- Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062731461
感想・レビュー・書評
-
初めて読んだ後藤正治。昭和のキングオブスポーツだったプロ野球の昔話が好きだったので手に取った。
色々な手法があるようだが、後藤正治さんの作品は取材対象とずっと一緒にいて、時々、まとめてインタビューをする。何年にも渡って取材している本もある。今で言う情熱大陸みたいだ。
とても心地良い距離感で、近過ぎず遠過ぎず、それでいて対象者から相談されたりする。後藤正治さんの人柄がいいのだろうなぁと思う。インタビュアーというより、伝記記者。事件より日常の機微を描く作家さん。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ひどく時間がかかったけど、読んでよかった。今ひいきチームへの関心が下がっている理由を教えてくれた。金で寄せ集めたチームはやっぱり面白くない。情だな
-
主人公の人柄を映したような淡々として落ち着いたエッセイです。この主人公を選んだところで、この作品の出来栄えは決まりましたね。その点では、他のスカウトや選手のエピソードも興味深いものがありましたが、もっと、この主人公だけを深堀しても良かったように思います。
装丁は諸口あきらさんなのですね、こちらもとても懐かしいです。 -
BGM April 5th / Talk Talk
少年野球も草野球も野球界は全部つながっている。その奥深さを知る -
野球好きにもアンチ野球にも読んで欲しい、一人の仕事人間の情熱の記録です。仕事とそれに関わる人間と、情熱が描かれた本。
ノンフィクションは書き手の人柄によってますますその世界に飲み込まれるかが変わってくるかと思うのですが、私にはとても好感もてた方でハマりこめました。 -
広島東洋カープの名物スカウト木庭さんの物語。
80年代のカープ黄金時代、私は広島の田舎チームが東京の金持ちチームを投手力を全面にだして、1点を取る野球で勝っていくゲームに熱中していた。
その屋台骨は、この人が支えていたといっていい。
一時期は、「スカウト」という職業に憧れを持っていたし。
木庭さんの、いやカープの真骨頂は、名も知れない選手を選手を超一流に磨き上げること。どこぞの球団とは一線を画していることも愉快だったし、この頃はまた強かった。今もその伝統は活きているし、それをファンは誇りにしていると思う。
獲得した選手の名前を出したら、きりがない。
その名前、所属、野球歴、細かく記してあったのはよかったし、懐かしかった。
自由競争の時代からドラフトが始まり、逆指名の時代、江川、桑田問題、現在と、ひとりのスカウトの物語というよりプロ野球の選手獲得の歴史そのものですね。
合議制は責任の所在があやふやになるといって、
好まなかったという点も興味深かった。
08年に亡くなられたとのこと。
月並みですが、こんなスカウトさんはもう出てこないでしょうね。
ブックオフの100円コーナーでゲットしましたが、
とてもよい出会いでした。感謝☆ -
カープのスカウトを長年勤めた木庭教さんのお話で、カープファンにはたまらない1冊です。
-
後藤正治という人はやっぱり優れたライターですよね。
しかしドラフトに自由獲得枠(良く分からない制度ですが)が導入され、メディアも全国各地を網羅する現代、こういう「足で稼ぐ」スカウトも少なくなってるのでは。
寂しいようですが、札束攻勢も現実の一つ。 -
ここにレビューを記入してください