ABC殺人事件 (講談社文庫 あ 58-9)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062732772

感想・レビュー・書評

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  • クリスティーの「ABC殺人事件」へのオマージュのはずだが、真正面から取り組んでいるのは有栖川有栖「ABCキラー」だけか。ただ凡庸。恩田陸「あなたと夜と音楽と」は、ラジオのディスクジョッキー2人の会話で事件の述べられていくのが面白い。加納朋子「猫の家のアリス」は猫だけにほっこりしている。貫井徳郎「連鎖する数字」は虚仮にされちゃったなあ。法月綸太郎「ABCD包囲陣」はまあまあのトリック。

  • ABCらしさについてはけっこう濃度があるというか、どの程度オマージュするかという感じだろうか。

    オマージュはある意味どう裏切るか、という点がミステリーとしては必要だろうし、そういう意味では法月氏のやつは秀逸だったなぁと思う。貫井氏のもよかったかな。

    短編集ながら、かなり満足感の高い一冊じゃないかなーと思う。この中からまた好きな作者が生まれそう。

  • クリスティの「ABC殺人事件」がテーマですが、ガチガチにオマージュされているわけではないので本家を読んでいなくても楽しめると思います。とにかく豪華メンバーで読み応えがあります。再読のものもありましたが忘れていて初読のように楽しめました。一番の好みは法月さんの「ABCD包囲網」。のりりんが出てこなくてもあまり変わらなそうなのがちょっと難点ですが。また、恩田さんの作品は数えるほどしか読んでいないのですがこちらは面白かったです。こんな作品も書かれるんですね。アンソロジーならではの出逢いで、発見でした。

  • アガサクリスティーの有名なABC殺人事件にならって、日本の推理作家たちがご自身のABC殺人事件を披露するという本。推理そのものの展開を楽しむと同時に、本家本元のABC殺人事件からどこまで話を飛ばせるかというところに、この本の面白みを感じる。

  • 名探偵に送りつけられる挑戦状、法則性のある連続殺人事件、そして驚くべき真犯人! 女王・クリスティの名作「ABC殺人事件」をモチーフに5人の鬼才が綴る、華麗なる事件簿。「灰色の脳細胞」ポアロをしのぐ名探偵は果たして誰か。ミステリーファンに贈る、文庫創刊30周年記念・書き下ろしアンソロジー!!

    アガサ・クリスティの『ABC殺人事件』は未読。
    有栖川有栖さんは初めて。

    有栖川有栖「ABCキラー」
    恩田陸「あなたと夜と音楽と」
    加納朋子「猫の家のアリス」
    貫井徳郎「連鎖する数字」
    法月綸太郎「ABCD包囲網」

    どの作品も著者の個性がみられ非常に楽しい。
    貫井徳郎「連鎖する数字」が一番好き。
    貫井さんにしてはポップな文章と安定の結末。

  • 講談社文庫創刊30周年記念の企画出版(2001年)もので、A・クリスティの『ABC殺人事件』をモチ-フに書き下された5編のアンソロジーです。貫井徳郎の『連鎖する数字』、法月綸太郎の『ABCD包囲網』、恩田陸の『あなたと夜と音楽と』が、肩の凝らないミステリーとして楽しめました。

  • 商品の説明
    連続殺人犯vs.名探偵、これぞミステリー!

    名探偵に送りつけられる挑戦状、法則性のある連続殺人事件、そして驚くべき真犯人!女王・クリスティの名作「ABC殺人事件」をモチーフに5人の鬼才が綴る、華麗なる事件簿。「灰色の脳細胞」ポアロをしのぐ名探偵は果たして誰か。ミステリーファンに贈る、文庫創刊30周年記念・書き下ろしアンソロジー!!

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    普段はあまりこう言ったアンソロジー系は読まないのだけど。
    いやね、有栖川シリーズの次のやつがなかなか手に入らなくてね...

    ついつい目に付いたこちらを手に取って見たわけですよ...
    もしかしたら意外なあたりがあるかもしれないじゃない!?
    ねぇ、ねぇ。

    「ABCキラー」 有栖川有栖
    「あなたと夜と音楽と」 恩田 陸
    「猫の家のアリス」 加納朋子
    「連鎖する数字」 貫井徳郎
    「ABCD包囲網」 法月綸太郎

    ...とまぁ、なんとも豪華なメンバーですよ!
    少なくとも名前聞いたことある人がほとんどですよ!

    すごいねぇ...

    この中でいちばんクリスティを踏襲してるのはやっぱり有栖川有栖かな?
    ABCを日本語風に、あ、い、う...と順に人が殺されていく...

    もちろんクリスティを踏襲しているだけに、
    ちょっと取ってつけた感は否めないかも。

    でも有栖川と火村の二人のコンビはやっぱりいいですね^^

    恩田陸氏の作品は、お得意の?ちょっとファンタジックさすら感じる作品でしたね。
    最近、お気に入りの人がいて、時々ラジオも聞くんですけど、
    狭い密室の中ではいろんなドラマがあるのかも...と思ったり。

    ただね、最近話題になった暴力事件、あんなのはダメですけどね。怖いよ。

    ちょっとホラーも感じる作品で、夏にはいいかも。
    背後が気になります。ww

    「連鎖する数字」これはえぐい。
    と言うかなぜこれだけヒントが出ていてその繋がりに気づかない!!!(怒)

    またしゃしゃり出てくる推理小説家がイラッとするw
    有栖川や法月がこんなタイプじゃなくてよかったな~...

    犯行の動機となった事件もえぐいし、ちょっと苦手な作風かも。


    全体的な感想として、やっぱりクリスティはダイナミックですごかったな、と。
    アンソロジーというものがよく分かっていないかも知れないのですが、
    はじめにトリックありきでも、良作が出来るわけではないんですよね...

    皆さん苦労されたんだろうな。
    それとも意外と楽しんで書かれたのかな?

    意外と面白かったので、またこのタイプもチャレンジしてみたいですね!

  • 他の短編集でも読んだ作品が2つくらい。軽く読めて楽しかった。

  • アガサ・クリスティの『ABC殺人事件』をモチーフにしたアンソロジー。豪華な作家陣の競作に惹かれて手にしました。古典的名作に対する解釈の仕方にそれぞれの個性が感じられ面白かったです。全て未読だったこともあり、どの作品も楽しめたので個人的には満足できる一冊でした。

  • アガサ・クリスティのミッシング・リンク・テーマの名作「ABC殺人事件」をモチーフに有栖川有栖、恩田陸、加納朋子、貫井徳郎、法月綸太郎の5人が競作したアンソロジーです。
    ミッシング・リンクものは謎としては魅力的ですが、合理的な解決となると、かなり選択肢が限られ、なかなか傑作が生まれにくい印象があります。
    しかしさすがは当代の人気作家さん達、この難しいテーマを、いろいろな切り口で料理し、見事に持ち味を発揮しています。
    その中でも私のベストはきっちり本格ミステリとしてまとめあげた法月綸太郎氏の「ABCD包囲網」です。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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