ジパングの海 資源大国ニッポンへの道 (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062728485

作品紹介・あらすじ

日本近海の海底には、金、銀、レアアースなど、約200兆円もの資源が埋蔵されている可能性がある!
 東日本大震災に見舞われた日本列島は、こうした過酷な自然災害が頻発する場所。しかし同時に、地球のプレートが沈み込む場所に存在するがゆえ、海底に世界有数の鉱物資源が生み出されるのだ。
 本書では、領海と排他的経済水域を併せた面積は世界6位を誇る日本の海の、特にその海底資源にスポットを当て、「ジパングの海」の巨大な可能性に迫ります。

感想・レビュー・書評

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  • 破滅的な被害をもたらすカルデラ火山跡こそ、高品位鉱山を生み出す源泉。日本近海にはそうした場所がたくさんある。徒手空拳でそれらをなんとか探し出そうとする著者のバイタリティにも感銘。

  • 日本近海の海底には、金、銀、レアアースなど、約200兆円もの資源が埋蔵されている! 東日本大震災に見舞われた日本列島は、こうした過酷な自然災害が頻発する場所。しかし同時に、地球のプレートが沈み込む場所に存在するがゆえ、海底に世界有数の鉱物資源が生み出されるのだ。領海と排他的経済水域を併せた面積は世界6位を誇る日本の海の、特にその海底資源にスポットを当て、「ジパングの海」の巨大な可能性に迫ります。

  • 日本は江戸時代に銀の3分の1を産出していた。
    日立製作所は、日立鉱山に由来していた。
    欧米で捕鯨を注力しているのは、幼児からの教育などによる。

  • 日本は実は資源大国だった。金、銀、銅について江戸時代までは大口の資源供給国だった。背景には日本が火山帯に乗っていることがある。カルデラ火山が形成される中で、金や銅などを高濃度で含む鉱脈が形成されるため。地震や噴火という自然災害と引き換えに日本は豊かな鉱物資源を持っている。

    地上の鉱山はほぼ探索しつくされ、今注目は海底の鉱脈に移っている。探索は原始的な方法でドレッジ(大きなバケツ)で海底を掻きとり、上がってきた鉱物を分析する、というやり方になる。

    深海探査艇は一回の潜水が1500万円。ドレッジでやれば効率は悪いがコストは100分の1で済む。

    地方大学の研究者が限られた予算の中で行う実地調査である。知恵を絞り、技術を向上して取り組んできた。(必ず道はある)

    思い違いをしていたのは火山帯のマグマの中で金ができるわけではない、ということ。元素は宇宙創成の時に出来上がり、それらが、濃くでるかどうかが鉱脈形成につながる。

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著者プロフィール

横瀬久芳(よこせ・ひさよし)

 1960年、新潟県に生まれる。熊本大学准教授。1984年、新潟大学理学部地質鉱物学科卒業。1986年、新潟大学大学院理学研究科修了。1990年、岡山大学で博士号を取得。欧米には確固として存在する「海洋学」の必要性を説き、日本国内でこの分野を初めて開拓。地球のプレートが沈み込む場所、すなわち日本列島周辺の海底鉱物資源の可能性を研究する。2011年、奄美大島沖の海底火山からレアメタルに富む鉱石を発見。2013年秋には、トカラ列島における海洋調査が「NHKスペシャル」で特集される。熊本大学で主宰する「はじめて学ぶ海洋学」は、入学者の実に40%強が受講するマンモス講義となる。
 著書には、『はじめて学ぶ海洋学』(朝倉書店)、『ジパングの海』(講談社+α新書)がある。

「2016年 『面積あたりGDP世界1位のニッポン 地震と火山が作る日本列島の実力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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