- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062749329
感想・レビュー・書評
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久しぶりに司馬遼太郎を読んだが、いつもの簡潔にして濃密な文章、突き放しつつ決して目を逸らさない人物描写は滋味深い。彰義隊のことを知りたいと思い、このところ江戸の治世に殉じた志士の立場からの書物ばかり読んでいて、些か視点が偏っていたところに本書だ。風雲急を告げる幕末の動乱を雲の間から見つめる神のごとき遍在視点に一寸眩暈すら覚えた。
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10/22 読了
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薩摩浄福寺党/倉敷の若旦那/五条陣屋/壬生狂言の夜/侠客万助珍談/斬ってはみたが/大夫殿坂/理心流異聞/アームストロング砲
(2004.12.15 初版) -
やっぱ鍋島閑叟の佐賀を知っておかないかん、と思い読んだ一冊。
しかし買ってびっくり、表題作「アームストロング砲」を含む、幕末を舞台にした短編集でした。
ということで表題作は字数が足りず、あまり読み応えは感じなかった。その他の話はちょこちょこと新撰組がでてきたりして、それぞれ十分面白った。
佐賀藩については、葉隠、軍事産業、国内鎖国という、興味をそそるもので、今後ぜひ何か一冊読もうと奮い立ちました。 -
時は幕末。時代の転換期の渦の中でもがき、必死に生きた人々の9つのストーリー。新撰組に体一つで喧嘩を売った豪傑、ふとしたことから兵を引き連れ「倒幕」の兵を挙げた町旦那、そして、藩主から世界最新の大砲の製造を命ぜられた若い藩士。閉塞した時代の中でそれぞれに考え、思いを抱き、一生懸命に生きた姿が伝わってくるようで、自分もがんばらなあかんと思わしてくれる作品。幕末という時代を考える上でも面白い本ではないだろうか。
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この人が書かなければ幕末は幕末で終わっていた。