スマホ中毒症 「21世紀のアヘン」から身を守る21の方法 (講談社+α新書)
- 講談社 (2013年7月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062728126
作品紹介・あらすじ
さて、あなたが思い当たるのは──?
□自分のスマホと自宅以外の電話番号は覚えていない
□外出で、財布は忘れてもスマホは忘れたことがない
□スマホを持ったまま眠ってしまったことがある
□妻や夫(恋人)のスマホを勝手に覗いたことがある
□会社の資料をネットからのコピペで済ませたことがある
□カーナビがないと車に乗れない
□ブログやツイッターのフォロワーが増えると嬉しい
□「俺のメール読んでくれた?」と急かしたことがある
──スマホを使っていると情報依存症、ソーシャルメディアでの「つながり依存症」を起こし、思考力や想像力を失ってしまう。このIT、とくにスマホによるアヘン症状こそ新時代の魔物「エレクトロザウルス」の正体である。
本書では、半導体研究のトップランナーとして日米の大学、企業で研究を続け、ITを知り尽くした物理学者が、中高年にとって本当に必要なIT機器と、スマホに依存しすぎない“智恵のある少欲知足”の生活方法を紹介。人間性を取りもどすための究極の方法は、「寅さん」の生き方に学ぶことと、写経という。情報に振り回されず、実り多い老後を迎えるための最強ガイドブック!
1章 スマホは21世紀のアヘンである
●ケータイへの嫌悪感 ●父親の権威の失墜と文明の発達 ●IT医療に対する嫌悪感 ●ネット情報に支配されるな! ●ネット選挙への危惧 ●ITは人間を退化させる
第2章 エレクトザウルスに食われた若者たち
●「片手ケータイ運転」を取り締まれ ●何でもネットの「IT学生」の愚 ●板書をデジカメで撮る輩 ●ゆとり教育は「なまけ教育」 ●日本を衰退させる「さとり世代」
第3章 エレクトロザウルスはほんとうの幸せをもたらすか?
●文明人のストレスと病気 ●いちばん望まれるロボットとは? ●少欲知足、無欲満足 ●IT社会の末路
第4章 「寅さん」に学ぶ、知的生き方のすすめ
●知識より智慧の人、寅さん ●「無用の用」の寅さんの旅 ●寅さんの考える「生きる意味」
第5章 IT版「清貧の思想」で“人間力”を取り戻す
●「温故致智」の叡智 ●「幸福な人生に欠かせないもの ●マサイの人たちに教わったこと ●「養殖人間」より「天然人間」 ●写経のすすめ
感想・レビュー・書評
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この著者が仰るように、現代人は覇気が無く、スマホやタブレットによる頭の未使用からくる知的性の後退という話には共感した。でも、スマホが「アヘン」だからといって、進歩してきたIT技術を使わずに生活を送るのは、少しナンセンスだと思う。
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ゆとり世代の若者に言及していたので気になった
携帯が高機能になることで多くの情報を手にすることができるようになった
これは便利なことなのだろうか!
その情報は 今必要なものなのか?
そもそも情報とは何なのだろう!?
モノ⇒情報という目に見えない物への欲求&執着をwebの世界は作り出してしまった
パソコンがないと仕事ができない
itにより人間は退化する(幸福・感記・憶五感) -
このように「最近の若者は…」と平安時代から言われてきたのですね┐(´ー`)┌
著者さんのおっしゃることもわかりますが、この大きなムーブメントはご自身の主義主張だけでは制御できないでしょう?
人類は破滅に向かって着々と進化している…私はそんな風に感じます。地球規模で考えたら、またそれも悪いことではないのかもしれませんよ?
携帯を持つ前までは、携帯なんてなくても平気だったのに、いったん持ってしまったら、持たない頃には戻れない…。
人類は利便性をこよなく愛する怠け者なのです。 -
老害のたわごと、かと思ったけど、同意出来ることもある。
白痴化しないためにも、巻末のリストは重要。 -
タイトルから期待していたものと実際の内容が違った。
昔はITの技術開発に携わっていたとはいえ、スマホを使いこなしたことのない著者によるものなのですっぱいブドウ感は否めない。
ところどこ頷ける内容はあるが、単なる著者の主張ではなくもっと科学的文化的な裏付けのある内容がほしかった。
余談だが、父親の権威の失墜について「給料が現金払いから振り込みになった」「叩けば直るテレビが複雑化して直せなくなった」などと述べるあたり、化石的な考えのをお持ちの男性なんだなあと伺えます。 -
スマホ中毒症についての、科学的分析と対策かと思ったが、筆者による文化文明論と思ったほうがよい。
そうやって読めば、アヘンとまで呼ぶスマホ中毒症に対する処方箋としてなるほどと思える部分もある。 -
読了後、思ったことは
「まだ、スマホに機種変更しないでよかったかも」
でした。
著者は静岡理工科大教授であり、日本とアメリカで長く半導体結晶等の研究をしていた。
現在のIT社会に関係してきた経歴もある。
三十年前に危惧していたことが、今の時代に起きている。
スマホ中毒という造語に納得する。
いったん外に出ると、大人から子どもまでが片手にスマホを持ってる。
離そうとしないし、つねにいじっている光景を見ない日はない。
常々、その様子を客観的に見て「不気味」と感じていた。
それを、この本が的確に表現してくれた気がする。
使えばよい道具。
しかし、今はその道具に使われている気がする。