シェエラザード(下) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062736107

感想・レビュー・書評

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  • 決して悪い作品ではないと思うが、釈然としない、納得できないところもあり、いまひとつ話に乗って行けなかった。

    まず、シンガポールから金塊を上海に持っていかなければならない動機、これが腑に落ちない。
    不条理な理由でも構わないのだが、不条理なりの納得がほしい。
    例えば、もっと狂信的に日本の勝利を信じている人がいて、上海の汪兆銘政権維持を至上命題と感じ行動しているなら、わかりやすいと思うのだが。

    謎の台湾人宋の正体。
    途中からそうだろうとは思ったが、その財力や組織力をどうやって築きあげたのか、そのあたりを語らないと無理がある気がする。

    留次やターニャ他、その後日譚がないのも、すっきりしない。
    途中でほおり投げられた感がかなりある。

    弥勒丸のすごさをやたら強調するのだけれど、それにもやはりいまいち乗って行けない。
    おいしいものをおいしいおいしいと書かれても、わからないように、すごいと思うには、すごいという文字ではなく、すごいと思わせるエピソードが必要でそれが十分でないと思う。

    総じてパーツや素材を十分に活かし切れていないように感じた。

  • すごいです!
    歴史は興味津々になりますね。そして浅田さんがすごい!
    第二次世界大戦中の運輸で働く弥勒丸(=阿波丸)
    の緑十字船。
    そんなのがあったのかぁ・・・

    終戦間近のお話でシンガポールから上海で
    そんな裏事情があったのか!?
    驚いた!!

    そんな中での登場する人物たちが
    またまた
    素晴らしい!!

    戦争という過酷で醜い現実を少しでも垣間見れることが出来る大作だと思います。
    そして人のロマンを感じることができる良い本だと思います。

    素晴らしい名作なのにほとんど覚えていない自分に
    がっかりしました。(笑)

    第二次世界大戦、阿波丸、満州事変などを
    ちょっと調べてしまいました。

    よかったです!

    (ラッフルズホテル?でしたっけ?
     行ってみたいものです。
     そして氷川丸も見てみたいです。)

  • 辛い結末がわかっているから、読むのが遅くなった。
    浅田小説はパターン化しているけど、ふと読みたくなる。
    映像化は。。。「日輪の遺産」へと続くんだな。。。
    浅田さんが一生懸命訴えたい事はなんなのか。気になる。

  • 私にとって浅田次郎の最高傑作です。
    (いまのところ)
    ラブレターと双璧かな。
    ただ、こちらは長編。
    読後感、謎解き、読んでいる最中の中だるみのなさ、どれをとっても一級品。

  • 浅田次郎得意の過去と未来を交互して進行する展開。ぐんぐんと引き込まれて一気に読んでしまった。
    誇り高い日本人に感動を覚えました。浅田次郎にしては泣きが少なかったかな。映画を見てるようなロマンチックな情景が目に浮かんで来ました。

  • なんだか視覚に訴えるものがあるような作品でした。
    自分は好きです。ロマンあるエンターテイメント、長編ですが読みやすいです。お薦め。

  • 感想は上巻で。

  • 上巻の感想で読み進めるほど物語に引き込まれる、と書いたけど、正確には戦時中と現代で別々に進むストーリーがどんどん繋がってきて視界が開けてくる感じ。
    その展開の仕方がすごいなぁと思った。

  • 浅田次郎らしい。
    フィクションとノンフィクションを織り交ぜたロマンチックな話。
    ほっとしつつも切ない最後。

  • 太平洋戦争中に実際に起きた貨客船「阿波丸」の沈没事故を下敷きにした作品。
    2000人の乗客と大量の金を載せたまま日本海に沈んだ弥勒丸。
    その乗組員と、船を引き揚げようとするものたち、またその家族、彼らの現代と過去の視点を通して描く壮大なストーリーだ。

    単なるお宝探しが目当ての物語だと思っていたら、見事に裏切られた。
    一隻の船に関わる、多くの人たちの深い思いには心を打たれる。
    シェエラザードの壮大な響きが胸に迫る、一大叙事詩だ。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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