かげろふ日記 私家版 (講談社文庫 す 1-35)

著者 :
  • 講談社
3.71
  • (2)
  • (8)
  • (7)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 40
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062733595

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • さすが小説家の手によるもの。
    原文や、それを忠実に訳したものとは違う読みやすさがある。
    安和の変や、兼通、兼家の争いなど、ごちゃごちゃしたところも、すっと頭に入ってくる。
    杉本流の解釈も入っているが、道綱母の誇り高さも、それゆえの生きづらさも、よく伝わってくる。
    こんな風だったのかなあ、とかんじさせるリアリティがあるように思われる。

  • 現代でものすごく共感できる内容でした。夫の兼家のデリカシーのなさや不実っぷりはこんな奴いるよね〜と一緒になって腹を立ててみたり。正式な契約のない愛人のつらさがよく分かる現代訳でした。恨み辛みっていうより、「なんでこんな駄目男に振り回されてるんだろ・・・自分」という声が聞こえてきた。最後、自分からアンタとはもう会いたくないのと引越しして実質三行半を突きつけるあたり、駄目男にもう疲れたんだろうなぁ・・・。

  • 割合に原文に忠実に現代語訳されています。それに著者の感性が上手くミックスされて読みやすさ&とっつきやすさでは秀逸。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

杉本苑子

大正十四(一九二五)年、東京に生まれる。昭和二十四年、文化学院文科を卒業。昭和二十七年より吉川英治に師事する。昭和三十八年、『孤愁の岸』で第四十八回直木賞を受賞。昭和五十三年『滝沢馬琴』で第十二回吉川英治文学賞、昭和六十一年『穢土荘厳』で第二十五回女流文学賞を受賞。平成十四年、菊池寛賞を受賞、文化勲章を受勲。そのほかの著書に『埋み火』『散華』『悲華水滸伝』などがある。平成二十九(二〇一七)年没。

「2021年 『竹ノ御所鞠子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

杉本苑子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×