生理的欲求
    2.安全、安定欲求
    3.社会的欲求
    4.自我・自尊欲求
    5.自己実現欲求

    先進国の労働者に当てはめれば、既に第3段階までは満たされており、
    第4段階以上の欲求を満たす必要がある。
    また、ハーツバーグは人間の欲求には
    「単に不満足を解消するもの」
    =衛生要因(やる気をなくす要因)

    「潜在的な能力を発揮してより自分を高めようとするもの」
    =動機付け要因(やる気が出る要因)
    がある。
    給与や職場関係というのは衛星要因になり、
    満たされない限りは不満になるだけで、動機付けにはならない。
    =成果主義による報酬がやる気を出させる要因にはならない。

    日本では管理職が部下の個別同意を取り付けず、
    話し合いをする時間を殆ど持たない。
    欧米では言われたとおりに異動する人はいない。
    かわりにコミットメントしたことは実行しなければ
    責任問題になる。

    日本では「和を持って」の心で、責任が不明確になっている。
    自分で選択している意思、これで食べているという意思も少ない。
    当然キャリアも描けない。

    義理と人情は甘えの世界。
    「甘え」は日本語特有のもので、「人情」を強調することは
    「甘え」を肯定することで、「義理」を強調することは
    「甘えによって結ばれた人間関係」の維持を賞揚すること。

    日本人は組織と一体化したいという「甘え」の気持ちに根ざしている。
    だからわがままは言わない。
    みんなでがんばるのは得意だが、一人でもがんばることはできない。
    それが起業精神の弱さにもなっている。

    日本人が個の力を強めて全体を強くするには、
    やはり個人の主体性を高め、仲間とがんばる環境、
    そして自分の軌道をチェックするマネージャーがいること。
    優れたマネジメントは、個人の自己実現を尊重して、
    選択的な相互依存の状態で生まれる。

  • 心理的成長を促進するものによって人間は動機付けられる。
    コミットメント。
    自分で決めて行動したことは、自分が責任を取らなければならない。
    自分のキャリアは自分で考えるのが当たり前。
    リーダーシップは行動科学。
    キャリアは自分が選ぶ。
    「これで食べている」という意識。
    専門特化した技術を武器に外の世界に出る。

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