ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」 (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062729291

作品紹介・あらすじ

「荒木さんがいなければ、僕のルーティンは完成しなかった」(五郎丸歩)
ラグビー日本代表メンタルコーチとして、ワールドカップの快進撃を支えた筆者の初著作。五郎丸のあのポーズは、どうして生まれたのか。何の意味があるのか。
二人三脚で「ルーティン」を作りあげた筆者だから書ける秘話がいっぱい。
最新のスポーツ心理学から導き出された「メンタルの鍛え方」は、アスリートはもちろん、一般社会で働く人にもきっと役立つだろう。

感想・レビュー・書評

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  • 完璧主義の人は、適切な目標設定をすることができないところに問題があるという言葉にハッとする。
    確かに!
    そして、アスリートでは、長距離選手にも多いとのこと。
    確かに、私も長距離選手でした!

    場合分けと共に、目標設定の手法を学び直しましょう。いやー、思わぬところに、改善の種があるのですね。目から鱗です。感謝!

  • ラグビー日本代表の南アフリカ戦は、動画で見てもハラハラドキドキ、会場の熱が伝わる試合です。
    勇気をもらいたいときに見てしまうのですが、あの試合はまぐれではない!ということが、理解できる内容です。

    スポーツ選手だからこその、不安や葛藤、ストレス。
    心理学的に選手のサポートをし、選手を勝利に導いた筆者の、理論的で戦略的な方法が、やさしい言葉で紹介されています。

    五郎丸選手のルーティンとして知られるあのポーズも、三年がかりで作られたもの。
    目的があり、そこに意識的な方法が取り込まれることで、試合で効果を発揮する。
    スポーツで特に使えそうな方法ですが、この本を読んでいて、スポーツで、技術的や心理学的側面の指導は、しっかりと理論を学んで行うことが大切だなぁと思いました。

    私などは部活の指導が真っ先に頭に浮かんで読んでいたのですが、数年部活の経験がある先生が、技術にも心理面でも、選手を育てるための理論を一切持たずに教えることの危なっかしさも感じました。

    スポーツだけではなく、不安への対処法などは、日常生活でも使えそうですが、そこよりはむしろ、選手たちにどんなサポートをされていたのかとても興味深く読むことができました。

  •  昨今流行りのメンタルな、心のケアの処方箋。
     とくに目新しいところもないが、ラグビーW杯人気にあやかってじゃないと、目に留まらなかった本だったろう。もう少し、2015年RWCのジャパンのメンバーに、どのようにメンタルケアを施し、個々の選手のどんなところに課題があり、どう改善したのかという実話が多く欲しかったところだ。

     自信をつける、目標を達成する、困ったとき・・・ いくつかのシチュエーションでのメンタルスキルを紹介し、そのケースにおける2015年RWCのジャパンのメンツの、ちょっとしたエピソードを添えている。これが逆だったら面白かったけどね。
     エディ氏からメンタルトレーナ―として招聘を受けた時から、まず、その時点でチームに何が足りなかったか、そして何から手を付けていったか、そして個々の選手ごとの課題と改善を年次ごとに追ってく。その試行錯誤が、どのようなメンタルスキルに当たるのかを、あとで整理していれば面白かった。
     というか、その方向性の内容を(勝手に)期待していた。 ので、ちょっと肩透かしで、残念。

     そして、当然と言えば当然なのであるが、詳細な、(恐らく)肝となるようなメンタルスキルは開示されていない。それは、ちゃんと学んでください、あるいは、メンタルトレーナーを雇ってください、ということなのだろう。それはそれで止む無しと納得。
     要は、サワリが記されている程度の内容(ま、それも、ある程度、予想していたけど)。

     セルフトークという段で、ネガティブな発想が浮かんでも、別の言葉(自分の信じられる言葉)を自分にかけて、その言葉のとおり取り組むというスキルが紹介されている。「こんな練習、キツすぎる」と思っても、「がんばりたい」と自分に声をかけてみるんだそうだ。
     えっ、「がんばれ」ってNGワードなんじゃないの?

    “スポーツ心理学では目標設定について40年以上研究がされていますが、この「がんばりマス」目標が「いちばんいけない」とされています。”

     人への応援や、目標設定としてはダメで、セルフトークではいいの? よく分からんなあ。
     とある対話で、「泣いている時間があったら、次のことをやったほうがいい」と言い、その後の章では、

    「とことんまでくよくよするのもいいと思います(中略)泣くだけないて、(中略)そうやって落ち込むだけ落ち込めば、あとはもう前を向くしかないし、手を差し伸べてくれる人も絶対にいます。」

     どっちなの? ところどこ一貫性に欠ける記述が出てくる。
     ともかく、今のこのご時世に求められているスキルであることは分かった。RWCなどの大舞台でも求められ通用し、実践に応用できるツールや理論が形成されてきているのも分かった。
     が、それを職場や一般家庭、あらゆる人間生活の局面で使っていいものかといえば、そうではないんじゃないかな。
     上記の「泣いている時間があったら、次のことをやったほうがいい」という対話相手の記者に「ドライですね」と窘められる。それでも著者はこう返す。

    「ミスの原因が自分の能力が足りないとか、準備が不足していたのであれば、そこを補えば前に進むことができるでしょう。」

     “前に進む”ことが大前提となっている場合においてのみの話だ。

     “前に進む”ことだけが人生かい?

  • 不安な時はなぜ不安なのかを書き出す!
    思考停止は鍛えれば可能!

  • ふむ

  • 自分がどんな状態であればよいパフォーマンスができるか知っておくといい。興奮のレベル、こうした時に勇気が出た、不安がなくなった、など。だがそれも時間が経てば効果は薄れる。音楽を思い浮かべる、体験を思い出すなどいくつかを使い分けたりバージョンアップしていく。 不安レベルを下げる方法、落ち着くために深呼吸する意識。注意を自分の内から外へ変える。ポジティブ言葉手を触る音を聞くも効果有。 思考停止を身につける。深呼吸目を閉じる手を叩くなど。少しでもリラックスして自分や他人を許すもしくは受け流す。前向きになる。 ミスはとりあえず忘れ今やることに頭を切り替える。 失敗は成功へのステップ。

  • 「荒木香里」の『ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」』を読みました。

    ラグビー関係の作品は今年の1月に読んだ「藤島大」の『楕円の流儀―日本ラグビーの苦難』以来ですね。

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    「「荒木さん」がいなければ、僕のルーティンは完成しなかった」(「五郎丸歩」)
    ラグビー日本代表メンタルコーチとして、ワールドカップの快進撃を支えた筆者の初著作。
    「五郎丸」のあのポーズは、どうして生まれたのか。何の意味があるのか。
    二人三脚で「ルーティン」を作りあげた筆者だから書ける秘話がいっぱい。
    最新のスポーツ心理学から導き出された「メンタルの鍛え方」は、アスリートはもちろん、一般社会で働く人にもきっと役立つだろう。
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    ラグビーワールドカップ(RWC)2015で「日本代表」のメンタルコーチを務めた「荒木香里」の初著書… ラグビーの歴史を変えた「南アフリカ」戦での奇跡的な勝利の影には、メンタル強化があったんですよね。

     ■はじめに―メンタルコーチという仕事
     ■第一章 最高のパフォーマンスを発揮するためのメンタルスキル
     ■第二章 自分に自信をつけるためのメンタルスキル
     ■第三章 目標を達成するためのメンタルスキル
     ■第四章 困ったときのメンタルスキル
     ■第五章 受け止め方を変えるメンタルスキル
     ■おわりに―ラグビー日本代表がもたらしたもの

    ラグビー「日本代表」でのエピソードは、抽象的ではなく、「エディー・ジョーンズ」ヘッドコーチや選手個人個人の名前やエピソードが具体的に語られていて、説得力がありましたね… 著者のチームへのコミットメントの高さと、選手一人ひとりが著者に寄せる信頼感が感じられました。

    仕事に役立つヒントも盛りだくさんでしたね… 特に『第三章 目標を達成するためのメンタルスキル』での、

    ・「期限のない目標」は無意味
    ・目標を三種類に分ける
    ・「目標はより高く」は本当か
    ・「絶対に達成できる目標」も必要

    等は、組織の力を最大化するために使えそうな内容でした… 参考になりましたね。

  • 極めてロジカル。
    メンタルという、手触りのないものについて、オカルトではない手触り感のある付き合い方を教えてくれる。

    メンタルとうまく付き合うには、明確な意味づけと、しっかりした準備が必要で、それを知らない人は自分を潰しているだけでなく、人を潰していることもあるんだなと思った。

    自分のやることに責任を持つ、そこには明確な意図、が、必要なんだなと。

    真理って面白いね。

  • コントロールできないことにエネルギーを使わず、自分にフォーカスするというところは、アドラーの言う「課題の分離」に通じた(なんてタイムリーな…)。
    タイトルには「心の鍛え方」とあるけど、鍛えるというより整理する、整えるに近い(長谷部さん…!)。
    ・プレパフォーマンスルーティンはその後のプレーでなくそのルーティンそのものに集中する。
    ・過去に囚われない。基準を今に置く。
    ・頑張りますが一番だめ(うちあたい)
    ・目標は3種類
     (結果、パフォーマンス、過程)*超重要!
    ・初志貫徹にこだわらない
    ・リアクト、リラックス、リセット
    そして最後に、求めすぎない。
    目の前のことに100%取り組めるかが大事。
    当たり前だけど忘れがち。
    やっていく。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99836787

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著者プロフィール

園田学園女子大学人間健康学部教授。博士(Ph.D.スポーツ科学)。中高及び大学在学中は陸上競技短距離選手。スポーツ心理学などを学び、米・北アイオワ大学大学院で修士、ノースカロライナ大学大学院グリーンズボロ校で博士課程を修了。
エディー・ジョーンズHCに請われて、2012年から15年までラグビー日本代表のメンタルコーチを務めた。現在は大学での教育・研究活動のほか、最新の科学的知見を取り入れたメンタルトレーニングのプログラムやセミナーを、アスリートやアーティスト、そしてビジネスパーソンに提供している。アジア南太平洋スポーツ心理学会副会長や日本スポーツ心理学会理事など役職も多数。
著書に『ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」』(講談社+α新書)。(株)CORAZONチーフコンサルタント。https://corazonmental.com


「2019年 『リーダーシップを鍛える ラグビー日本代表「躍進」の原動力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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