ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.82
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本棚登録 : 11554
感想 : 673
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749053

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。
    一見主人公の行動が本筋から逸れてしまっているかのように思えたが、関係ないような事柄にも意味があり、結論へと結びついていったのは見事。それも巧みな文章力でグイグイと惹きつけられてあっという間に読み切ってしまった。
    ミステリー要素もあり、ホラー要素もあり、でも村上春樹らしいファンタジー作品だった。
    デビュー作から連なる連作、しかし最後にしてはラストに終わり感がないような気がする。どこかで繋がって行くのだろうか。

  • 3.6

  • 三部作と言われる『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』。これらに続く続編。とはいえ、本作独自で読んでも十分楽しめる作品。

    ・・・
    上巻お疲れさまでした。下巻ですね。
    下巻でも、「閉塞感」が五反田君を通じて代弁されていましたね。

    このあたりは共感できるかもしれませんね。もちろんスターなのではないのですが、お金や事情に縛られて死ぬ以外に逃げ場がないという念慮です。

    ・・・
    展開としてはただ、いわゆる近年のエンタメ小説からすれば、ちょっと短絡にすぎる部分はあったかもしれません。

    これまで探していたキキの声。そのキキを手にかけたのが、なんと近頃唯一友人といえる五反田君だった。しかもそのことを察したのが、「中学生だったら恋に落ちていただろう」13歳の美少女ユキ。その後程なく、「経費で落ちる」マセラティと共に海へ沈む五反田君。

    当然ではありますが、既存の登場人物数人できれいに物語が終結に向かいます。

    ・・・
    「僕」の恢復もまた、何というか村上流と謂えたかもしれません。

    五反田君が逝き、ユキも自らの道を歩み、再び独りぼっちになった「僕」。事が片付き、その「僕」の胸にぽっかり空いた穴を埋めるのは、もちろん女性。

    メガネのユミナリさんです。

    ユミナリさんとの心の通った激しい交わり(しかも彼女の勤務先で!)は、「僕」の再生・恢復の象徴なのでしょうが、なんかちょっと、ねえ。

    今度は離さないように、しっかり掴んでおきなさい! みたいな小言も言いたくなりますが笑

    ・・・
    ということで、ダンス・ダンス・ダンスを無事読了。

    改めてタイトルとか展開とかを考えると、なかなか深いかも、と感じました。

    ダンスって一人では普通踊りませんし、ルールもありますし。そんなダンスを何も考えずにうまく踊れって言ったのが「僕」の映し身たる羊男なのですよね。

    タイトルや内容を色々に解釈する人も出てきそうです。それを楽しめるのもまた、作品の懐の深さといえるかもしれません。

  • 心の再生をテーマとして物語は続く。五反田君、ユキといったキャラクターの印象が強く、ラストで鍵を握るユミヨシさんの内面描写がもう少しあって欲しかった。いかなる状況であれ、音楽が流れる限りは踊り続けなければならない。足を止めてはならない。「踊るんだよ」

  • 再々々読くらい

  • いつにも増して村上春樹構文でなかなか進まない上巻。主人公こんなにぐるぐるした人だっけ?よく喋る。でも下巻になると冗談も冴えるし物語も回り出す。それだけにラストがサラッとしていて弱く感じた。でも一場面ズバリその通りだと感じるシーンがあったから、読んで良かった。

  • かっこう

  • あたしだって、ユミヨシさんになりたい 求められるのが好き 服畳むか迷ったの覚えてる、はじめてのとき 畳めばよかった ピニャコラーダをのみたい 飲まなきゃことしの夏おわんないことにした セックスが救いだったり、確認作業だったり、雪かきだったりするの、くやしいけど、そのとおりだとおもう あたしが村上春樹よんでるとき苛々してるしムラムラしてるからあんまり近寄らない方がいい

  • 明確な結末はなく、読み終わってもなお謎が多い。理解できないことも多い。いろんな出来事が起こり、それが巧みな表現で語られる。そんな感じだった。また読み返すと違う発見がありそう。

  • 『羊をめぐる冒険』から4年、激しく雪の降りしきる札幌の町から「僕」の新しい冒険が始まる。羊男、美少女、そしていくつかの殺人――。渋谷の雑踏からホノルルのダウンタウンまで、「僕」は奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら、暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。70年代の魂の遍歴を辿った著者が80年代を舞台に、新たな価値を求めて闇と光の交錯を鮮やかに描きあげた話題作。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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