マニアックス (講談社文庫 や 45-5)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 111
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062737555

感想・レビュー・書評

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  • 「ミステリーズ」に続く「Mシリーズ」の二冊目。短編集。「Mシリーズ」の三冊目にあたる「モンスターズ」を先に読んでいたのだが、この「マニアックス」が今まで読んだ「Mシリーズ」の中で一番面白く読めた。本書はタイトルどおりマニアックな人々を中心にして起こる事件が書かれているが、そのどれもが悲劇であったり喜劇であったりと様々な色に満ち満ちている。その色彩豊かなマニアックな世界がとても面白かった。一番好きなのは「孤独の島の島」かな。ある意味ホラーな真相にゾッとした。

  • 山口作品は一通り読みたいなって位には好きなんですが、ホラー色?パラノイア色??の強い短編が目立つ本作は、ちょっと箸休めなテイストでいただきました。
    謎解きらしい謎解きはないですね〜。どっちかっていうとメタ感強いので、メフィストスキー寄りですかね??(ざっくり。特に【次号につづく】と【人形の館の館】のハズし方はね〜色々ギリギリです(笑)。嫌いじゃない(笑)


    【だいぶ前に読んだからものすごいざっくりしてる内容紹介】

    ◎孤独の島の島…漂着物のコレクターという変わった趣味を持つ女性。彼女が隠し続ける恐ろしい過去の秘密とは?

    ◎モルグ氏の素晴らしきクリスマスイブ…パッとしない人生を送り続けていたモルグ氏は、初めての素晴らしいクリスマスの夜を恋人とともに過ごすーーはずだったのだが。

    ◎次号につづく…首を切断されるという猟奇殺人が静かな町で発生した。自分が愛読するコミックに出てくる悪役の仕業に違いないと信じ込む少年が、怪しい隣人を見張った夜、その隣人が首を切断されて殺害されてしまう。

    ◎女優志願…女優を夢見るメイドに、バーテンダーの顔をした悪魔が囁く。「スターの顔をあげよう。ただし、君のその醜い顔と体を代償としていただく」ーー果たして、メイドの数奇な末路とは?

    ◎エドウッドの主題による変奏曲…うん←

    ◎割れた卵のような…幼児の連続転落事故と、突然増えだした流浪の人々の因果関係とは。

    ◎人形の館の館…人形の館で殺された女性の死体が消失し、別の場所で発見されるという不可能犯罪が発生。

  • 前に読んだ時も感じたのだが、氏は海外を舞台にしている方がユーモラスな気がする。しかし、本書で僕が好きなのは『割れた卵のような』。国内を舞台にしつつ妙な異国感が素敵。託卵と子供の居ない放浪民。そして鳥の生態を追うことで氏はすさまじい絵を描いてしまった。ついで『モルグ氏の素晴らしきクリスマス・イヴ』このブラックユーモアは氏ならでは。作者お得意のと言っても良いかもしれない。ドタバタが洗練されていて非常に楽しい。
    『孤独の島の島』で始まり『人形の館の館』で終わる構成も好き。特に後者のゾッとする感じはマニアックならではか。人形の家、神の見えざる手。そして凡ては人の幻影。しかし、現実に起きた事だけは外部からわかる。屍蝋が最後に出てくる瞬間の構成の見事さは筆舌に就く難い。
    惜しむらくは自分に映画の受容体が無いので、第二部、映画狂たちに乗れなかったのが哀しい。もっと自分もマニアックになれば楽しめるのだろうなぁと読みながら思った。

    追記
    「マニアックス」収録の映画狂たちだって、僕に映画の素養は無いけれど『女優志願』は当時の空気を醸しだしどのシーンも切り取って観れるあたり映画的だと感じることは出来たし、「エド・ウッド~」はバカ映画を観ている気分になれるので別に素養が無くても良い部分は多いと考えます。ただ、やはり知っておいた方が面白いに決まっている。

  • ファンタジックな要素もあるが伏線やどんでんもあるので
    ミステリーホラーな立ち位置の7編。
    同著者の「PLAY」と似た立ち位置だが
    1編1編が短い分シャープにまとまっている印象。

    以下激短ネタバレ感想。

    ■I 蒐集家(コレクト・マニア)たち
    1 孤独の島の島
    →不完全燃焼です
    2 モルグ氏の素晴らしきクリスマス・イヴ
    →ミルズが全部悪いです
    3 《次号につづく》
    →ここだけ最後がFADE OUTでないのが心憎い

    ■II 映画狂(シネ・マニア)たち
    4 女優志願
    →ファンタジーです
    5 エド・ウッドの主題による変奏曲
    →完全にエド・ウッドです

    ■III 再び蒐集家(コレクト・マニア)たち
    6 割れた卵のような
    →不完全燃焼です
    7 人形の館の館
    →夢オチです


    2と3はコレクト・マニアでないと思うんだがどうか。

  • 私の好みとは違うようでした。

  • 本格というよりも、奇妙な味、ホラー風味のものが多い。ま、本格コードの逸脱が作者の持ち味だが。

  • 2003年6月読了

  • 山口雅也はスゴイ!!!!

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