- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062739047
感想・レビュー・書評
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ものすごく不便な生活を強いられても、現代に生きる私たちの生活を見直さなければ大変なことになるのは分かる。日々肌で感じはじめている人たちが多いのではないだろうか。大きな舵きりは国家の英断というよりも、民衆の大意がそれを決めるのだとか。豊かさは化石燃料の膨大な消費があってこそ享受できるのだ。そんな仕組みを見直す手本としてわたしたちの身近にあった江戸の生活をもう一度評価してみようというのが本書の試みなのだ。大江戸事情シリーズは8冊発刊されている、その内容は興味が尽きない。
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江戸時代の生活のことが知りたくて、石川英輔の『大江戸えころじー事情』を読みました。
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エネルギー危機21世紀こそ江戸時代に学べ化学エネルギーの導入によって科学は急激に進歩し、生活の便利さが追求され続ける現代。
が、江戸時代を支えていたのは、太陽エネルギーだった。
未来を考える好著。
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日本電気協会新聞部発行の日刊紙『電気新聞』に2000年(平成12年)1月から8月にかけて連載された『大江戸ソーラー事情』を改題し、内容を加筆訂正して刊行された作品です。
■太陽と石油
■便利さとその裏側
■道路が空調機
■回転式の暮らし
■太陽と森林
■足るを知る
■はじめちょろちょろ……
■錦絵の原理
■丈夫で長持ち
■多様に生きる
■手間をかける
■外から内へ
■正法に奇特なし
■われわれは間違っている
■あとがき
■文庫版のためのあとがき
■挿絵の出典
江戸時代に生きてきた先祖は、未舗装の道路を空調機代わりにしていたり、着古したゆかたを、おむつまで使い尽くしたりと、身の回りのものを有効利用していた… 石油や自動車を使う現代人は、楽な生活を手にした、、、
が、果たしてこのまま科学が発達しさえすればいいのか… 物質社会のいまだからこそ、必読の書。
化石燃料に依存した、現代の便利な生活に警笛を鳴らす一冊… 化石エネルギーを使わず、太陽(ソーラー)エネルギーを使っていた、200年以上前の江戸時代の生活を紹介したり、江戸時代と現代と比較することで、どのような生活を志向していくべきか問いかけている作品でしたね、、、
今のままじゃいけないと思っていますが、生活水準は落としたくないですよねー 難しい問題です… でも、未来のことも考えなきゃね と考えさせられました。
あと、初めて知ったのですが… 江戸の井戸(上水井戸)って、地下水じゃなくて、地下に水道管を通して、そこへ流した上水を汲み上げていたんですねー 知らなかった、、、
江戸時代には、世界に誇れる上水道設備が完備されていたなんて… 凄いなー 驚きました。 -
本書は「電気新聞」二〇〇〇年一月六日~八月四日連載の「大江戸ソーラー事情」を改題し、内容を加筆訂正して二〇〇〇年十一月に講談社より刊行されました。
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(要チラ見!)/文庫
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「化石燃料大量使用のヨーロッパ文明・自然征服型文明」から、「太陽エネルギーだけで生きる生活・完全な循環型社会」への方向転換を江戸時代の例証をもとに訴える。
●化石燃料に大きく依存した現在の便利な生活は間違っている。
人力は食料をエネルギーとしているが、江戸時代においてそれは太陽エネルギーと同義。江戸・大坂といった都市でも飲み水として使われた川の水。重要な肥料として回収される人糞。・・・かつての日本は持続可能な完全循環型社会の先進国だった。・・・
江戸時代において、人件費は太陽エネルギーという資本(が元となる食料)なので安い。太陽エネルギー以外に投入できるものがないから、人は骨惜しみせず働く(エゴが少ない)。大量生産はできないので、ものを大切にする。
現代において、人件費には化石燃料にかかる費用が加算される。その上化石燃料エネルギーを投入すれば大量生産できるので、人は楽をしたがる。化石燃料確保を求めた収奪が国家レベルで始まる。消費社会となり物は使い捨てになる。
江戸時代を知る事によって、気づきにくい現代の弊害(人間のエゴ―エネルギー問題―環境汚染・人への汚染)の仕組みを考えさせられる。
江戸時代の日本は持続可能な完全循環型社会の先進国だった・・・植物国家/太陽の国ニッポンを見直す一冊。 -
江戸時代の庶民の生活に現代社会におけるエコロジーなものがあるという…そういうお江戸の生活事情を交えた本。江戸東京博物館にちょっと行きたくなる。
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最近の関心事項エコと歴史が一体となりました。うむ。欲しいな。
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なかなか面白かったと思う。現代の課題が浮き彫りになった。
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人の生き方を思い出させてくれる。現代社会を見直すきっかけとなるもの。
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ためになる! 日本文化って素晴らしいじゃん!と思える一冊